妥当なタバコ・マナー運動とタバコ健康指導は? | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

妥当なタバコ・マナー運動とタバコ健康指導は? (5/19)





タバコの問題もかなり煮詰まってきました。あとは、肺がん以外の慢性閉塞性肺疾患のような苦しい病気とタバコとの関係を解析するだけになってきました。そこで、この慢性閉塞性肺疾患のことを少し後にして、まずはこれまでの「いがみ合う禁煙運動」ではなく、みんなが楽しい「妥当なタバコマナー運動」と「タバコ健康指導」について考えてみたいと思います。


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どんなものにもマナーがあります。お酒を飲む場合も、酒場であまり大きな声で叫ばないとか、暴れない、お酒を飲んだら運転しないなどがそれです。自分の趣味だからといって無制限にやって良いと言うことはありません。


タバコについて、社会で合意できるマナーは次のようなものではないでしょうか?


1) できるだけ人の多いところでは吸わない、


2) 吸い殻をポイ捨てなどするのはもってのほか、

3) ホテルなどの高層ビルでは火災の危険に十分に注意する、

4) タバコの煙のにおいは多くの人に不快感を与えるので喫煙所で吸う、


5) アレルギーの人、気管の弱い人は副流煙で死ぬように苦しむということを理解しかならず喫煙所で吸う、


などでしょう。


そして、医師、厚労省、自治体などが行うタバコ健康指導は、


1) 日本国憲法を守る(一人一人の尊厳を守る)、


2) 医師はタバコを吸うとある確率で病気になるので、それを覚悟して(吸う)ように言うこと、


3) (一部に見られる行きすぎですが)医師はタバコを吸っている人を診察しないなどをしない、

4) 自治体などは喫煙所で喫煙者がタバコを吸うのを楽しめるように配慮する、

5) 厚労省はこれまでの研究発表や調査の元データをすべて公開し、タバコの学問が正しく発展するように国民の方を向く、

ということでしょう。



最後に日本社会の禁煙運動ですが、

1) あくまで日本国憲法に基づき、他人に被害を与えないものを追放しようとしない


2) 強いものに巻かれる方が得になるからといって、厚労省の尻馬に乗らない、


3) みんなで「ホッとする瞬間」を作る方法を考え、誰もがいやがらず、本人の健康も害さない「綺麗なタバコ、もしくはタバコに変わるもの」を考える、


4) 現在の喫煙者は尊重し、若い人に喫煙の習慣を避けさせる、

のが良いのではないかと思います。



私がここまでタバコのことを考えてきた直接的動機は、被曝が起こった時、「タバコより安全」ということで被曝を容認する道具にタバコが使われたことでしたが、「人はパンのみで生きることはできない」のですが、現代の日本社会は、若干、ヒステリー的になって日本人から「タバコ、お酒、パチンコ、カラオケ、スナック、温泉旅行」などの楽しみを次々と取り去って、「ただ、馬車馬のように働く動物としての人間」の方向は間違っていると思うからです。



お酒が飲めない人はタバコで心をいやしているのかも知れません。歌が良いと言ってもカラオケが嫌いな人もいます。温泉も万人が好きとは限りませんし、お金がかかります。タバコと聞けば牙をむくという社会は健全ではないように思います。



でも、同時にタバコの煙で死ぬように苦しむ人もいることを十分に考えなければなりません。原発の例でもわかるように「弱いものは切り捨てる」という文化こそ「野蛮な文化」なのです。そしてタバコを吸った人で慢性閉塞性肺疾患になって苦しむ人、「肺がん」「副流煙」と見当違いのことを言っているうちに、本当に苦しんでいる人の治療や対策が遅れていると私は思うのです。



腕から血が出ているに足に包帯を巻いた方が包帯の長さが長くなるので儲かるなどと、人の健康をもてあそぶのは感心しません。



そして、みんなで工夫して、一人一人の人が、余暇や自由時間を楽しく過ごすことが出来るようないがみ合いのない社会に住みたいものです。今の日本は、お金があまり対外資産を250兆円ももち、大震災と地震に見舞われても円高という状態(お金がある)で、ただひたすら沈滞した社会を作る方に進んでいるように見えます。



最後に一言付け加えるなら、タバコの問題は自由意思で吸う人の問題ではなく、副流煙で多くの人が肺がんになるというのもウソですが、タバコで疾患になり、あるいは煙で苦しむ人がいるということを知って、遠慮するという日本人の心の問題と私は考えます。

(平成24年5月19日)




--------ここから音声内容--------




えータバコもですね、第一段階をほぼ終わろうとしております。第二段階はですね、私あの実は「慢性閉塞性肺疾患」の事をかなり勉強しとるわけですが、まぁそっちの方に進んでいこうかと思うんですが、まずは「タバコと肺ガン」という問題を取り上げて、これを明らかにしてきました。





