原発再開の最低条件(2)・・・政府・自治体と電力の意思 (4/18)
北朝鮮のミサイル発射の時に、7時40分ごろ発射して爆発し、墜落した約40分後に「発射した」との発表がありましたが、すでにミサイルは落下しており、これではまったく報道の意味はありません。
一方、当然のことですが、パック3で迎撃態勢を取っていた自衛隊の部隊は、ミサイルが発射されたとともに「壕」に待避して迎撃態勢をとりました。それでこそ軍隊です。相手のミサイルが飛んでくるのに迎撃する部隊が無防備でいたら、迎撃ミサイルも撃てなくなります。
でも、自衛隊の情報を国民に伝えず、見殺しというのが政府の方針でした。「早く確認しろっ!」、「間違ったらどうするのだっ!」という自分の責任逃れの怒号が飛び交う中、自衛隊員は淡々と命令にそって行動したのです。
再開する原発が安全なこと・・・その第一条件は「政府が国民の命を守ろうとする意思があること」です。私は「日本の子供、土地、コメ」を守るのが第一と考えていますが、政府はまったくその気が無いようです。
2012年4月18日の記事によると、文科省は事故後「学校の校庭の線量率を毎時3.8マイクロシーベルトにする」としましたが、これは、1)日本の法律に1年1ミリ(内部被曝、自然放射線を考えておおよそ毎時0.08マイクロシーベルトですから、約50倍。それを外国のNPOであるICRPの基準と言うことで政府の判断をせず(日本の子供に対する影響を考えず)におこなったこと、
2)誤差を考えて3.0と通達したのに、後に3.0の場合、該当する学校が100校を超え、3.8なら40校ほどなので、3.8に戻す、という非人間的判断をしています。つまり、児童の健康より自分たちの仕事が増える方を重視したということです。
また東電は事故が起こる可能性が高まった3月11日の午後7時に地元消防に連絡していません。危険なものを扱う会社のもっとも基本的な社会的責任を放棄し、自治体も応じる体制やその義務を感じていないことは明らかです。
また、東電は事故後に法律に基づいた1平方メートル4万ベクレルの土地の除染、放射性物質で汚染されたものの引き取りなどまったくやっていません。事故が起こってもその措置をする意思のない電力会社は原発を運転することができないのは当然です。
自治体も、福島県を始め、柏市、練馬区など、法律(1年1ミリ)を大きく違反し、「1年100ミリまでOK」ということで被曝を認めてきました。
ということは、原発再開に当たっても、政府、電力、自治体は「事故が起こらない時には1年1ミリを守ると言って法律を作り、安全をアピールして、事故が起こると1年100ミリに変える」ということですから、ダブルスタンダードですから、安全を守ることはできません。
原発事故が起こると食品や小学校の庭の被曝など、多くの「暫定基準」がでました。でも「事故が起こるとなぜ日本人が被曝に対して強くなるのか」が全く説明されていません。事故の大きさに応じて被曝基準を変えるということになると、どんな原発も「安全」と言うことになります。
あれもこれも、政府や東電、自治体、東大教授など関係者が「原発はやる。でも日本人の健康は法律を守り、誠意を尽くす」としないと、何をやっても危険でしょう。
(平成24年4月18日)
--------ここから音声内容--------
ええと、大飯原発の再開問題、その他の原発の再開という問題がありますが、私はですね、次のように考えます。えー北朝鮮のミサイル発射の時に、7時40分頃、発射して爆発したわけですが。それから40分後にですね、「ミサイル発射した」という風に政府から発表ありました。
この時は既にミサイルは落下しておりまして、まったく発表の意味も報道の意味もありません。えー特に防衛大臣はですね、記者会見で「発射と墜落の結果を確認して発表した」、とこういうふうに言っとりますが、墜落した後に発表したってですね、防ぎようがありません。
もちろん当然のことですが、パック3でですね、迎撃態勢を取っていた自衛隊の部隊はミサイルが発射されたと共に直ぐですね、えー、壕(ごう)の中に待避して迎撃態勢を取りました。もちろん軍隊ですからね、相手のミサイルが飛んでくるのに、迎撃する部隊が壕の中に入ってなかったらやられますから。が、それでもその情報を国民に伝えなかったんですよ、つまり見殺しするってことですね。
そん時に政府の首脳が自衛隊に言ったのはどうもですね、「早く確認しろ!」とか「間違ったらどうなんだ!(どうするんだ)」つって自分の責任逃れの怒号、飛び交ってたらしいですよ。つまりその、宮古島の方に飛んでるわけですから、えー宮古島の人をまず大切にするためにはですね、「ミサイルが飛んだ!」っていうことを宮古島に知らせなきゃいけないのに、そこの装置は故障してたんですね、連絡もしませんでした。
だからですね、私はこう思うんですね、あのこれは原発の問題と同じなんですよ。要するにですね、「政府が国民の命を守ろうとする意思」が無ければどうにもなんないんですよ、この、まず第一に。いくら安全なものやっても、危ないんですよ。やっぱ政府は国民の命を守ろうとしなきゃいけないんですね。
