読者のご質問に答えて4. 飛行機や新幹線の移動 (12/13) | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

読者のご質問に答えて4. 飛行機や新幹線の移動 (12/13)


--------ここからブログ記事--------

年末年始を控えて、線量の低いところでお子さんの回復を期待している方がおられます。その時に「移動した方が良いか、このままここにいた方が良いか」を考えておられる方の参考のためにお話をします。


--------ここから音声内容--------

正月を控えてですね、まあ帰省しようということを計画している人もいるわけです。それで飛行機に乗りますと、それだけ少し被曝しますし、また東京から東北の方に帰るという方は福島県を通過しますので、新幹線も心配だ、とこういうことになりますね。




ざっと言うとですね、非常にざっと言うとですよ、だいたいほとんどの方が線量率が一時間あたり0,1から0,2マイクロシーベルトのところに住んでおられるんですね。そういう方はですね、簡単に言えばこういうふうに考えて下さい。つまり、飛行機に乗って日本のどこかに移ったり、新幹線で福島を通過する時はですね、だいたい被曝量は一日分を足すくらいになる、ということですね。




ですから例えば、被曝…そこを通過するとか飛行機に乗るってことは、一日損をする、と。まぁこういうことになります。ただその後10日間、例えば綺麗なところに行きますとね、10日行ったけど一日分引くので、9日分しか綺麗にならない、と。まあこんな感じですね。




ですからまあ、ちょっと慎重に見ますと、2日分…往復ですからね。そうすると10日行くと、10引く2ですから、8日分は放射線の少ない所に行った、と。まあこういうことになりますね。ただ2,3日の旅行で飛行機に乗って行ったってことになると、ほとんどプラスマイナスゼロ、と。まあこういう感じですね。




もうちょっと詳しくお話しますと、ええとだいたいですねニューヨークに往復しますと30時間くらいかかるんですが、だいたい150マイクロシーベルトくらいと思います。あの、公表されているのは200ぐらいなんですけど、もうちょっと低いようですね。



従って、だいたい、一時間に飛行機に…高高度飛行機に乗りますと、一時間に5マイクロシーベルトくらい浴びるんですが、国内の飛行機ってのはですね、それほど高く飛ばないんですよ。特に近距離ですね、例えば名古屋の小牧空港から新潟空港なんていうのはですね、一時間くらいのフライトなんですが、非常に低空飛びますから、まあほとんど関係ないかなって気がする時があるんですね。




ですから沖縄とか北海道とか比較的高いところに行く大型の飛行機、まあこういったところだと一時間5マイクロくらいで、まあそれが家にいますとね、例えば一時間に0,2マイクロシーベルトですと、それに24(時間)掛けますから、だいたい同じぐらいになるんですね。(0,2*24時間で4,8マイクロシーベルト)





ですからまあ、だいたい10日帰省すると8日分、もしくは飛行機の種類によっては9日分は休める、と。まあこういうことになります。ええと福島を通る新幹線ではですね、だいたい1マイクロシーベルトくらいですから、これは3時間くらいとしますと、これもだいたい3マイクロシーベルト、と。




まあこういうめんどくさいことを全部計算するのもなんなんですが、私のオススメ(の考え方)はですね、だいたい一回旅行に行ったら、2日分くらいは損するかな、と。10日行けば10引く2、と。こんな感じがですね現実的ではないか、というふうに思います。