時事寸評:原爆を始める日本・・・民主党・自民党の隠蔽 (6/22)
東京新聞が報じたことですが、民主党政権が「原子力基本法と宇宙利用」の二つについて密かに変更を行い、通常の政治的解釈の拡大では少なくとも原爆の研究は可能になったと考えられます.
具体的には日本が原子力を行う目的として、「原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行う」と修正されました。
「安全確保」の中に「安全保障」が入ったのは「核抑止力」、つまり日本が核爆弾を持って自衛することを意味していますが、これは自民党の修正要求で入ったものです。
また同時に宇宙航空研究開発機構法も改正され、宇宙開発に軍事目的が入りました。原子力基本法の改定は、2012年6月15日に環境委員長の名前で提案、可決されたが法案の改正の内容は可決後に公表されるという国民を侮辱したものでした。
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戦後の原子力の事業、研究分野では「原爆を保有すべきか否か」は大きな問題として横たわっていました.実は私は原子力の研究で「平和利用特賞」というのをいただいたのですが、その当時、よく「武田さんの研究は平和利用に限られるから、日の目を見ることはないよ。日本政府は原爆を持ちたいのだから」と言われたものです.
つまりまず一般の人にわかっていただきたいのは、広島・長崎で原爆の被弾を受けた日本は「核兵器反対」のように見えますが、日本の首脳部はそうではないということです。
「高度な軍事的な話で、国民には理解が難しい.でも、軍事的には核兵器を持たなければならない」ということではなく、日本の指導部に「日本の防衛をどうすれば良いか」を判断する人がいないので、「他国が核兵器を持つから日本も必要」というぐらいの見識なのです.
今回の改正でも、自民党の幹部が「(核兵器を持ちたくないというのは)見たくないものを見ない人たちの議論だ」としています.つまり正面から核兵器の必要性を論じるのではなく、「どうせわからない奴には話さない」というスタンスなのです.自分の意見がないので、このような表現を使っています.
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本質は次のようなことです。 1985年頃、「戦後政治の総決算」と称して、内需の拡大、自主防衛に踏み切るべきだったのですが、自民党政権はそれに失敗しました。残念ながら1985年という日本の国力が最高だったときでも、現在の日本政府は「肝心なこと」を考えて決めることはできないのです.
従って、日本の核武装の問題は「世界に引きずらて日本も核武装がいる」と言うことでもあります。論拠が明確ではなく、信念もないので、日本が核武装をすべきかということに対して真正面から議論をすることを避けて、たとえば私に耳打ちして「君の方法は核武装に役立たないから政府はお金を出さないよ」とか、今度のように「審議をしないで国会を通す」というようなことになるのです.
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さて、日本の核武装は必要でしょうか? それは日本の自主防衛(再軍備)とどのような関係にあるのでしょうか? いくつかの典型的な方針が考えられます.
1)(私の意見)現在の世界では核武装していない国に対して一方的な核攻撃はできないから、日本の場合、核の抑止力は存在しないから、核武装は不要である.
2)(偉い人の意見)核抑止力は自衛からいって必要だから、自衛隊でも再軍備でも核爆弾を保有すべき。
3)(普通の人)核武装などとんでもない。考えることもできない。
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2012年6月の時点で、民主党政権が核武装につながる原子力基本法の改定を行ったのはさらにもう一つの意味があります。今の民主党政権の中枢部には、日教組の指導者、左翼の人たちが多くいて、鳩山、小沢議員が中枢部にいないことから、むしろ左翼政権とも言えます.
日本の左翼、とくに日教組などは日本の核武装に強く反対してきたのですから、原発再開も含めて現政権の首脳部がどのような考えなのか公表しなければならないでしょう。
当たり前のことですが、国会での論戦の目的は国民にそれぞれの議員や政党の考えがわかること、それによってさまざまなことを判断することができることです。今度の原子力基本法の改定は、議論がなかったので、政府がなぜこの時期に原子力基本法の改定を行ったのか、これまでの意見とどこが変わったのか、それもわからないでいます。
内容的に日本が核武装の道を開くものであり、手続き的に民主主義を愚弄するものなのに、NHKや主要新聞が報じないのですから、いよいよ私たちも断固たる態度を採るべき時期が来たと思います。
このところ、比較的、報道らしい報道(政府の発表そのままではなく)をしている東京新聞は急激に販売部数を増やしています.これだけ報道があふれているのに国民が知りたいことを知ることができないでいるのだから、東京新聞の人気が高くなるのは当然でしょう.
