読者のご質問に答えて9. 福島原発の今までと今後(2) 全体を見ると | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

読者のご質問に答えて9. 福島原発の今までと今後(2) 全体を見ると


福島原発は小さな爆発はあっても大きなことは起こらないことが「原理原則編」で判りましたが、それでは今後はどのように考えたら良いのでしょうか?

(平成23年12月16日(金))


--------ここから音声内容--------


ええと、原理原則編でお話ししましたが、このようなことからですね、ええとまぁあの福島原発は、まぁどんなに起こっても小さな爆発だろう、と。そうしますとね、放射線がその時飛び散るんですけども、どのくらい飛び散るかっつったら、だいたい今ですね、もう既に原発の中の放射性物質の量ってのが、どんなに多くみても300分の1くらいになってる、と思うんですね。ええ…従って、まぁ3月の爆発で飛んだ量の300分の1っていうことになりますね。





そうしますと、まぁこれはわかりにくいんですが、例えば3月の時に一万円が空から降ってきたとしますと、今度降ってくるのは30円と、まぁこういうわけですからね、だからまぁ影響としては、あのぉ…一万円をもらうのと30円をもらうのとずいぶん違います。まぁ放射線だから逆なんですけど、まぁそういうことなんですね。




ですから心配の仕方は、一万円払わされるんじゃないかっていう心配と、30円払えば済むんだっていうことになりますとね、やっぱり一万円もらった後ですから…もらったというか払った後ですからね。まぁ30円くらいどうってことないと、まぁこんな感じに捉えておいたらわかりやすいんじゃないかと思います。




というか、むしろですね、この福島原発の問題は、もう元々ですね、あの敷地内ってのは、もう東電のことしか関係ないんですよ。40年、50年そのまま放っておいてもらってですね、そしてあんまり早く近づきますと危ないんですよ。まぁあそこで仕事をする人ね、所長さんをはじめとして、やっぱりこれ、東電の社員で責任はあります。責任はあるから、まぁちゃんとしてもらわなきゃいけませんが、やっぱり人間ですからね。あんまり危険なところで作業をさせるっていうのは問題なんですよ。





まぁ、今世論が沸騰して、「なんだ!」って、「東電なんだ!」っつって、そりゃそうだ、確かにそうなんですよ、もう憎らしいことばっかやりますから。ええ…ゴルフ場に降ったやつを無主物だ…なんつって言ってるわけですからね。誰も持ち主がいない…なんて、俺のもんじゃない…なんて言ってるわけですから。みんな腹立っちゃうんですけど、それは東電の役員はそうかもしれません、悪いかもしれませんが、ええとあの、作業員はね、やっぱりかわいそうですから。やっぱりあんまり過度なことをやる必要ないんですよ。そのままね、どうせ近づけないんですから、放っておいてですね、40年くらいたってからやるのが、まぁ筋なんですね。






それからもう一つはですね、これはほんとはガッチリとした防御服で、外側からきちっとやっていくんなら、私ね、やった方がいいと思いますし、それからまぁ日本の技術を示すという意味でも意味があると思いますが、今みたいに突貫工事…突貫精神でやるのはちょっと…ですねぇ。




それよりか問題なのは、日本は広島、長崎ありましてね、被曝の経験があり、今まで外国に対して原爆の被曝というものを訴え続けてきたわけですよ。被曝は怖いっつって。その日本がですね、今度原発事故起こしたら…ドカーンといったのはしょうがないんですけど、海に平気に流してんですね。やっぱりこれ、早くですね、中で生じたものを汲み取って、日本国内のプールの中に入れる、と。タンクなんかじゃ間に合いませんからね。やっぱりプールを作って、プールに入れる、と。まぁそういうふうにですね、早くしなきゃいけませんが、まぁ政府はとにかく何もやりませんからね、まぁそこんところはそうですね。






それからもう一つは、まぁ福島原発の「収束」というのは、もうカムフラージュだと…私言い続けてきたんですが、もう爆発の直後からですね、福島原発は中身が外に出たようなもんですから、やっぱり外に出たものをやる(処理する)というのが政府の役割ですよね。政府はあの…事細かに福島原発の中をですね、説明して、メルトダウンだ・メルトスルーだとわぁわぁやってますけども、こんなのは全然無意味なことで、ええともっとですね、外側の人たちを救う…ということが非常に重要だと思います。






それから海に流さないっていうことですね。ええ…これ非常に重要ですね。ほんとはですね、あの、まぁ私のブログにもちょっと書いてありますが、ほんとは原発の上に筒でも作っとけばですね、ええ…まぁなんとか少しは防げたかなっていう気もしないでもないんですが、ま、そういうことは別にしまして、ええ…とりあえずですね、ええと我々日本人としては、外に流さない、と。つまり原発の中の…1号機の中がどうだとか、2号機の中がどうだなんていつまでもやってないで、そっからは少し人が引いて、外側対策っていうのを一生懸命やる、と…まぁいうことですよね。まぁそれが原発の問題だと思います。






ええと、ほんとに4月から継続的にですね、原発が危ない原発が危ないっていう人がもう多くて、まぁそれは別に言っていいんですけど、ええ…ほんとに不安な…また福島原発が爆発するんじゃないかっていうことに心配されている人が多かったんですね。ええ…私もそりゃあまったく断定的には言えませんからね。断定的に言うことが今度の事故にも繋がったわけですが、ええ、やはり科学的な事実っつぅのがありますから。低濃縮ウランと言われるものはですね、それほど簡単に爆発するもんじゃありません。爆発っつっても二つありますね。あの、小さい爆発はするんですが、大きい爆発はすることはありません。





まぁそういうことで、ええ、火事にはなるけども、爆発にはならない。まぁそういうことですね。原理原則が同じであればそうである、と…まぁ、いうことをしっかり頭に入れて。それよりか、我々の身の回り、もしくは国際的な信用、これを重要視しなきゃいけない、と私は思います。