野田佳彦は首相なのか? | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

野田佳彦は首相なのか? (6/12)




日本人としては残念ですが、次の4つをまず比べてみたいと思います。


●刑法246条 詐欺罪 「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」、

●民主党2009マニフェスト 「増税無き財政再建」、

●野田佳彦の政治生命 「消費税10%に増税」、

●選挙をしたら負けるから絶対に解散しない。



選挙が「人」を中心に行われ、国民が「人」を選ぶ方式なら別ですが、現在のような小選挙区制で大政党がそれぞれの公約を掲げて行う選挙では国民は選挙公約を見て投票しました。



国会では「党議拘束に違反するな」と民主党首脳は言っている。公約に反する党議は存在できないのは当然です。



選挙によって選ばれて「国民の信任」を得るというのは「言ったことを守る」ということであり、「選挙すれば負ける」というのは「国民の信任を得ていないことを本人が理解している」ということだから、国会議員で選ばれて首相になるということはできない。



つまり、野田佳彦という人は首相ではないのに、テレビ、新聞では首相として報道されています。ここはハッキリとした国民の意思を日常的な生活の中でしめすか、暴動を起こすかしかないけれど、暴動より日常的な生活の中で首相を首相として認めない方が穏やかで良いと思う。



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たとえば大手の銀行員がある人の自宅を訪れ「今までは・・・でしたが、もしこの預金をしていただければ2%の利子を出します」と約束して、実際には逆に銀行の手数料として2%を差し引いたという事件があったとします。



この場合、銀行員が会う約束をし、身分証明書を出し、すべてのことを「正しく」行ったという「手続き」が問題ないから詐欺にならないということではありません.形式が整っていればいるほど、むしろそこで何を話したか、人をだましたか、さらには書いたものを渡したのにそれに反することをしたかが詐欺というものです。



だから、選挙をして、国会で使命を受けたから首相ではなく、詐欺行為がなかったかどうかが問題になります.



2009年の民主党の第一公約(マニフェストの1)とその実行手続き(いずれも民主党自身が選挙の時に国民に示したもの)をここで示します。

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誰が見ても公約は破綻したのですから、公約を作り直し、選挙をやり直さなければならないのは明瞭です.もしこのまま野田佳彦という人が「消費税10%へ増税、原子力安全員会の勧告無く原発再開」などの重要政策を実施したら、「法の前の平等」から言えば詐欺罪が疑われます.



およそ日本のような誠実を持って国の柱にしてきた国、教育で子ども達に「誠実であれ」と教えている国の首相としては、詐欺罪が成立するかどうかは別にしても、首相でないことは明らかです.



「裸の王様」がこのまま首相として待遇され、報道されないように多くの日本人が自らの態度を決める必要があるでしょう.選挙自体が破壊されるとさらに日本の将来が危うくなります.


(平成24年6月12日)




--------ここから音声内容--------




えー、ちょっと残念な事なんですけども、この最近のですね、政局と言いますか政治を見ておりますと、色んな議論をする事が出来ないんではないかと、そういう風に思われる程ですね。その一番大きいのが、やっぱり今、首相の座に就いていると考えられている野田さんはですね、「本当に首相なのか」という事ですね。これについて次の4つの事をまず我々はですね、比べてみなきゃいけないと思うんですね。





憲法246条には…刑法ですね、『詐欺罪』って言うのがありまして、人を欺いて財物を交付させた者は10年以下の懲役に処すると、こう書いてある訳ですね。民主党マニフェストはですね、後に示しますが、基本的には「増税なき財政再建」っていうのを打ち出しております。





えーそれから野田首相と言われる人はですね、政治生命を賭けて消費税を10%に増税すると言っています。つまり、国民を欺いて国民の財物を交付させるという事を今、計画しています。まああの、公約が途中で実施できないという事も有り得ますが、それは選挙によって国民に問えば良いんですけども、選挙をしたら負けるから解散しない、と…こういう様な事ですね。





そうしますと、これはどういう事かっていう事ですね、まず第1に選挙が人を中心にして選ばれて、国民が人を選ぶ方式ならまた良いんですけども、小選挙区制でですね、大政党のマニフェストに我々は投票する、と…こういう風になっている訳で、えーこれはですね、個人個人が「民主党のマニフェストは違いますよ」と言って…当選した民主党の国会議員が言えば別ですけど、そうじゃなければ、やっぱりこの公約に沿って国民の代表になったということですね。





現に国会では民主党が「党議拘束に違反するな」という風に言っておりますので、党議拘束を中心として政治が行われてるという事も火を見るより明らかであるという事ですね。で、まあ首相になるためには選挙によって選ばれて、つまり国民の信託を得た人たちが首相を選ぶ訳でありますけども、それには勿論、言った事を守るって事は大切ですが、選挙すれば負けるという風に現在思っている、だから解散しないって事は、国民の信任を得ていないって事を本人が理解している、という事ですね。





