政治家は原発の安全性を判断できない・・・技術系の誰が安全性を確認したのか?
経産大臣に「原発の安全性」を聞いても無意味です。経産大臣は高度な原発の安全性の知識がないので、その人に聞いてもだめです。微分方程式が解けない人に微分方程式を聞いたり、経産大臣が設計した原発など危なくて運転できないからです。
4月13日、経産大臣が「大飯原発の安全性を確認した」と言ったことについて、日本の原発の技術者、報道機関、識者が「論理的におかしい。お殿様ではないのだから、そんな判断は経産大臣はできない」という人が現れないのが不思議です。
安全性: 原発を熟知している技術者が判断し、
その判断の書類に署名する
政府 : 判断された安全性、危険性が日本社会に
要因されるかを政治判断する
ということです。これほど簡単な論理が通らないのでは、とうてい、原発のような危険な装置を動かす能力が日本社会にないと考えざるを得ません。またここで言う技術者は保安院や電力会社の人はダメです。「推進機関の人は安全性を判断してはいけない」と決まっているからです。
よくわかる話ではないかと思いますが、開発した航空機がどのぐらいの確率で墜落するのかは、設計者かその程度の知識が無いとわかりません。わからないものはわからないので、それで政治家の素質がどうのということではないのは当然です。
どうも、今の民主党の人は知事さんの中には当選したら殿様気分になる人が多かったり、当選するまでに言っていたことをすぐ捨てる人がおられるようです。私たち選挙民に人を見る力が無かったような気もします。
(平成24年4月13日)
--------ここから音声内容--------
ええと次々とあのー、事が起こるので、もう今日これ4つ目かなんかになって、ちょっとこう出しにくいぐらいになったんですが、えー、ちょっとこれも緊急を要するもんですから、4号機の問題もそうですし、それからこの問題もそうなんで、ま、どうしてもちょっと今日出したいなと思ったんですが。
経産大臣がですね、原子炉の安全性を確認したっていうんですけど、これ経産大臣とか首相はですね、お殿様じゃないんで、全権は持ってませんから、あの、原子炉の安全性を経産大臣が、ま、確認したなんてことはできるはずもないことなんですが、なんでこれを、あのーNHKとか、あのー有識者が認めてるんでしょうかね。
えーと、こういうことなんですよね。あのー、安全性はあの、技術系しかできないわけですね。つまり、原発を設計できないような人がですね、安全性をチェックできるってことは普通はできないわけですよね。えー、これはもうしょうがないんですよ。あのー、いい悪いの問題じゃないんですよね。微分方程式は解けない人に微分方程式を聞いたりですね、この答えが正しいんですかと聞いたり、そういうことは、これできないんですよね、あの、できないっていうか、その人が悪いとかいいとかいう問題じゃないんですよね。
つまり、安全性は原発を熟知している技術者が判断して、署名しなきゃいけないんですよ。「私が安全だと認めました」とか、「30%爆発します」とか、そういうことは技術者が判断するんですね。それ…技術者以外が判断できないんですよ。これ、技術者が偉いとかそういうことじゃないんですよね。だって、飛行機が墜落するかどうかってのは、飛行機を設計できるようなクラスの人がやらないとですね、他の人が見て…飛行機の機体を外から見て「あ、これは飛行機は墜落しそうじゃないなぁ」なんて言ったって無駄なんですよね、それは。
それはペテンって言ったらちょっと言葉悪いんですけど、そういうたぐいのもんですよね、種類としては。だって、誰が考えても経産大臣が原発の安全性を判断できるはずがないのに、公の席で「私が安全性を確認しました」と言うわけですから。これはちょっと言葉悪いけど、やっぱペテンと言わざるを得ないですよね。
で、政治判断ってのはどういうことかって言うと、技術者が「10%爆発する危険性がある」と、こう言ったとしますね。ま、技術者がですね、「絶対に安全です」と言ったら、もうそれ政治判断ないんですよ。政治判断が成立するっていうのは、「危険性が何%ぐらいまであります」という報告を技術者から受けた時は、何%、5%なら5%というのを政治家が判断するんじゃないんです。5%の場合、この原発を電力不足との関係で実施するかどうかが、これが政治判断なんですよ。
ま、だから、枝野さんが言うのはですね、「原発の安全性を確認した」じゃないんですよ。「技術者が原発の安全性は10%爆発の可能性があると言いましたが、関西電力の状態から見ると、10%ぐらい爆発しても仕方ないから、これを再開する、と政治判断しました」、これならね、あの、みなさんがどう考えるか別にして、一応政治判断としての形は成してるわけですね。だけど、こんな簡単な論理が通らないってことはですね、ちょっと原発をほんとにできるんでしょうかねぇ。
それからもう一つの…だからこれできません。できませんから私はですね、これに対して声を上げなきゃいけないと思います。これは、あの、技術者も声を上げないといけない、日本原子力安全委員会も声を上げなきゃいけない、私も声を上げなきゃいけない、誰も声を上げなきゃいけませんね。「それは枝野さんダメですよ」と。「あなたはお殿様じゃありませんから、安全性は確認できません。あなたは神様でもオールマイティな人でもありません。政治判断は経産大臣として尊重しますが、経産大臣は安全性は判断できません。安全性は政治判断ではありません」と、ま、これぐらい言わないとですね、いや、これが通らない社会って一体なんなんでしょうかね。ちょっとよくわかりませんが。
まあ、しかし、もしそうなった場合は、えーちょっと我々がなんか…選挙民がですね、我々選挙民がですね、どうも人を見る力がなかったんでしょうね。どうも、民主党の人とか、知事さんの中には、当選したら殿様気分になる人が多いし、当選する前に言っておられた事と180度違うっていう人も多いしですね、もうこれはあの、政治家の責任っていうか我々選んだ方の責任でしょうね。
あの、次回からは、どうも選ばれたら殿様気分になって、自分が原子力発電所の安全を判断できるなんて人は、いや、当選させちゃいけないんでしょうね。あー、民主主義ですから。やっぱり安全性は技術者が判断する、その判断した安全性が、絶対的に安全だというんじゃない時は、政治判断が入る可能性があるから、それは大臣がやるっつぅことに、ちゃんとねぇ…。
いや…繰り返しになりますが、こんな簡単な論理が通らない日本に住んでると思うと、ちょっと悲しくなりましたね。えー、だけど、これはどうしても止めなきゃいけませんから、ぜひみなさんで声を上げて下さい。