で、私の目的のもう一つはですね、「いがみ合う禁煙運動」では解決しないと思うんですよね。いがみ合うことはいがみあうんですよ。私もですね、「そんな生ぬるい事でいいのか!」なんてバッシング受けますが。いや、しかしですね、やっぱりタバコを吸う人と、そいからタバコがヤな人との間でですね、話し合いが必要ですね。





ま、そのためにあんまり罵倒し合うよりかは、むしろその、いがみ合わないような「タバコマナー運動」と「タバコ健康指導」について、ちょっとここでお話をさしていただきたいと思います。





ま、どんなものにもマナーがあることは間違いないわけですね。お酒を飲んだって、酒場であまり大きな声を叫ばないとか、暴れないとか、運転しないとか、ま、いうのが必要なわけですね。「酒を飲んで運転する人がいるので、お酒を禁止する」というやり方はですね、あまり良くないですね。つまり「タバコを吸う人が自分に煙を吹きかけるから、タバコを禁止する」というのはちょっと行き過ぎなんですね、私はそう思うんです。





で、タバコについて社会で合意することができないだろうか?と、こう思ってるわけですね。例えば、タバコを吸う側ではですね、「できるだけ人の多いとこでは吸わない」と、「吸い殻をポイ捨てしない」と、「ホテルなどの高層ビルでは火災の危険に注意する」と。





そいからタバコの臭いが嫌いな人が多くいますからね、「不快感を与えるので、吸うときは喫煙所で吸う」と、アレルギーの人とか気管の弱い人がおりますし、そういう人はものすごく副流煙でも苦しむわけですね。副流煙でガンになるとかじゃなくて、そこで非常に苦しむんですよ、それを理解してあげるっていうことですね。苦しむ人がいるということを理解してあげる、と。





一方、医師とか自治体とか、そういう厚労省とかはですね、タバコの健康を指導するときは、やっぱり「日本国憲法を守る」っていうのが第一でしょうね。えー日本国憲法を守る、つまり「基本的人権はあるんだ」ということですね。





そいから医師は、まぁタバコを吸うとある確率で病気になるので、「あなた、病気になりますよ」という風に呼び掛ければ良いんですね。で、自治体なんかは喫煙所とか、こういうようなものを作ってですね、ええと「共存できるような工夫をする」ということですね。





もちろんあの一部に見られる行き過ぎで、お医者さんによっては「タバコを吸ってる人を診察しない」って言う人いるんですよ、それはちょっと行き過ぎでマズい、と。ま、もちろん厚労省がこの、「データをちゃんと公表する」ということも非常に重要だと思うんですね。ですからやっぱり、医師、厚労省、自治体といった社会を指導する方もですね、極端にならないようにやってみたらどうかと思いますね。





で、まぁあの最後に日本全体としては、先ほども言いましたように、あくまでも「日本国憲法に基づいて、他人に被害を与えないなら追放しない」ってことですね。現在の禁煙運動はですね、「私はタバコは嫌いだ」と「だからタバコを吸うのは許せない」という、こういう論理が結構あるんですよ。





で、「それに『肺ガン』がくっついてる」っていうことですから、これはやっぱり良くないと思いますね。えー人間はですね、好き嫌いあります。しかし「楽しい社会をつくるには、他人の自由を認める」ってことですね。で、その認められた方もマナーを守るってことですね。





そいからあの、日本はどうしても政府側が強いんですよ。強いものに巻かれる方が得だっていうんで、厚労省の尻馬に乗ってる(=人のあとについて、調子に乗ってそのまねをする。)団体がいっぱいあるんですね、これはいけない。それからもう一つ、前向きにはですね、「ホッとする瞬間」を作るっていうことは非常に重要だと思いますね。





人間はタバコを吸うと…何でタバコ吸うのかって、やっぱり「ストレスとかそういうものから開放されたり、混乱した頭を整理したりすることが要るから」なんですね。ということはですね、タバコ以外に、誰もが嫌がらず煙も出ず、本人の健康も害さないような「きれいなタバコ、もしくはタバコに代わるもの」をですね、考案したいと思いますね。“バッシングだけするんじゃなくて、前向き”ですよ。





もう一つはやっぱり、「若い人に喫煙の習慣を避けさせる」ってのがこれ大事でしょうね。そうしますと、やっぱり今あの、もうタバコをずっと吸ってこられた方がタバコ止めるのは苦痛ですが、若い頃から吸わなければ、ま、結構良いわけですからね。「ま、若いうちからあんまりタバコ吸わない方がいいよ」ってぐらいをちょっと忠告するとか、そういうことは非常に良いんじゃないかという風に思いますね。





