原発短信・・・NHK、誤報を続ける(崩れた専門家とNHKのタイアップ) (6/8)
私もNHKのことはもう書きたくないけれど、誤報は修正がいるので)
6月2日のNHKの報道で栃木県の子どもの2ヶ月の被曝状況が報道されました。被曝量は2ヶ月で0.1ミリから0.4ミリで、期間は聞き漏らしましたが、2012年6月の報道であるところから見ると、今年の測定と考えられます。
この報道はいくつかの問題点があります。まず第一に測定方法がないのにどのようにして現在の被曝状態が測定できるのかという点、第二に2ヶ月間の測定でその子どもの累積被曝線量を計算していない点、そして第三に「多くの子どもは大丈夫」ということと放射線防護の問題は基本的に異なるということです。
ごく普通に考えますと、被曝というのは体を突き抜けていく放射線量(外部)と体の内部を通っていく放射性物質(内部で通過物質)、体の中に滞留する放射性物質によるものの3種類になります。事故から1年経ったところで2ヶ月間の被曝を調べるには本人が線量計を携帯して外部被曝をはかり、食べたり吸ったりする食材や水、ホコリの放射線量をすべて量り、体内に滞留する元素をはからなければなりません。
そんなことはしていないと考えられますし、NHKは放送分の問い合わせに応じませんから永久に不明です。第二に調査の期間の2ヶ月の結果で、その子どもの累積被曝量はまったく不明であり、かつ0.1ミリから0.4ミリというと単純に計算してもその6倍だから、0.6ミリから2.4ミリになります。
従って、事故直後にある程度の被曝をした子どもは規制値の1年1ミリを超えているでしょう。それを「健康に影響はない」という専門家のコメントは「ハッキリと法律に違反し、間違っている」と言えます。当然だが、このような初歩的な間違いをNHKがしてはいけないし、むしろ結果的に防御が甘くなり、子ども達の被曝量を増やしますから「視聴者の子どもを被曝させたい」という悪意すら感じます。
福島県の山下医師が「1年100ミリと言ったのは不用意だった」と謝罪していますが、子どもが被曝してから謝罪しても意味はありません。まずは「逃げろ」と言い、安全なら「戻れ」というのが専門家です。
また、放射線の障害というのは1000人に1人ぐらいが問題になるので、999人が「大丈夫」というのを「大丈夫」としてはいけません。これは交通事故なども同じで、1億人で1年5000人の犠牲者だから残りの約1億人は交通事故に遭いません。
社会的に起きるこのような確率的に起こる被害は「大丈夫だった人」を示しても意味が無いことは、これも専門家なら誰でもわかっていることです。
この報道に際してNHKは「専門家」にコメントさせ、「健康に影響がない」と言わせていましたが、このデータから健康に影響がないということは言えず、むしろ「健康に影響がある可能性が高い」というのが専門家の見解でしょう。
専門家が平気で自らの専門性を否定するコメントをするのは日本で普通のことになってしまいました。それは実に日本にとって哀しいことです。誠実さ、まじめさ、職務に対する忠実な心、それが日本人だったからです。
【脱線】
輜重兵の話
ある自衛隊の高官に話を聞いたことがあるのですが、かつて日本軍の輜重兵(兵隊に食料や武器を運ぶ後方部隊の兵士)は、「本人が餓死しても食料に手をつけなかった」という極端な「職務忠実型」だと言われていました。
やや極端な例ですが、「自らの職務を規範を守るために、自らの命を省みない」という輜重兵の魂を現代の専門家も学んで欲しいと思います。
(平成24年6月8日)
-------ここから音声内容--------
ま、NHKが色んな形で誤報してて、私、実はNHKの受信料をですね、悠々と払える人は良いんだけど、まぁ可処分所得(手取り収入)が月に8万円とか9万円とかいう女性なんかがですね、1/3ぐらいもいるという中で、NHKが高い受信料を取って誤報をしてですね、裁判所に守られて、それで間違ったニュースを流すという、ほんとにそういうニュースが必要な人たちに間違ったニュースを流すっていうんで、やっぱり僕は納得できませんね。
栃木県の子供の被曝状況の報道なんですが、大体まぁ子供たち0.1ミリから0.4ミリぐらいの被曝を受けてた、と。ちょっとその期間が聞き漏らしたんですが、例えば2ヶ月間ていうんで6月の報道ですから、大体今年の測定だろうとこう思いますとね、測定する方法がないはずなんですよね。子供たちの被曝したものを測定するってことは非常にできないわけですね。
それから、累積でその子供たちがどのくらい被曝したっていう計算をしなきゃなんない。しかし、そういうことしないで「大丈夫だ」という風に専門家に言わせていたと、非常にこう、悪辣(あくらつ=あくどいこと。)な感じがします。
ええと、まず第一にちょっとこの際、勉強したいと思うんですが。被曝というのは体を突き抜けていってしまうんですよね、放射線で外部から来るやつは体を突き抜けていきます。内部に入ってるものでもですね、残ってるものは別にして、例えば食べたものは排泄されてしまいますが、その通過するときに消化器なんかを照射するわけですね。