例えば、えー、4月18日の記事ではですね、文部省(文科省)が「学校の線量率3.8マイクロシーベルト」、これ毎時ですね、しましたけど。これを日本の法律に書かれているもの、これは内部被曝とか自然放射線含めてですね、大体毎時0.08マイクロシーベルトですから、約50倍ですよ。それをですね、説明してるんですね。
まず外国のNPOである、NPOですよ、任意団体のICRP(国際放射線防護委員会)の基準に従うということで、政府が日本の子供に対する影響を考えなかったんですよ。いや、外国のICRPはですね、日本の子供の健康を別に考えてるわけじゃないですよ。そりゃ学者としてある程度考えるでしょうけどね。任意団体の学者がやったから、そのまま政府が「ICRPですから・・・」、日本の法律の何故50倍かって説明しないんですよ。
それからもう一つはですね、文部省が測定誤差考えて3.0とまず通達したのに、どうも3.0にすると、1時間に3.3マイクロシーベルトにすると該当する学校が100校に超えちゃうので、3.8なら40校だというんで3.8に戻すんですよ。つまり児童の健康より自分たちの仕事がね、40校から100校に増えんのがヤだっていうわけですね。こんな政府、そんな政府が今度原発再開してどうやって身を守るんですかね?もう言い訳山ほどしますから。
東電もそうですね、東電の一番の大きな問題は、3月11日の午後、ま、大体7時にですね、ええと爆発の可能性が非常に高まったんですね。というのはその、燃料棒が全部露出しまして水素が発生し始めまして、冷却水戻りませんから、もうこのまま爆発まで行くのはほぼ間違いないんですよ。地元消防に連絡しないんです。これ、危険なものを扱う会社はですね、最も基本的な社会的責任は、まず危険が生じたら連絡するってことなんですよ。だけど地元消防とか自治体もちょっと怪しいですね、応じたのかどうか。
それからもう一つ、全部降ったらですね…放射性物質が降ったら、一平方メートル当たり4万ベクレル以上の土地は、「東電が除染しなきゃいけない」んですよ、これもう法律で決まってるんです。まったくやらないし、引き取りもしません。事故が起こっても、汚れたものを措置する意思のない電力会社は原発を運転することはできません。
えーテレビの関西電力の会見を見る限り、その意思が無いようですが、関西電力がもし大飯原発の再開をしたかったらですね、「私たちは事故が起こりそうになったら、必ず連絡します」と、「風向きも報告します」と。で、その「東電と私たちは違います」ということをはっきり言ってくれなきゃいけないですね。
それから自治体もそうですね。柏市とか練馬区が…福島県もそうですが、1年1ミリを大きく違反して「1年100ミリでOK」ってことを、もう公式に言うんですからね。これはね、何が問題かって言うと、「事故が起こらないときには1年1ミリだから安全ですよって言って法律も作り、国民に説明して、事故が起こると1年100ミリに変える」っていうんならですね、これはもう何とでもできるんですよ、ええ。
多くの「暫定基準」が出てきましたね、食品もそうですけど。食品は見かけ上セシウムだけで5ミリ、えー全体の核種では17ミリ、小学校の庭は20ミリっていう暫定基準出すんですよ。だけども「事故が起こると、何故日本人が被曝に対して強くなって法律破っても良いか」って、まったく説明してません。つまり“事故の大きさに応じて被曝基準を変える”んですよ、だったら原発はどんな原発でも「安全」ですよ。爆発したら、その爆発の大きさに応じてですね、「暫定だ」つって、あの、変えるんですからね、基準を。
だからこれではですね、「大飯原発が安全だ」って政府が言うのは当たり前ですね。だって爆発したら基準変えるんですから、1年1ミリ守らないんですからね。で、除染も守らないんですから、そりゃあ安全ですよ。だってどっさりとですね、放射性物質が降ったらですね、その基準に合わせればいい、「文部科学省形式」ですね。「どうも3.0だと100校になるけど、3.8なら40校だからいいや」つって、基準どんどん上げてくんですからね。そんなことすんだったら、そりゃどれでも安全ですよ。
つまりですね、私はね、原発再開の非常に重要な条件は、政府や東電、自治体とか東大の教授なんかがですね、「原発は実施します。でも日本人の健康は法律を守ることによって守り、誠意は尽くします」と、「通報もちゃんとします。暫定基準なんか変なものは作りません」とちゃんと言ってくれないとですね、これはですね、危険ですよ。
ちゃんとやってくれるってどういうことかって、これできないと思います。何故できないかって言うと、福島原発のときの間違ったことをやった役人とかそういうの処分しなきゃいけません、多分それできませんね。東大教授も辞任しないでしょう。ということはどういうことかって言うと、また同じ事が行われるってことですから、条件が整わないと思いますが。
ま、前向きに考えて、もし原発の再開をしたいんだったらですね、やっぱりこれはどうしても「私たちは国民の健康を守るんだ、だからこうだ」ってことを、はっきりと言って欲しいですね。「電気が足りないから、国民は危険でもいいんだ」なんて、そんな理屈をですね、いくら言ってもらってもダメだと思います。
(文字起こし by danielle)