ま、私がここまでタバコのことをまぁずいぶんやってきまして、ずいぶんそれで私バッシング受けましたが、ま、放射線の被曝が起こった時、「タバコより安全」という、そういう言い方をされたんでね、それはダメだ、と。要するに『被曝を容認する道具にタバコを使う』っていうね、そういうことがありました。





もう一つは、今タバコを現に吸っておられる方ですね。「人はパンのみに生きる事はできない」んですよ、やっぱり精神的なものがあるんです。ま、例えば「タバコであり、お酒であり、パチンコであり、カラオケであり、スナックであり、温泉旅行」なんですよ。





ま、えー・・・こういったものですね。「何だパチンコなんか」と、「何でカラオケなんだよ。俺、うた歌ったってしょうがねぇじゃねぇかよ。他人(ひと)の迷惑になって、あんな大きな声でうた歌って」とか言われるとね。えー、スナックもそうですよ、「別に飲みに行くのだって、家で飲めばビール一本500円なのに、何であんなとこ行って二千円で飲むんだ」とか言われりゃですね、そりゃその通りなんですね。温泉旅行だってそうですよ、考えてみりゃ、ええ、家のお風呂に入ってゆっくりすりゃいいんですからね。





だけども、人間ていうのはそうではないんですよね。だからそこのところをですね、ええと、迷惑の掛からないように楽しめないか?と、そういうことに向いていくってことですね。





私、パチンコなんかも非常に良いと思うんですよね、あの楽しめますから。1人で楽しめますからね。パチンコがいけないつうんなら、それに代わる楽しさというのを生み出していくと、「止めさせるんじゃなくて、生み出していく」と、ま、いうのがですね、やっぱり我々が今後やっていくことなんでしょうね。





「ただ馬車馬のように働く動物としての人間を育てる」っていうのは、あんまり良くないと思いますね。まぁ例えばですね、あのお酒が結構好きな人はタバコ嫌がること多いんですけど、これはあの、お酒飲んでストレスを解消する人がいるわけですよね。ま、だからそういうことを考えなきゃいけないと思います。





ただ最後にですね、私このタバコのことに関して「タバコ吸って良い、吸って良い」と言ったように、思われてはいるんですよ。今度の事でお解りになったと思いますけども、一番の問題はですね、タバコの煙を吸うと・・・あの副流煙でも何でも、死ぬように苦しむ人がおられるんですよ。ま、それはね、「特別な人だからいいや」って言うのはやっぱちょっといけないんですね。「弱いものは切り捨てる」という文化こそ、「野蛮な文化」なんですよ。





そいからタバコを吸った人でもですね、これは自分の意思で吸うからまぁ良いんですけど、慢性閉塞性肺疾患になって長い間苦しむ人もいるわけですね。それが「肺ガンである」とか「副流煙のどうのこうの」と、見当違いのことを言ってることによって、本当に苦しんでる人の治療が遅れてるんですよ、対策も。私はね、あのそう思うんですね。





例えばあの、肺ガン、肺ガンって言うもんですから、実は肺ガンとは全く関係ないのに、ものすごく苦しんでる人が「ま、どうでもいいよ」ということになっちゃうんですね。つまり僕が言ってるように、手から血が出て、腕から血が出てるのに、足に包帯を巻く、と。「何で包帯を足に巻くの?」って言ったら、「包帯を足に巻いた方が包帯の長さが長くなるんで、儲かるんだ」って、それダメなんですね。





やっぱり正しい事をきちっと理解して、そしてほんとに苦しんでる人を助けるということが大切ですね。「いがみ合いをしない」ということが大切だと思います。ま、私すぐこういう時、お金の問題言うわけです、250兆円も対外資産があるわけですよ、それからこんなに大震災と地震に見舞われても円高なんですよ。だからそういう時にですね、やっぱり我々の社会を良くする方向に・・・いがみ合うんじゃなくて、止めさせるんじゃなくて、良く(する)方向ですね。





最後にもう一回繰り返しますと、タバコの問題っていうのは、私は自由意志でタバコを吸う人の問題よりか、やっぱり副流煙で苦しむ人、これは「肺ガンじゃなくて」、ええ。煙に苦しむ人がいるということを知ってですね、その人たちが苦しまないように遠慮すると、これは日本人だと思いますね。





ま、私のここで言う提案ですね、「みんながマナーを守って、しかも自治体なんかはそれを前向きに捉えて、研究者はですね、タバコに代わるスッキリとしたものを発明して、みんなでタバコの煙に苦しむ人を助け、タバコによる火災を減らし・・・」と、いう方向で行こうじゃないか!とそういうことですね。私はまぁ、そういう風に思います。





タバコと肺ガンの関係みたいな、ま、間違いって言いますかね、データが公表されてませんから、全部きちっと判りませんが。しかしそういうことがないようにしたいと、私はそういう風に思います。


(文字起こし by danielle)