農水省、無農薬野菜の禁止に?! 食品安全では無添加食品を禁止に?! | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

農水省、無農薬野菜の禁止に?! 食品安全では無添加食品を禁止に?!



農水省が「1キロ100ベクレル」と決めた国の食材汚染の基準より低い目標を民間が個別にたてるな!と通達をだした。前代未聞、軍部が幅をきかせていた時代でもそうそうない話だ。東京に首都が移ってから400年、制度疲労は極限に達していると思われる。このまま掘っておくと次のようなニュースも出てくるだろう。ここで芽を摘んでおかなければならない。



【近い将来のニュース1】農水省は農家が「無農薬野菜」を栽培するのを禁止する動きに出ている。それに歩調を合わせて食品安全委員会も「食品添加物を入れない食品」の販売禁止を検討している?!



【近い将来のニュース2】日本政府と霞が関の官僚は、「日本を民主主義から封建社会へ」変えた方が日本のためになると判断、国民はバカだから自由に行動させてはダメだという方向に基本的な政策を取り始めた。国民の自由な活動を制限し、すべてを国家統制の中で生活することを強要する、それは金融政策、教育政策、環境政策ばかりではなく、国民の健康、食品まで及ぼす?!



【近い将来のニュース3】憲法には「基本的人権」が明記されているが、戦力を否定している憲法でも世界第5位の軍事力を誇る自衛隊を国民は認めてきたのだから、基本的人権を無視することもできると霞ヶ関が内部通達をだした?!


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「国が決めた食品汚染の基準が1キロ100ベクレルなのだから、それより低い自主基準は使うな!」と農水省が通達(食材の流通にとっては恫喝や準強制になる)した。「放射線障害防止規則」の第一条には「被曝をできるだけ減らすように努めなければならない」とあるのだから、「民間が国より良い方向の目標を立ててはいけない」ということをハッキリと役所が言ったということだ。



たとえば、「農薬の基準があるのだから、無農薬など認めない」、「添加物の基準が決まっているのだから、食品には必ず添加物を入れなければならない」というのと同じで、本来、ない方が良いとか、少なくした方がよいものなのだけれど、現実的に使わなければならないからこそ「**以下」という基準がある。



また、道路交通法関係では、「この道路は時速50キロに制限されているのだから、30キロで走るなどもってのほかだ」となり、校則では「9時から1時間目が始まるのだから、8時50分に教室に入るなどとんでもないことだ」、メタボでは「男性では胴回りが85センチ以下ときまっているのだから、80センチ以下を目指した個別の目標のダイエットは禁止」などとなる。



日本社会の基本的な道徳、倫理、秩序を乱す発言だ。実にばからしいが、官僚がここまで来たかということを示している。



もう一つ、「被曝は健康に良い」という自説を強調する学者がいても良いが、法律(社会の合意)では「被曝は減らす方が良い」となっていることは上記の法律でもハッキリしている。



道路交通関係でも「スピードが速いほうが緊張感があって安全だ。特に制限速度をオーバーしているときはさらに緊張しているから安全」という人がいても、「制限速度が決まっていて、速度が遅い方が安全だ」という合意がある時にはそれを守らないと社会は維持できない。



ここまで来ると、ほとんどの公約を守らない民主党、法律規則を無視する官庁は、早期に総退陣、総辞職、総退職しなければならないだろう。日本国憲法の基本的人権を無視する日本の中枢をこのまま放置して良いと考える人は、憲法改正運動(第9条ではなく、基本的人権の制限)を初めて、旗色を明らかにして欲しい。



今回の農水省の通達がだされ、報道されることは実に異常な社会である。こうなったら増税どころか、思い切って税金を半分にして、官僚のトップを全部入れ替えなければならないだろう。わずかな可能性を求めれば農水省自体が、この不適切な通達を取り消し、陳謝し、関係者を処分するなら良いが。その力は残っているか?


(平成24年4月25日)



--------ここから音声内容--------



農水省が1kg 100ベクレルという食品の基準よりか下回る、例えば1kg 40ベクレルとか、ま、こういったものを民間が個別に立てるな、という通達を出しました。もうほんとに前代未聞ですね。えー、軍部が幅を利かせていた暗黒の時代でもこんなことはありせんでした。ま、これはですね、ちょっと放っておくわけにはいかないですね。っていうのは、これほど…なんていいますか、むちゃくちゃな通達を出すようであればですね、なんでもできちゃう。例えばこんなことが起こるでしょうね。





えー、農水省がですね、無農薬野菜を禁止する、と。「なんで無農薬野菜禁止すんですか?」 「 いや、農薬の基準をつけてんだから、それ以下下回る無農薬野菜なんか、いったいなんだ」と。それから食品安全委員会、そのうちですね、食品添加物入れない食品の販売を禁止するでしょうね。だって、食品添加物には基準があるわけです、国の。それ以下のものやっちゃいけないっていうんですからね。それ、発展します、これは。





