三井化学岩国大竹工場爆発事故について(速報) | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
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三井化学岩国大竹工場爆発事故について(速報) (4/23)



2012年4月22日、三井化学の爆発事故については工場内にウランがあったということで、近くに住んでいる人に不安を与えている。新聞やネットを中心にして報道されていることから推定してみた。



工場内にウランがあったとすると、ウランは呼吸で肺に入ると危険だが、胃に入る分にはほとんど影響がない。だからハッキリわかるまで数日、マスクをしておいた方が良い。まだその点の発表はない。だから少し気をつけた方が良い。



爆発の状態から直ちに逃げる必要はないと思われるが、風下(当時の動画から見ると、海から垂直に近い形で煙が内陸に向かっている。距離は3キロぐらいまでの注意と考えられる。



もともと、化学工場にあるウランは触媒として使われていたか、使っているもので、おそらく形はシリカゲルのようなものに付着(担持という)したもので微粒子である。マスクで止まる。



大切なことは、ウランの拡散状況を一刻も早く発表することで、工場の原因追及より住民の安全の方を優先し、報道もそちらに重点を置く方が良い。会社の発表と報道を見ると、毒物の拡散より、事故原因、被害状況に重点が置かれている。



自衛策としては、風下3キロぐらいの範囲で、あまり粉を吸わないことが大切と思う。


(平成24年4月23日)


追記: ウランが飛散して人体に影響があるレベルであっても、放射線を測定しても出てきません。ウランの放射線は弱いし、アルファ線なので測定はなかなか困難です。ただし、微量でも肺に入ると問題が起きます。だから「線量率は低かった」というのは「安全」とは無関係です。外部被曝はありません。だからマスクさえすれば大丈夫といえます。





--------ここから音声内容--------




ええと、4月22日ですから、昨日の早朝にですね、三井化学の岩国の大竹工場でですね、爆発事故がありまして、これで工場内にウランがあったということで、近くの住んでる人に不安を与えております。一応、新聞、ネットを中心として報道されてることから推定してみました。




えー工場内にウランがあったとするとですね、ええとウランは呼吸で肺に入ると、ま、危険ですけども、胃に入る分にはほとんど影響がありません。また、肌に付いても大丈夫です。えーですから外部被曝という点じゃ大丈夫なんですが、えー内部・・・特に肺に入ったとき以外はあんまり心配しなくていいと思いますが、肺に入ったときは注意しなきゃいけません。




従ってはっきり分かるまでは、一応マスクが必要だということになりますね。えー、ま、その点の詳しい発表がないので、一応気をつけるっていうことですね。ま、こういったものは、まぁあの、そういうことが非常に重要であります。





えー、爆発の状態をずっと見ますとですね、ええと海側ではなくて陸側に流れておりますので、風下に当たるところは直角に内陸ですね。多分、飛散したとしたら3キロぐらいだと思います。えー元々ですね、化学工場でウランがあるってことは何かの合成のときのですね、触媒として使ってたと思われます。




ええと、爆発した工場はですね、レゾルシンと書いてあったと思いますが、そういった合成では使ってなかったと思いますので、もしウランがあるというとなると場内にですね、シリカゲルのようなものに付着、ま、これは専門用語では担持(たんじ)と言うんですけど、担持したものがあったんではないかと思います。この場合でありましたらマスクで止まります。それから重たいのでウランが工場外に出たってことはないと思います。




ま、考え方としては、ええとシリカゲルがプラントん中にあって、爆発と同時に破壊して飛び散ったっていう場合だけですね。ですから、これはあの皆さんが心配してるので、工場側が早く発表することが必要です。えー私が見た範囲では、ウランがどういう形であったかということに対する発表は、私は見ませんでした。





それから新聞情報も、事故の原因とか、それから住民の被害の方が多くてですね。そういうものよりかむしろ、爆発によるウランの飛散とかそういうのがあればですね、そいから有毒物の飛散があればそっちに重点を置いた方が、ま、良いんではないかと思います。えーこれは福島原発の時も、あの今でも原発のことばっか話してますが付近の状態の方が重要ですね。




結論としては、自衛策としては風下3キロぐらいの範囲で、粉を吸わないように当面してて、工場側がウランが飛散してないとか、ウランの飛散のですね・・・言葉で言ったらダメですが、ウランの飛散の状況の測定値、これは測定できますんでですね、測定した結果を早く、まぁあの工場なり県なりが発表することが必要です。





これはあの原因追求よりもですね、先にやらないとですね、えーとにかく今こう、有毒物が飛んでる時に、原因はどうだったかっていうのも大切ですけども、ま、一応ですね、優先順位としてはやっぱりそれだと思います。みなさんも心配してんのがそうだと思います。




多分、私の推察ですけどね、これ分かりませんが、爆発した工場の近くにですね、例えばこう、なんか袋に詰まったシリカゲルにウランが付いたものが積んであったんじゃないかと思うんですね。えーですから、それに影響がなければ全然影響ありません。そこんところ早くですね、ええと発表が望まれます。

(文字起こし by danielle)