読者のご質問に答えて5。  今年だけのもの・・・落ち葉、木の実、そして雪、スキー・・・ | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

読者のご質問に答えて5。  今年だけのもの・・・落ち葉、木の実、そして雪、スキー・・・

セシウムの半減期は30年ですが、今年だけ注意すれば良いものもあります。食材も生活も原発事故からの時間を考えて行動をしてください。 12月13日


--------ここから音声--------


今年はですね、福島原発が3月に爆発しまして、空気中に放射性物質が非常に高濃度で飛んだのは、3月、4月、5月までなんですね。6月ぐらいになりますとみんな沈みまして、地表に落ちました。それから少しずつ少しずつ下に滲みております。



もちろん風の強い日なんかはもう一回巻き上がって、まあ軽井沢に行ったりですね、静岡に行ったりと…不幸なことがあったんですけど、いずれにしてもそうなんですね。現在では既にかなりちょっと滲みてるんじゃないかと。平均としては地表から5ミリぐらいの所まで行ってるんじゃないかと…こういうふうに思われますので、それに応じてですね、例えば落ち葉、木の実、こういったものはですね、今年は危ないんですよ。今年だけなんですね。




ですからまあ果物なんかも含めましてね、自分のうちとか近くの庭とか、子供が落ち葉で遊びたがるとかですね、木の実をちょっと食べたいとか、そういうことがありましたらね、今年だけやめた方がいいんですよ。ようするに木の葉についているやつは今年だけなんですね。それが全部落ちて、来年になりますと落ち葉に気をつけないといけない。まあ今年からそうですけどね。



新しく生えてくる葉っぱにはあんまり放射性物質はないと考えられるわけですね。ですから今年は焼き芋とか落ち葉を焚くとか、そういうやつをやると肺の方に入りますからね、放射性物質が。それでプルトニウムとかストロンチウムとか計っていませんからね今。ですからそういったものも気をつけなきゃいけないので、私は、今年はですね、とにかくもう一年だけやめる、と。




つまり空気中を飛んでどっかにかかったようなものをですね、それは扱わない方がいいということですね。来年になりますと、もう空気中を飛んできませんから、それから風で巻き上がるやつも、それはまあ10分の1とか、100分の1とかになりますから、それを一応頭に入れられたらいいんじゃないかと思います。




それと同じようにスキーですね。雪とか。これはですね、今年降る雪は大丈夫なんです。上から降ってきますから。もう上空にはありませんのでね。放射性物質はありません。ただ雪解け水っていうのは、今度ですねこれは山を通ってきますので、どうかなぁと。 だからスキーは大丈夫だと。つまり雪が解けないまでのスキーは大丈夫。解け始めてから、下の方をずるずる来る地下水とかですね、それからもしかするとね、新潟なんかで…わかりませんよ? 全然わかりませんが、雪解け水で田んぼに引いた水が汚染されていて思わぬケガをするという場合がありますので、この辺はですね、自治体を中心によく監視をして、そして出荷するお米だとか春物のものが汚れないように、これは気を配った方がいいですね。




まあ静岡のお茶の葉っぱがそうなんですけど、ほんとにかわいそうなんですが、ずいぶん原発から遠いからというんで、遠い近いは関係ないと一生懸命言ってたんですけど、まあ遠いからと油断したらですね、そしたらずいぶん僕ねぇ、お茶を作った人が苦しんだと思うんですよ。こういったことをなくすためにはですね、自治体がですね、やっぱり隠そうというんじゃなくて、もっと積極的に危険を迎え撃つ、と。



なんていいますか、男らしいって言うとこの頃言っちゃいけないんですけども、真正面からね、やっぱり引き受けて、「よし」と。「わかった」と。「注意もしよう」と。だって、台風が来るんだったら、台風の備えとかですね、やっぱりするのが普通ですから。台風が来るからといって注意したらね、「お前騒ぎすぎだ」なんて言う人いますかね? やっぱり、川がはんらんするとか、そういうことに備えて、やっぱりやらなきゃいけないわけですしね。雪崩れもそうですよ。



だからこういった災害というのはですね、逃げてちゃダメなんですよ。正面から行く、と。その時に今言いましたように3月、4月、5月は空気中を飛んだ。6月、7月と沈んだ。それがさらに滲みこんだ、と。それからまあその、福島原発がなんか収束とか冷温停止とかなんにも関係ありませんからね。これは政府がただそっちの方に注意を向けるために言ってるもんですから、そういうのにこだわらずに、自治体は「市民を守る」ということでですね、もっと積極的に前に出てきて欲しいと…まあこういうふうに思います。