社会短評・・・感心しない熟年旅行団体(私も含めてですが) | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

社会短評・・・感心しない熟年旅行団体(私も含めてですが) (6/7)




旅をする機会が多いので、修学旅行の生徒、若い人の団体、それに熟年の旅行団体に遭遇することがあります。公衆道徳という点から採点するなら、最悪:熟年、まあまあ:若い人、比較的純情:修学旅行、という感じです。



最近はあまり言われなくなりましたが、よく「近頃の若い者は」と言いますが、私には(私を含めて)熟年がもっとも悪いように見えます。なんと言ってもその「傍若無人ぶり」が目につきます。



お年を召しているから仕方が無いところもありますが、まず第一に服装が汚らしいという点があります。一人ひとりは一応、ちゃんとしていても集団となると酷いことになっています。これはデザイナーの問題でもあるでしょう。



自分の服装は自分勝手ではありますが、それでも集団が動いていると、「異様な感じ」とか「汚い」というイメージですと、街の雰囲気に影響を与えます。黒、薄い茶などをメインにした服装は集団ではどうも問題です。



第二に「うるさい」ということです。熟年の集団と一緒になるとまずあきらめなければならないのは「静かな空間」です。男はお酒を飲んで大声、女はしゃべり通しという状態が普通です。



特に、ヒコーキや列車で熟年団体と一緒になると、降りるまで喧噪の中にいなければなりません.グループの中の道徳は守っているようですが、グループの外は全く見えないという感じです.「俺たちは老人なのだから、何をやっても良いのだ」という態度がグループ全体にみなぎっています.



かつて農協団体が海外で顰蹙を買ったことがありましたが、まさにその現代版が熟年旅行団体のように感じられます.上品で綺麗な団体に見えるように、なにか私たち熟年で相談し、研究し、尊敬される熟年になりたいものです。



このブログで今の熟年層がどのような日本を子ども達に残そうとしているのかを描写しようとしています。そこに示されるものは熟年団体の身勝手さ、醜さと共通しているように感じられます。



確かに戦後、日本の復興にあたってよく働いてきたのは確かですが、だからといって年金も、核廃棄物も、沈滞した日本も、就職先のない産業界も、同時に子ども達に引き継ぐのは合意できません。



最近まで私は高度成長を支え、控えめだった日本の熟年に敬意を表してきましたが、どうも問題があるのではないか、このブログの連載のように子ども達にあまり良い社会を引き継ごうとしていない様子に疑いを持ってきました。やはり我々、熟年層はさまざまな意味で子ども達のことを考え、自らは遠慮する存在でなければならないと思うからです。


(平成24年6月7日)




--------ここから音声内容--------




えーっとあの熟年のですね、グループに時々会う訳ですね。そうしますと私は昔ちょっと違う印象を受けてたんですけど、最近、こう例えば修学旅行の生徒、若い人のグループって言いますかね、それにあの熟年の旅行団体なんかに遭遇しますとですね、どうも公衆道徳という点から言うとですね、最悪が熟年で、まあまあってのが若い人、えーまあ修学旅行は良い方ですね。やっぱり若い人は礼儀正しいように思います。





昔から勿論、『最近の若い者は・・・・・』って言ってですね、熟年が批判する事が多いんですけども…最近の若い者ったって、この前250年ぐらい前の書物読んでおりましたら、そこにも『最近の若い者・・・』と書いてありましたから、どこが若いんだか分かりませんけども、むしろ最近ちょっと私が感じるのは、熟年の傍若無人ぶりって言いますかね、そういうのがちょっと目立ちます。





その中で仕方無い事もあるんですが、服装が汚らしいって感じがするんですよね。これ1人1人を見ますとですね、まあ割りあいとちゃんとしてるんですけど、色がこうベージュだったり黒だったり、まあ割りあいと汚ならしい…何て言いますか緑って言いますか、そういった物を着ておられる方が多くて、それからややウィンドブレイカーの様なですね、釣りの服装みたいなですね、そういう服装の方がおられるのも多いんですけども、集団となると本当に酷いですね。





何か汚らしい集団が動いてるって感じで、大変に失礼なんですけど。まあこれは街の雰囲気にも悪いですね。歩き方もダラダラしてるって事もあるんですけども、まあちょっとどうかな?と、これはデザインの問題だと思いますけどね。それも問題があって、我々熟年…私もそうなんですが老年って言っても熟年って言っても良いんですが、まあ気を付けなきゃいけないなと思いましたね。





それから第2には『うるさい』って事なんですよ。えーもうね、熟年の団体と一緒になると若い人なんて諦めてるんじゃないですかね。男はお酒を飲んで大声で喋る、女はまあ喋り通しっていうのが普通ですね。だから飛行機の中とか列車でですね、熟年団体と一緒になるともう、ややこしいですねぇ。もう降りるまでは、もう『しょうがない』と思ってなきゃいけない感じなんですね。





まあ「どうせ俺たち老人なんだから、もう何やっても良いんだ」っていう恥ずかしさは無いと言うかですね、まあそういうのがこう、みなぎっておりますね。えーこの前ある航空機でですね、熟年団体の中にいたんですけども、スチュワーデスが気にしてくれてですね、小さい声で『お客様、あっちに空いてますけどもお移りになりますか』と言われましたね。まあちょっと見るに見かねたっていう感じですよね。この団体の中に、ちょうど席が入ってしまって、中って言うか端なんですけど。やっぱちょっとこれはどうかなと思うような感じでしたね。





えーまあかつて農協団体がですね、胴巻き、ステテコに胴巻きっていう様な感じで海外を歩きまわってひんしゅくを買いましたが、やっぱり私たちは…熟年の人はですね、上品で綺麗な団体に見えるように全員で心がけて、何か若い人のこう、尊敬って言いますかね、そういう事を得られるような物をちょっと考えた方が良いかな、と。





そういう様に思いますので、もしこのブログをご覧になって、熟年で旅行なんかをされる方はですね、ちょっとお話になってみたらどうでしょうかね。恐らく若い人は遠慮して、お年寄りに何も言わないと思うんで、私のように年寄り自身が言わないとですね、やっぱりちょっと良くならないんじゃないかなという風に思います。





実は私ですね、ごく最近まで、我々の世代は一生懸命戦後働いてきて、とにかく礼儀も正しいし、まあ「最近の若い者はだらしが無いな」なんて言ってたんですけども、どうもですね、年金の問題・核廃棄物、まあ色んな事を考えますと、もう本当にそうなのかな?という風に思って来ましたね。





そういう風に思ってる時にこの熟年の団体に遭遇し、且つ、まあかなりうるさかったっていう事もあり、「そう言えばいつもそうだなあ」と思ったり、駅に何か熟年の団体が固まってると何かちょっと汚らしい気がするなあと思ったりですね…あの歳取ったからって必ずしもそうじゃないんですよね。着てる物、やっぱり公衆の面前での態度っていうのがあるんでしょうね。キビキビした態度、そう言ったものをですね、やっぱり思い出すって事でしょうね。勿論、歳取って来たらパッパと歩けない事はありますけど、それでもやっぱり緊張して、えー他の人の見本になるんだっていう事が我々熟年には要るのかな、と。これ非常にあの、小さな事ですけども、この前旅行で思いましたので、ちょっと書きました。


(文字起こし by まあ)