政府発表をだけを報じたり、やらせ番組までするNHKの受信料不払い運動、東電の事故までは「放射線は危険だ」というキャンペーンを打ち続け、事故が起こると「放射線は安全だ」に変わる朝日新聞を買わない事が「私たちが次にできること」でしょう。
子供達の日本のためにも.
(平成24年6月22日)
--------ここから音声内容--------
消費税増税法案の陰に隠れましてですね、私たちの子供に非常に大きな影響のある法律の改正が通りました。これは東京新聞が報じておりましたが、「原子力基本法と宇宙利用」に関する二つの大きなことが変更になりまして、日本がですね、原爆の研究が可能になったと考えられます。
具体的にはですね、どういうことかって言いますと、原子力基本法にですね、「原子力利用というものは『安全確保』であり、それは国民の生命、健康、財産の保護、環境の保全」・・・ま、ここまでは良いんですが、この後にですね、これは自民党の要求で入ったんですが、『我が国の安全保障に資することを目的』ということが入りました。
これはもう、すごい事ですね。まぁ私はこれを見てですね、“ああ、なるほど”と思いました。つまりですね、「安全確保」の中に国の「安全保障」を入れるのはですね、「『原爆』で核抑止力をつける」ということですね。で、同時に宇宙航空研究開発機構法という複雑な法律も改正されまして、宇宙開発に軍事目的が入ったわけです。
えー、このですね、改定は実に手続き的にも酷くてですね、6月15日に環境委員長の名前で提案され、可決されたんですが可決後に公表されるという・・・何と言うんでしょうかね、国会討論を一回も国民は聞かずに、この重要法案が通ってしまったということですね。
実はですね、世の中の常識とは違い、戦後の原子力の事業、研究の分野で私携わってきたんですが、常に原爆を保有するべきかどうかという議論がありまして。実は私の原子力の研究では「平和利用特賞」というのをいただいたんですが、当時よくですね、「武田さんの研究はダメですよ」と、「平和目的に限られるんですから」と、「日の目を見ませんよ」と、「結局、日本政府が原発をやってんのは、原爆を持ちたいからですからね」とよく言われたもんですね。
一般的に見るとですね、日本は「核兵器反対」を掲げてるように見えます。しかし首脳部はそうじゃないんですよ。これがですね、一番大きな問題はですね、首脳部がよくよく考えて高度な軍事的な面からですね、日本が核兵器を持たなきゃいけないという風に結論付けたんじゃないんですよ、実は。あの、分からないんですよ。日本に防衛の分かる人ってほとんどいなくてですね、ほとんどの人は「他の国が核兵器を持ってるから日本も必要」っていうぐらいなんですね。
今度の改正でも自民党の幹部がですね、「多分これに反対があるだろう」と、つまり「『核兵器を持ちたくない』という反対があるだろうけども、それは見たくないものを見ない人たちの議論だ」とこういう風に明言してますね。もうちょっとこれが進んだら、この幹部の名前をやっぱり挙げなきゃいけないと思うんですね。つまり、この人がですね、正面から「日本は核兵器を持たなきゃいけないから、これをこう改正しなきゃいけないんだ」と言うんじゃなくて、「日本人には平和主義とかいってですね、見たくないものを見ない」、つまり「戦争という現実があるのを見ない人たちがいるから、そんな人に議論しても無駄だ」とこういうわけですよ。「どうせ分からない奴には話さない」っていうスタンスなんですけど、実は自分の意見の方が無いから、こういう意見になるんですね。
この背景は色々あります。一つはですね、1985年頃、「戦後政治の総決算」ということでですね、内需の拡大とか自主防衛というものに踏み切るべきだったわけですが、自民党政権はそこで失敗しました。1985年ていう年はですね、まぁ1980年代と言っても良いんですけど、日本の国力が最高だった時でありまして、そういう時でもですね、残念ながら日本政府は、最も日本に大切な事を考える力が無かったんですね。