どういうふうに発展するかっていうとですね、おそらく日本は民主主義よりか封建主義の方がいいと、国民どうせバカだからと…まぁいうことになってですね、えー、自由な活動を制限し始めますよ。例えば、えー、「金融政策はこう。あそこにこれだけ預金しなさい」、教育政策も今でももうそうですが、ま、環境政策、今でもそうです。それから国民は…こう、「健康になりなさい」。これも健康増進法とかなんか変なのがあるんですね。食品まで及んで、「これを食べなさい」と、こうなりますね。





それから、更に発展しましてね、えー憲法には基本的人権が明記されて今まで守ってきたけど、どうもですね、えー戦力を否定してる憲法九条があっても、えー、世界第五位の軍事力を誇る自衛隊を作ることできたんだから、「いやぁもう、今度は基本的人権を無視したって構わないよ」と。どうせ裁判所は国の方ですからね。





特に国を相手に訴訟起こしますとね、国の方の弁護士を裁判官がするんですよ。裁判官の身内でね弁護士ってね、それから裁判官がいますから、私も一回経験しましたが、どうにもなんないんですよ。あのー、彼らはですね、なんか…前室で打ち合わせてから出てくるっていうんですよね。だからもう話にならない、裁判じゃないんですよね。





だから国を相手取って訴訟起こしたら、えー、国側の弁護士は裁判官がなるっということになってるので、もうどうにもなんないシステムになってるんですね。ま、ようするに国民のために政治とかそういうのやってるわけじゃないんですよね。




えー、ま、そういうことで、この放射線…このね、100ベクレル以下のものはダメだっていうのはすごく変なんですよ。というのは国自身がですね、放射線障害防止規則っていうのを、ま、作ってるわけですが、その第一条には「被曝をできるだけ減らすように努めなければならない」とこう書いてあるわけですから、はっきりと、ま、「被曝は良くないよ」と、こう言ってるわけですね。





だから良い方向はいけないっていうわけですから。良い方向はいけないっていうことは、例えば農薬にしろ添加物にしろ、ま、加えないに越したことはないんだけど、仕方ないから加える、と。ま、こういうものはですね、常に「ある基準」を設ける、それよりか「下」ということ、「以下」っていうことですからね。そのお役所が「以下」と決めたやつを、更にそれよか少し厳しい基準に民間がしてっていって、何が(音声不明瞭)…なんですかね。





道路交通法で、えー、時速50kmに制限してる道路を30kmで走ったらもってのほかだ、と。あの、9:00から授業が始まる、と。8:50に教室に入ったらとんでもない、と。メタボではですね、男性では胴回りが85cmと決まってるから、80cmを目標にして個別にダイエットすんのは禁止である、と。もう、こんなのはですね、日本社会の基本的な道徳とか倫理・秩序ってのがあって、それを乱す発言ですよ。これがね、農水省から公に出るっていう…これどういうことですかね。





例えばですね、個人ではですね、被曝は健康にいいっていうことを強調する学者がいても、まぁいいわけですね。そん時に「社会の合意では被曝は減らす方がいいとなってますよ」と専門家では言わなきゃいけないんですが、まぁ、個人でそういうこと言う人がいても、まぁいいかもしんない。





例えば道路交通法でもですね、スピード速い方が緊張感があって安全だという人も、いてもいいんだけど、だけど、まぁ、一方、制限速度が決まってて「一般的には速度を抑える方が安全だと、まぁいうふうに社会が合意してます」と…これ言わなきゃいけないですね。




私これね、書いててね、バカらしくなりましたよ、ほんと。なんだ…と思いましたね。いや、これほどひどい、えー、まぁ、公約を守らない民主党、法律・規則を無視する官庁ですね、これはもう早くやめて、職をやめてもらわないとですね、こんなことやってたら、もう話になりませんね、ほんと。これはほんとに異常です、ええ。





えー、こんなのを続けてたらですね、まともな日本が全部崩れちゃいますよ。なんつったって、1kg 100ベクレル以下の目標を作っちゃいけないっていうんですからね。何考えてんのか、ちょっとあんまりにも常識から離れているので、私もここで今書いててですね、えー、どういうことがこれに相当するのかなって、ほんとに迷いながら書きました。





えー、そのくらい、今までの日本のちゃんとした社会とはですね、もう隔絶してますね。なんていうか、ちょっともうアウトローとかですね、なんかそういうまったく違う社会のことのように思われますね。ちょっとあの、なんか、日本ではないっていう…とか、現代ではないっていう感じですよね。もう…あんまりにも異常で、ちょっと私ももう喋っててもおかしくなっちゃうてなぐらいで。





しかしこれは放っとけないですよ。こんなの放っといたらですね、それはもう徹底的に農水省を追及して、この文章を書いた人、この人はもう前面に出てきてですね、なぜこういうこと書いたのかということもはっきりしてほしい、と…まぁこう思いますね。