誠意ゼロの電力会社 (7/16)
このところ各地で近未来の日本のエネルギーについて政府の提示した3つの案に対する国民の「意見を聞く会」が開かれている.この種の会はやらせなので、意味がない。
今回もどのぐらいの人数からどのような方法で出席者を選び、その中から発言者をどのような基準で選択したのか、民主主義に必要な手続きが一切公表されない。それだけでも無意味だから、マスコミが報道すること自体が問題かも知れない。
ところで、ここで注目したいのは原発推進の意見を述べた東北、名古屋の電力会社役員と社員だ。「被曝しても病人は出ない。間違いない」と発言した。この発言は「逮捕されるべき発言」である。つまり「当事者が法律に違反し、違反を教唆する発言」だからである.
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原発を稼働するにあたり、電力会社は「法規」と「自主規制」いう形をとって国民に被曝の限度の約束をした。それは、
1)1年1ミリ以下にする、
2)それを現実的にするために原発敷地境界では1年50マイクロシーベルトを超えないようにする、
3)自主規制として原発従業員も1年1ミリとする、
ということだった。
このことを実施するために、膨大な設備を作り、従業員を5万人も増やし、その経費をすべて電気を使う国民につけた.
ところが、事故が起こると「1年1ミリ以上でも絶対に病気にならない」と政府の主催する会で公言した。ということは、詐欺か疾病強要だからどう見ても犯罪である.それも大きな顔をして言っていた.
いったい、自分が約束して原発を動かしていたのに、事故が起こったらこんなに簡単に前言を翻す・・・こんな人が原子力をやっていたのかと思うと、一時期、原子力技術に携わっていた私は愕然とする.
今は国民に申し訳ないと思っているけれど、私を始め多くの原子力技術者は「安全な原子力だからやる」ということであり、「間違っても1年1ミリ以上の被曝をさせることはない」ということで進めていた.まさか、それが原発をやるためだけのカモフラージュであり、心の中は「もっと被曝しても良い」と思っていたとは!
この日本はどうなっているのだ? まさか「ハッキリと約束を破った人は監獄」という法律が必要にも感じられる.そうなると、首相(いったん辞めて総選挙をしてから増税するなら政治的決断になる)、経産大臣(直ちに健康に影響がありません)、文科省大臣(スピーディー隠し)、NHK(安全と報道して記者を福島から総引き上げ)、電力会社幹部(1年1ミリと言ってそれ以上でも安全と言い直す)などが逮捕されるだろう.
恐るべき社会だ.これでまともな教育をしろといっても無理である.日本人は約束を守らない人たちの集団だったのか!
(平成24年7月16日)
--------ここから音声内容--------
ちょっと私久しぶりに頭に血がのぼりましてね、実はびっくりしました。それはですね、ここのところ各地で行われてる、なんかエネルギーの選択ですね、日本のエネルギー。政府の提示した三つの案に対する国民の意見を聞く、と。これほんとにずるいやり方なんですね。まず日本のエネルギーをどうするかっていうんじゃなくて、政府で三つしか選べない案を出すんですよ。それも原発を重きを置くか、重きを置かないかって質的なもんじゃなくて、なんか自然エネルギーをやるってこととカップルになってるんですよね。ペアになってるんです。ですから、何を選んでも、なんか例えば自然エネルギーやらされたりですね、原発の調整をさせられたりするっていう、非常に巧みにできてるんですね。それも1、2、3とあって、中間に政府は持っていきたいという、非常に悪らつな手段ではあるんです。
しかしさらにですね、名古屋がご婦人が怒っておられましたけども、どのぐらいの人数からどういう方法で出席者を選んで、それからその中からどういう方法で発言者を選んだのか、と。まったく言われない、と。説明されない、ということですからね。マスコミが報道する自体も問題ですけど、マスコミがそれを言わないっていうこと自体問題…ちょっとそういうこと言ってたマスコミもありますけどね。
ところで、私がそういうことがかなり多くの方が気が付いて言われると思うんで、私がここで言いたいのはですね、その会で原発推進の意見を述べた東北電力と中部電力の役員と社員ですね、断言してんですよ。「被曝しても病人は出ない。間違いない」と断言してるんです。これは逮捕されるべき発言ですね。つまり、法律に違反することを専門家が…電力会社ですからね…専門家が言ったわけですからね。これはもう明らかな法律違反ですね。
例えば私がよく言ってるように、「制限速度が60kmの道を、80kmで走っても絶対に事故は起こりません。構いませんからみなさん80kmで走って下さい」と政府の委員会とかそういう集会で言うってことですからね。これをみんなが認めるってのは異常ですよ、ええ。