ですから国会議員で選ばれて…国民の信託を受けた国会議員が選ばれて首相になるっていう事じゃないんですね。ところが奇妙な事にって言うかですね、時々こういった奇妙な事って起こるんですけども、首相じゃない人をですね、テレビ新聞では首相として報道しています。えーまあこれについて暴動を起こすとか、そういう穏やかじゃない方法はあるんですけども。





一番私が良い方法はですね、国民はですね、選挙公約に大きく違反して政権を獲ったり、首相になったりした人の事を認めないっていうのが一番良いんじゃないかと思うんですね。「認めない」と、国民が。実質的に。報道もしなければ、まあ首相官邸から追い出すかどうかは別にして「出ていってくださいよ」とは言う、と。





これはですね、実はあの…例えばある人に話しましたらね、「それはちゃんと国会で選ばれてるから」って「手続き」を言ってる人がいました。「手続き」とは関係無いですね。それを1つ例を示しますと、例えば大手の銀行員がですね、ある人の自宅を訪れて「今まではこうでしたけども…殆ど利子は無かったんですけども、この預金をしていただければ2%利子を出します」と言われるもんですから、それを信用して預金をしたら逆に銀行から手数料として2%取られたと、こういう事件があったとしますよ。で、この時ですね、銀行員はちゃんと電話をして会う約束をし、大手銀行の身分証明書を出し、全ての事を正しく行ったという「手続き」は問題無くてもですね、だから詐欺にならないっていう事じゃない訳ですね。





つまり「選挙が正当に行われ、国会で選ばれたから首相である」と、そういう事じゃないんですよね。むしろそこでその人が何を話したか、人を実際騙したのか、更にはですね、書いた物を渡したらもっと駄目ですね。例えば「預金(金利)を2%差し上げます」という書付けを出して、そして「いや、実は2%いただくんです」と。これはですね、明らかな詐欺罪ですね。だから形式の問題じゃないんですよ、詐欺というのは。詐欺は形式が整ってたら詐欺罪ではないって言うと、結構混乱する訳ですよね。





そこでまあ一応ですね、皆さんご存知だと思いますが、2009年の民主党の第1公約、それからそれをどう実行するかっていう実行手続きも示されておりますので、『念のため』ここに示しておきます。これから見ると今の状態はですね、誰が見ても公約は破綻している訳です。





で、公約を作り直して選挙をやり直すっていうのが当たり前で、だから「負けるから、負けるから増税するんだ」と。若しくは大飯原発の再開問題では原子力安全委員会の勧告なく原発再開という事を首相が言ってる訳でありすね。





えー、「何故東京電力の首脳は逮捕されないの?」と私、よく質問されるんですが、「何故鳩山さんはお母さんから月々1600万円貰ってて、贈与税も何も要らないの?」と、こういう風に質問される訳ですが、やはりですね、色んな事があると思いますが、やっぱり積極的に説明をし、例えば「何故今解散しないのか。(それは)負けるからだ」とかいう事をですね、極めて明瞭に説明する必要があると思いますね。





例えば官僚の抵抗によってマニフェストが出来なければ、先ずはですね、「こういう抵抗によって実施できなかったんだ」という事を言ってですね、そして、「じゃあ訂正します」と言って訂正して、そして信を問えば国民は結構ですね、「あぁ、なかなか正直な党だな」と、こう思うかも知れませんね。





私はですね、日本は「誠実」をもって、国の柱にしてきたと思います。日本人は誠実でした。今でも借りたお金は返すという点ではですね、日本は本当にちゃんとした国なんですね。で、私は教育現場にいますが、子供たちには「誠実であれ」と教えております。しかしその国の首相がですね、詐欺罪が成立するかどうかは別にして、こういうのは首相っていうのはちょっと問題な訳ですね。





まるで裸の王様でありますけども、まあ私はですね、これも1つの国民の責任ではないかと思いますね。首相として報道したり、野田さんがどう言ったかという…この前私、コメント求められまして、「いや、野田さん(について)のコメントって要るんですか?」と。「私は彼は首相じゃないと思ってるんで、別に野田さんがどう言ったって事は国民の1人が言った事ですから、あまりコメントしたくありません」と答えましたけども。





もしもですね、100の言葉、つまり「公約を違反したのは政府じゃない」とかいう100の言葉よりかですね、我々皆が「野田さんは首相ではない」という事をハッキリすればですね、私は解散せざるを得なくなりますし、まああの、もしかすると選挙自体が破壊されるという今の状態が、何とか回避できるんじゃないかと思いますね。日本の選挙が崩壊してしまったら、それはもう大変な事ですね。私はそういう風に思って非常にあの、この頃おかしいなという事を感じております。


(文字起こし by まあ)