「温暖化」で国策を変える好機 | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

「温暖化」で国策を変える好機 (7/21)




1997年の京都議定書以来、日本社会に暗雲をもたらした「温暖化騒動」もその国策を変える好機が訪れている。その理由は以下の通り。



1) CO2によって空気の温度があがり、それによって海が暖まり気温が上昇するというシナリオは熱の学問から考えると可能性がきわめて低いこと、


2)海洋国家である日本が温暖化の影響を受けるのは時期的に最後の段階になること(米中の方がはるかに早く影響を受ける)、


3)京都議定書に参加した国で実質的にCO2削減義務を果たしているのは日本だけであること、


4)本当は意味の無い森林吸収分などを含めても、日本は目標を達成できないこと、


5)国連のIPCC(温暖化パネル)のデータの主要部分がウソだったこと(クライメートゲート事件)、


6)もともと国際的には削減義務は日本だけであり、原発事故が起こったことが京都議定書離脱の好機であること、


7)温暖化そのものが、1980年代のアメリカ農業と原発利権からでたものであり環境問題ではないこと、


8)地球は寒冷化に向かうのでCO2の削減は環境破壊になること。



日本のエネルギー選択などの国策議論では、「温暖化の問題まで議論すると際限ないから、温暖化はするという前提」となっており、日本が大きく選択を誤る原因となる。



また多くの識者、マスコミなどが「温暖化する、温暖化は怖い」と言い過ぎて「振り上げた拳を降ろせない」状態にあるけれど、日本国家の将来のためにメンツなどにこだわらず、間違ったこぶしは降ろさなければならない。



もし温暖化そのものを否定するのが難しければ、「世界のどの国もCO2の実質削減をしていないから、日本も旗を降ろす」という曖昧なことでも良いから、早く「科学的事実」に帰る必要がある。



過ちは改めるのに躊躇してはいけないし(憚ること無かれ)、日本だけが損害を続ける訳にはいかない。電気料金を半額にし、環境規制を緩め、日本の中小企業が元気になり、日本の若者が夢を持って仕事につくようにするのが大人のもっとも大切な任務である。


(平成24年7月21日)




--------ここから音声内容--------




先日の中部電力課長の発言は私に大変に大きなショックを与えました。反省することしきりですね。ちょっと緩かったかなぁ、と。私もですね、もう少し電力会社とか国の指導部がですね、本当に日本の国のことを考えて…色々意見が違ってもやってくれてると思いましたけど、「福島で誰も死んでないじゃないか。だからあれは事故じゃないよ」と、そういう感覚で今後のもし日本を運営したとしたらですね、非常に大きな打撃を受ける、と。私もこれは真剣にやらんといかんというですね、考えで2,3日ちょっとブログも途絶えましたが。





電力供給量、および電力料金をまとめて、次にここではですね、「温暖化で国策を変える好機」ということをお話をしたいと思います。1997年の京都議定書以来ですね、日本社会に大きな影を落としてまいりました温暖化騒動でありますが、この国策を変える好機であると思います。まず理由を簡単にご説明しますが、CO2によって空気の温度が上がって、それによって海があったまり、気温が上昇すると…こういうシナリオなわけですが、これはですね、熱関係の学問をやっておられる方はですね、電熱係数だとか、海と陸の熱容量だとか、それから海流の関係なんかを少し計算しますとですね、その可能性がきわめて低いということはご存知と思います。





また損得勘定になるんですが、海洋国家である日本はですね、アメリカとか中国のように大陸国と違いまして、温暖化の影響を受けるのははるかに後の方である、と。私の計算ではどうしたって30年ぐらいはアメリカ、中国よりか日本が温暖化の影響を受けるのは遅くなるだろうというふうに考えられることですね。





それから今度は国際的に見ればですね、京都議定書に参加した国…だいたい150カ国から160カ国になるんですが…出入りがありますからね。実質的にCO2削減義務を果たしているのは現在日本だけであるということですね。国際条約ですから、形式的には色んなむつかしいことがあるんですが、実質的には日本だけが削減してる、ということですね。





それからその日本もですね、森林吸収分とかつまらない国際協定上の問題もあるんですが、それを含めても目標にとうてい到達できないっていうことですね。もうすでに今年はですね、目標達成の最終年度ぐらいにあたっているわけですから、国家目標を達成できないなんていうことはですね、もうとても恥ずかしいことですので、離脱するのが早いというふうに思います。





それから途中でですね、これは2009年ぐらいですが、国連のIPCC、これは地球温暖化に関する政府間パネルでありますが、このデータの主要部分がウソだったこと…これはクライメートゲート事件として知られておりますが、これがほぼ確定してるっていうことですね。





さらに日本ではですね、このIPCCの中の正しいデータも環境省などが誤訳をしてですね…故意の誤訳をして、そして国民に違った印象を与えていたということですので、これはもう問題にならないっていう感じですね。





それから現実的にですね、京都議定書が離脱できるかというとですね、もともと削減義務を持ってるのは国際的に日本だけでありまして、原発事故を起こしましたから、国際的にも京都議定書の離脱の好機が訪れてるということですね。今をおいて他にないだろうと思います。





それから温暖化そのもの、じゃあなんで温暖化騒動が起こったの? という質問を時々受けるんですが、これは1980年代のアメリカの農業が不調だったこと、それから原発が伸び悩んだことからですね、アメリカで仕組まれたことですね。これは1988年の6月にアメリカの上院で仕組まれたことであり、政治問題であって環境問題ではないということですね。





それから将来を見れば、地球は寒冷化に向かいます。特に日本でも北海道、東北地方はですね、これから被害を受けるようになりますので、CO2の削減はですね、環境破壊につながりますので、ここんところを冷静に考えて頂くという必要があります。





ところがですね、現在まだ日本はそこまで踏み切れないで、今回のエネルギー選択などもですね、「温暖化するから化石燃料は使わないんだ」ということを前提にしております。これはですね、大きく日本の選択を誤る可能性があります。とにかく日本以外はそういう「縛り」を持ってないわけですからですね。





ただ難しい問題もあって、多くの識者、マスコミなどが「温暖化する」 「温暖化怖い」と言い過ぎましたのでね、「振り上げた拳を下ろせない」という状態であることはわかるんですが、しかしですね、ここは多くの方々が覚悟を持って、日本国家の将来のためにメンツにこだわらずに、間違った拳を下ろして頂きたいというふうに思います。





もしもですね、振り上げた拳を下ろさないというものであればですね、「世界のどの国もCO2実質削減してないから、この際日本も旗を下ろすんだ」というあいまいなことでもいいと思いますので、早く事実に返る必要があるということになります。





「過ちを改むるに憚(はばか)ることなかれ(論語の一節)」というふうに言うわけですが、日本だけがこのまんま国際的に損害を続けるわけにはいきません。早く電気料金を半額にし、環境規制を緩め、日本の中小企業が元気になるようにし、日本の若者が夢を持って仕事を就くことができるようにするのがですね、現在この原発事故、また震災によって大きな傷を負った日本が再生する非常に重要なことではないかと、そのように思います。





これは非常に一刻も早くやってから、エネルギーの選択をしないとですね、またエネルギーの選択でこの温暖化のくびき(自由を束縛するもの)をひきずるということはですね、非常に危険なことであるということを指摘しておきたいと思います。