それからもう一つ、僕がもっと問題にしたいのはですね、「約束破り」っていうことなんですね。電力会社がですね、法規を定め、自主規制をして国民に被曝の限度の約束をして原発を動かしたんですよ。一年1ミリ以下にするんだと、被曝を。例えば細かいとこ言えばいっぱいあるんですけど、例えばそれを現実的にするために、原発敷地境界では一年50マイクロシーベルトを超えないようにするんだとかですね、約束して始めたんですよ。
しかも、自主規制で原発従業員も一年1ミリにしたんですよ。そういう約束でやってるんですよ。で、その約束だけでお金がかかんなかったわけじゃないんですよ。もう膨大な設備を必要としたんですね、もちろん。従業員も5万人も増やしたんです。その経費はすべて我々が(電気代として)払ったんですよ。
ところが事故が起こると約束ころっと変えてですね、「一年1ミリ以上絶対に病気にならない」と公言する人が出てきたわけですから。これはもう詐欺とか疾病強要とかなんか、そういう犯罪ですよね、これ。これ犯罪なんですよ、ほんと、ええ。こうやつはもうみんな犯罪なんです。例えばナイフで刺して人を傷つけちゃいけないってのが「刺しても大丈夫なんですよ」って言ったりなんかしてね、これダメなんですよ、ええ。
それから問題はですね、自分が約束したんですよ。自分が原発を動かすにあたってはこうします」と。「絶対にそれを違反しません」と言った当人が、「すいません」でもないんですよ。「何も病気になりませんよ。間違いないです。私保証します」って、あなた何言ってんのって感じですよね。私はですね、原子力を一時期やっとりまして、非常に申し訳ないと思ってますが、しかし多くの原子力技術者はですね、あの人(のような考え)ではないと思うんです。テレビに出ているような電力会社の役員とかそういう人じゃないと思うんですよ。電力会社ってのはどんな人だったのか。
僕、電力会社に協力したのがほんとに恥ずかしいですね。安全な原子力だからやるっていうことで一致してたんですよ、我々。危険な原子力はやらないっていうことだったんですよ。だから、今日は原子力反対のデモがありましたけどね、危険だからやめるって僕らと一緒ですよ。私たちも危険だったらやめるんですよ、原子力は。原子力技術者はそうなんですよ。間違っても国民に一年1ミリ以上の被曝をさせるようなことはないということで進めてきたんですよ。まさか、そう言い続けてきた電力会社の人がですね、心の中では「もっと被曝しても健康に影響がないと思った」って考えられませんね、ええ。
私ねぇ、この日本にね、恥ずかしいけど、「はっきりと約束破った人は監獄」っていう法律を作る必要がありますよ。そうしますと、まず首相ね。これ増税をいったんやめて総選挙してから増税するならいいんですよ。これは政治的になりますからね。経産大臣(の)「直ちに健康に影響がありません」、「私7回しか言ってませんから」、文部科学大臣(の)スピーディー隠し、NHK(の)安全と報道しては記者を福島から総引き上げさせたっていうやつですね。それから電力会社の幹部。これはもう逮捕ですよ。いやいや簡単なもんですよ。「はっきりと自分で言った約束を破った人」ですよ、ええ。
NHKはですね、全国民に「福島にいても大丈夫ですよ」と言って、それを信じた人がいたんですね。今日もデモに出たお母さんがそう言ってましたよ。「息子が、「政府の言うことを信じる。NHKが報道してたから。だからそれを信じてここにいる」と言った」と。しかしそこは政府も危険だと思って、NHKも記者を引き上げた。引き上げさせるってことは危険だっていうことですからね。自分で「危険だ」って言ったってことですよ。
だからここで私が言ってるのは、はっきりと自分が言ったこと、自分か約束したことを破るっていうのは監獄ですよ。それもね、せめて「間違ってました、すみません」って土下座して一応やり直すってことです、ええ、それはね。やっぱりやり直さなければなりませんね。もしも監獄がすぐダメなら、とにかく謝る、と。前言を取り消すということをしないとですね、ダメですねぇ。おそるべき社会ですね。これでまともな教育をしろって無理ですし。
それからですね、私この前、ちょっと別のブログにも書きたいんですが、長く放射線の研究をしてた人がですね、「まったくもうガッカリしちゃう」と。「我々は今までもう何をしてたんだ」というメールを頂きました。そうですよ。私たちねぇ、多くの人が一年1ミリ被曝しないように必死になってやってたわけですよね。一体なんだったという、一体。誰がだましたんだ、と…いうふうに叫びたくなりますね。こういうテレビを見てますと。
ほんとにひどい社会になった。だけど、どなたかが言ってたように「絶対にここで黙ってはいけない。絶対にここで黙ってはいけない」。あの名古屋の集会でですね、「あなたたちは私たちがわかることもわかんないの?!」って叫んだいた方、ご婦人はまことに立派ですね。私たちは声を上げないといけない。そうしなければ、ほんとうに私たちが子どもに引き継ぐ社会がですね、はっきりと約束を破った人が約束を守る人を非難するっていう社会ですからね。これどうにもなりませんね。それを今日は強く感じ、非常にある意味では頭に血がのぼって(ここで音声が途切れていました)