そこでまぁ、今回ずるずると来た結果ですね、「世界に引きずられて日本も核武装をする」というようなですね、おかしな結果になったわけです。論拠は明確でないし、信念もありません。日本が核武装すべきかということに対して、真正面から議論する事を避け、まぁとにかく私にですね、「君の方法は核武装に役立たないから、お金は出さないよ」っていうようなことを、耳打ちするような世界なんですよ。
だから今度のように法案改正を「国民にも知らせず、審議もせず、国会に提案する」というような手段を採ったわけですね。「面倒だから、反対する奴はいかがわしい奴だ」ってこれね、民主主義じゃないんですよ。民主主義っていうのは、意見の違いがあることを前提にしてやろうという革新ですからね。
ところで、日本の核武装は必要でしょうか?この3つぐらいの意見があると思いますね。
1) まず、私の意見です。私はですね、現在の日本では核武装をしてない国に対して一方的に核攻撃できないんですよ。特に、日本に核攻撃をするってことはですね、広島・長崎もありますからもう絶対にできないですね。だから「日本は必要ない、もしくは日本の兵隊が非常に強いから」と言っても良いんですね。
2) それからまぁ、偉い人の意見はですね、日本の。「核抑止力は自衛からいって必要だから、自衛隊であろうが再軍備であろうが核爆弾を保有すべき」というのが多くの人の意見でしょうね、これ。“言わない”というだけですね。
3) 普通の人はですね、一億人以上の人はおそらく日本で、「核武装なんかとんでもない」と「考える事もできない」と思っておられると思います。
もう一つ考えないといけないのは、この2012年6月、民主党政権が政権を取って、しかもその中には鳩山さんとか小沢さんとかいった、かつての自民党の人はあまりいなくてですね、どっちかと言いますと元々左翼系の人、日教組の指導者だとか、左翼系の人が多く中枢部にいるんですよ。しかしですね、今までですね、左翼の人がですね、核武装をするっていうのはとても考えられませんね。特に日教組などは、日本の核武装に強く反対しているはずなんですね。
えー、まぁこれはですね、実際にこの日本が核武装するように原子力の法律とか宇宙開発(宇宙航空研究開発機構法)を変えるということが、国会で議論されればですね、その人はどう言うかっていうことが分かるんですけど、何しろ議論が無いわけですね。だからこれ、東京新聞が伝えてくれたから良かったものの、手続き的にも民主主義に反する、内容も核武装だ、と。しかし、NHKとか主要新聞はまったく報じない、と。
いよいよ我々も具体的な態度を取るべき時期が来ましたね。これでは、私たちは子供に安心して日本を任せることはできないですね。東京新聞が最近、急速に販売部数を伸ばしてますよ。これはやっぱり事実を伝える新聞だから・・・「事実を伝える新聞」っておかしいですよね、新聞って大体事実を伝えるわけですが。
ま、NHKは政府発表だけを報じてんの、みなさんご存知の通り。しかも私の本なんかに書いてる、やらせ番組までするんですからね。NHKの不払い運動はどんどん進めなきゃいけませんし、そいから東電の事故までは「放射線は危険だ」というキャンペーンを張り続けた朝日新聞。私も原子力やってる時も、朝日新聞に大変に責められましたね、「安全か!?」とか言って。
ところが、原発の事故が起こるとすぐ、「放射線は安全だ」に変わるわけですから、情けないですね。朝日新聞は買っちゃいけませんよね、これは。日本の子供たちにも、やっぱりそんな新聞あったらもう危険でしょうがないですよ。この大きな改定がですね、密かに行われ、東京新聞が報じるということは、「今の時代に、私たちが何をしなきゃなんないか」ということをよく教えてくれるものだと思います。
(文字起こし by danielle)