それから体の中に滞留する放射性物質、よくホールボディーカウンターとか言ってですね、体の中にある放射性物質を測定して、それで何か被曝量計算するっていうようなことも行われておりましたけども、まぁ私は悪質な金儲けの一つじゃないかと思いますね。これはあの、放射線関係で難しいので社会的に問題になったり逮捕されたりしてませんけど、本来はまぁ、詐欺罪みたいなもんだと思いますね。
で、もしもですね、事故から1年経ったぐらいのところで2ヶ月間の被曝量を調べるっていうのはかなり難しいんですけど、本人が線量計を常に携帯して外部被曝を測って、食べたり吸ったりする食材とか空気とかホコリってものを全部測定して、それから体内に滞留する元素を測るってことですから、まぁ大変ですね。これは一つの大掛かりな研究ですから、そんなことはしてないと思うんですね。
ま、これNHKに問い合わしてもダメなんですよ。答えてくれないんですよ。「放送したものは問い合わせにお答えしません」ってのが、もういつもですからね。で、これ裁判で守ってるんですよ、こういうやつは。まぁ裁判官もしょうがないんですけども。
第二に、2ヶ月間測定したから判るってもんじゃないわけです。単に2ヶ月だから1年に直して、その6倍だからって計算しても0.6ミリから2.4ミリだからもう超してますけども。ただ、事故直後ですね、かなり被曝した子供は規制値の1年1ミリを超えてるでしょうから、法律的に言えば「健康に影響がない」とは言えないわけですね。むしろ逆に、「ハッキリと法律に違反して間違ってる」という風に言えるわけですね。私は非常に悪意を感じます。
最近、福島県の山下医師がですね、「1年100ミリと言うのは軽率だった」というような謝罪をしてますけども、僕はですね、子供が被曝してから謝罪して何か意味があるんですかね?やっぱりこれは医師では、あっちゃいけないと思うんですよ。まず普通は「逃げろ」と言って、それから安全であれば「戻れ」と言うのが専門家ですね。
それからもう一つ、こういった報道もしくは医師の発表で大きな問題になるのはですね、放射線の障害っていうのは100人が100人起こるもんじゃないんですよ。1000人に1人ぐらいが問題になるんで、「あとの999人が大丈夫だ」って言ってもダメなんですね。
例えば、交通事故がそうですよ。1年に5000人(犠牲者)ですからね。1億人にしたら1万分の1以下なんですよ、「だから大丈夫だ」つっちゃいけないんです。やっぱり「注意しなさい」と言わなければいけないんですね。こういった社会的に起こるような問題というのは、「大丈夫だった人」を示してはいけないっていうのは、これはもう専門家誰でも知ってることですね。
そいで、一番この問題でNHKが悪いのは「専門家」にコメントさしてるっていうことですよ。「健康に影響がない」としか言わない専門家を登場させる、と。むしろ「健康に影響のある可能性が高い」と言うべきデータをですね、そういう風に言うっていうことですね。私はこの問題を通じて、NHKの人も含めて、専門家も含めて、やっぱ真面目さが無くなったんでしょうね。
ちょっとここで脱線しますけども、ある自衛隊の高官に聞いた話ですが。かつて日本軍の輜重兵(しちょうへい)・・・輜重兵っていうのは兵隊に食料とか武器を運ぶ、後方部隊の兵士なんですけども。輜重兵がですね、「前線に送る食料を担ぎながら餓死した」という、これは極端な「職務忠実型」なんですが、しかし私は自らの職務を守るために職務の規律って言いますか、「職務の原則を守るために自らの命を省みない」というような魂は要ると思います。
今の現代の専門家ときたら、「御用学者」っていう言葉が表すようにですね、もう自分の職務なんかどうでも良いんですよね。えー・・・何て言いますか、「金」であればもう良いと、とか、その時代の風潮であればそれに従うという、それじゃあ、やっぱり専門家として極めて情けないという風に思いますが。
ええと、実はこのNHKの記事を出したのは、ちょっと迷っておられる人がいるからなんですよ。やっぱりNHKが報道しましたからね、それなりにほんとだと思う人がいるんですよ。私なんか最近NHKのニュースったって、「これはドラマだ」と思ってますけど、必ずしも今、NHKのニュースをニュースとして聞く人もまだいるんですよね。
で、「ほんとですか?」と、「ほんとにこういうことで大丈夫なんですか?」と迷ってる方がおられるのでほんとに可哀想ですね。注意をしなきゃいけない。親としては、まぁ子供の健康に注意をするっていうのは別にストレスではありませんよ、ええ。注意しなくても良いのかどうか、っていうのがストレスですけど。注意すべき事は注意する、注意すべきことじゃない事は注意しなくても良いと、これがやっぱ専門家がですね、親御さんにストレスを与えない、ま、逆にそういうのが事実だという風に思います。
(文字起こし by danielle)