福島原発温度上昇と福島空間線量率の上昇についての質疑応答 (1/10)
1) 福島原発の温度が上昇している、
2) 福島の空間線量が上がっている、
両方とも同じ状態が続いていると考えるのが今の所は適切で、継続的に警戒しなければならない。しかし、多くの場所では身の回りの放射線量が高い。
問題は「大型台風並みの危険」があっても「原子力のことは発表も報道もしない」という原発事故前の状態(安全神話)に戻ってしまったことです。
(平成25年1月10日)
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福島の原発の温度が非常に上昇しているという事と、福島の空間線量が再試算で上がっているという事で、大変に心配されている方が多いわけですね。
これについて、質疑応答という形で簡単にここでコメントを書いておきたいと思いますが、両方ともですね、基本的には事故の当時から同じ状態が続いていると考えられます。
たとえばおととしの2011年の4月の最初。3月12日に爆発したわけですから、4月最初ぐらいの状態が、かなり安全になって現在に至っているという事ですね。だいたい原子力発電所の放射性物質がどんどん減っていく訳ですね。たとえばヨウ素ですと放射性ヨウ素ですと、大体二カ月経つと100分の1とか、半減期が8日ぐらいですからね、そういうふうになっていく訳ですね。
事故の後、水が沸騰してバーンといったわけですが、あれは、崩壊熱といいましてね、放射性物質が壊れていく時に出てくる熱なんですね。ですから壊れる量が減っていけば減っていく訳です。それから原子力発電所の原子炉の中には、もっと短寿命といいますか、数秒とかそういうものがいっぱいありますので、そういうものも無くなっていくという事で、人体に対する影響も、それから原子炉の中の熱の発生も非常に少なくなるわけですね。
で、大雑把に言って、これは非常に難しいんですけれども、何で難しいか?っていうと、原子力発電所が動いている時はですね、0.00何秒なんていうのがいっぱいあるんで、それの熱が膨大なんですね。ところが原子力発電所が止まってしばらくたった時というのはですね、どのくらいのところを基準にするのかは難しいんですが、たとえば、そうですね、10日ぐらいたった状態というのを考えますと、そこからみますと今現在ではですね、ちょっと高めにみても10分の1以下にはなっているんですよ。
ですから先ほど言った4月の1日ぐらいからみれば、今は10分の1ぐらいになっているわけですね。従ってたとえば温度が上がる。あの当時ですね、原子力発電所の上から自衛隊のヘリコプターが一生懸命水撒いてましたけれども、あの水が10分の1で済むという事なんですね。放水も10分の1でいいという事ですね。えー、まァ、直後から見ればもう少し低いんですね。今私が言ったのは一カ月とか半月とか経った後からみればという事ですから。そういう直後からみれば100分の1ぐらいといってもいいんですね。
ですから、ま、温度が上がるというのは危険な事なんですよ。危険な事なんですが、おととしの4月からみれば安全だと、こういういい方ですね。
それから福島の空間線量が高くなっているのは、これは再試算でですね、去年の正月も高くなりましたね。今年もまた正月高くなったので、これはなにかの原因があるんじゃないかと思うんですよね。たとえば暮れに大掃除してみんなで燃やすから、それで空間に散るのかもしれません。だけどもですね、私の感じでは原発の問題も福島の空間線量の問題も、やっぱり5年間ぐらい継続して注意するという状態のなかで処理出来ると思いますので、特別な警戒態勢とか、特別な事はしなくていいと思うんですね。
福島に住んでいる方とか茨城とかは風の強い日はちょっとマスクぐらいはすると。いうような事をまだもう少し続けるという事が必要ですからね。それからできるだけ汚染された食料を食べない。これはもう当たり前ですけど必要ですね。まぁ、そういう状態であるという事ですね。
それから地震なんかもいつ来るかわかりませんから、ある程度の移動するような準備とか、金銭的な準備というのはですね、やっぱりこれだけ政府や専門家が不安定な時は、やっぱり自衛手段としてある程度は必要でしょうね。つまり、簡単に言いますといまの状態はですね、大型台風並みの危険がきても、原子力に関した事は政府も発表しないし、報道機関も報道しないという、そういう状態が続いているわけですね。
これは実は原発事故の前がそうなんですよ。原発事故の前でも「原発は危ないんだ」という話はいくらでもあったわけですね。この、いわゆる反対派の方々が言うんじゃないんですよ。反対派の方々が悪いっていうんじゃないですよ、推進していた原子力部隊の中でも「危ない」という意見はいくらでもあったんですね。それも実は報道されなかったんですよ。いわゆる「安全神話」だった訳ですね。今と同じですね。この頃言っている事と同じです。
「原子力発電が必要だから安全である」という、
「お前は原子力発電所が必要だっていう事が分からないのか」って僕なんて怒られるんですけど、
「いいえ、それは分かっていますよ」と。
「じゃあ何で危険だっていうんだ」
「いいえ、ま、必要だっていう事と安全だっていう事とは違いますからね」と。
それから「一年100ミリまでいいじゃないか」と。
「いやだけど、法令でちゃんと一年1ミリに決まっていて、それにはずいぶん長い間我々は議論して、危険性を押さえるために一年1ミリと決めてきたんです」と。
「やっぱりあなたは今まで『法令守れ』って言ってきたのに、何で突然変えるんですか?」
「原発が必要だからだ」と。
とかですね、もっとひどいのはですね、原発に今まで反対してきた人たちに反感があるという人たちがいるんですよ。たとえば個人的恨みとかですね、「長い間やつらが『原発反対』なんて言ってて、原発が事故を起こしてなおさら増長している」と。「彼らをやっつけなきゃ」なんて、そんなですね、非常につまらない自分の感情みたいなもので動いて、そして「原発を推進しよう」と言っている人もいるんですね。
我々は子どもたちのために、また日本のためにですね、冷静な判断をしなければいけない時だと思います。
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以上、きーこさんのHPより転載させて頂きました。
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