(文字起こしをお手伝いして下さった方からの投稿です。danielle(ダニエル)様、ありがとうございました)
読者のご質問に答えて19.緊急呼びかけ(1)・・・なぜ瓦礫を引き受けてはいけないのか?(12/29)
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(2回に分けて書いた「瓦礫」は福島を含む震災を受けたところの瓦礫です。もともと同じ日本なのに「県」で分けるのがおかしいので、「汚染された瓦礫」=(いまのところ)「福島の瓦礫」としています。福島県ではなく福島付近と読んでください。)
福島には瓦礫や除染したものの処理施設がない。多くは汚染されているので、それなりの設備で安心して焼却したり、洗浄したい。それが「まだ」福島にはない。
その原因を作っているのが各自治体の「お節介な瓦礫引き受け」だ。福島に行けば判るが、問題となっている大震災の瓦礫はなんとかつなみで流されたところや公共の土地で空いているところにおいてある。福島としては、地方に瓦礫を運ぶより、今のまま置いておき、早く福島の地で処理できることが良い。
政府は震災瓦礫を引き受ければお金を上げるといって自治体をさそっている。そのお金さえほとんど説明されていない。一方、「人を助けるようなフリをして、福島の人の被曝(除染したものを片付けられない)」ということをしているのが自治体の瓦礫引き受けである。首長は瓦礫の引き受けが福島には逆の効果を持っていることを知っているのに、人気とりで進めている。引き受ける側の市民はなにかおかしいと思いながら、不安にさいなまれ、反撃ができずにいる。
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えーと、瓦礫の引き受けの緊急提言というのを、年内にやろうと思っとりまして、まだ年内ではありますけども、もうお役所が閉まりましたもんですから、来年まで体制を整えて、新春にですね、瓦礫の引き受けを全国で止めると、いうふうにしなきゃいけませんが、これはどうしてかと言いますとですね、福島の人を助ける為には、瓦礫を引き受けちゃいけないんですよ。
私、この前福島に行って良く瓦礫全部見てきましたけども、勿論、多少困る瓦礫もあるんですが、普通はですね、全部、例えば津波で流されてどうにもなんない所、もしくは公共用地の空いてる所にきちっと積まれています。どう見てもですね、これを急いで処理しなければ福島の復興ができないって事じゃありません。
むしろ福島の復興はですね、瓦礫の処理施設を福島に作んなきゃいけないですね。大体、日量300トンぐらいの処理を焼却する、と。それから焼却できない物の処理を併設する所を、例えば相馬市と、それから福島原発の5キロ以内、それからいわき市、ここの3つにですね作りますと、合計で大体1000億円ちょっとぐらいのお金で全部済みます。
それで、これがなぜ良いかって言うとですね、今福島には瓦礫500万トンぐらい、福島も含めて放射性物質があるんではないかというふうに疑われる所にはあるんですね。これを3つの処理場を作ればですね、福島の瓦礫はどんどん処理できます。しかもその焼却炉とか処理場を作る為の土木工事ができますからね。それから雇用も増えます。
それから更に一番大切なのはですね、今福島の人達が困ってるのは、庭の木にしろですね、土にしろですね、
除染はするけどもそれをただ海に流してるっていうだけの状態なんですね。とりあえずはしょうがなかったんですね。4月5月はそれでいいんですね。
実はですね。時期によって私が言うことが変わるとかってのは、これは当然であってですね、まずとにかく、1人5マイクロシーベルトなんて浴びてる時はですね、とにかく緊急措置ですから。傷してる時に包帯巻くようなもんですからね。とにかく洗い流さないけなかったんですよ。とにかく自分の身から遠ざけて下さい!って、こう言ってた訳ですね。
ところがもうほぼ1年ぐらい経とうとしたらですね。これはもう状態が変わる訳ですね。今どんどんどんどん福島なんかで除染をした水を流したら、それは阿武隈川に流れてですね、そいで変な事になっちゃうわけですよ。ですから魚がいつまでも獲れないとか、こういう事になるわけですね。
ですからですね、そろそろ処理をする設備がいるんですよ。それはですね、東京が引き受けるとか大阪まで持ってくとか、そういう話じゃなくて、福島でやっぱ処理できないといけないんですよ。瓦礫も、それから庭の汚染された木の焼却もですね、そいから何だったら土の焼却、更には汚染された水の処理、これね、全部ね、福島でやらないとですね、いつまで福島を放っとくんですかね?
で、現在どうなっているかと言うと、政府がですね、各自治体に「震災瓦礫を引き受けたら、金やるぞ」ってこう言ってる訳ですよ。それでもう自治体の長はですね、懐加減が心配になりましてね、まぁ市民が瓦礫で、煙で、少しぐらい被曝してもいい、っていうんで、人を助けるようなふりをするんですよ、今度は。
「福島の人を助けよう!」助けようなんて思ってないんですよ。福島の人を助けるなら、お金を受け取らずですね、福島に焼却施設を作らないけないんですよ。逆なんですよ。
ところが各市長とか町長さんとかはですね、何しろお金が欲しい訳ですよ。市民の健康なんかどうでもいい訳ですよね、簡単に言えば。お金本位なんですよ。それを政府はですね、それを良く知ってますから、それで引っ掛けにかかってる訳ですよ。だから物凄く市の役人も硬い訳ですよ。これで金が取れる!って思ってますからね。
それを政府は常にそういうコントロールしてきてる訳ですよ。自治体を貧乏にしておいて、貧乏な自治体に金をやるぞ、と。
これね、別に自治体が貧乏で国が裕福だという事ないんですよ。国税と地方税の比率だけによるんですからね。国税が多すぎるって事なんですよね。そういう事でやってる訳です。それがまた福島の人を助ける、っていう変な理屈がある訳ですよ。これ絶対、助かりません。
瓦礫を地方自治体が引き受ければ引き受ける程、福島は苦しみます、長い間。被曝も続きます。
だから私達はですね。福島の人を助ける為に、瓦礫を引き受けてはいけない!と。これをハッキリしたいですね。