「どこまでが被曝の限度か」 | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

「どこまでが被曝の限度か」


放射線に対して被曝しますと、体が反応して防御しますから、まったく放射線にあたったら危ないということではないんですね。日常的にも身の回りに放射線がありますので、それに対してちゃんと防御できるようになっているわけです。






自然放射線が1,5ミリシーベルトありますね。それに伝統的にといいますか長い間経験的にはだいたい1ミリシーベルトくらいは足してもいいだろうと、合計してだいたい2,5ミリシーベルトぐらいまではですね大丈夫なのではないかというのが経験的な値なんですね。






もちろん医学的にはわかりませんので、医学的にどのくらいでどうなるかというのははっきりしないわけですが、一応一年1ミリシーベルトまで、ですから自然放射線1,5を足しましてね、足した状態では2,5なんですけど、自然放射線というのはいつでも浴びますからね、これをいちいち言っていてもしょうがないので、一年1ミリシーベルトというのを人工放射線の限度としているわけですね。





私が言っている例えば「空間でこのくらい」とか、それから土ぼこりがどうだとか、それから食品でだいたいキログラムあたり40ベクレルぐらいと言っていますのは、全体としてそのくらいであれば、今関東から東北に住んでおられる方がだいたい一年1ミリシーベルトに抑えられるだろうと。 



そうしますと、これまでとにかく20年間、世界中一年1ミリシーベルトでやってきまして、それでも少し不十分だという学者も世界にいないわけではないんですが、我々が福島原発の事故が起こる前の状態と同じですからね、それならまあ仕方がないというか、そういうふうに考えられます。



そこで一年1ミリシーベルトを守るということですね。これも繰り返してますけれども、これは法律でも決まっているわけで、今度がちょっと特殊ですね。例えば政府もマスコミもたぶん恐ろしくてびびっているんだと思うんですけども、法律に書いてあるということは一言も言いませんね。一年1ミリシーベルトが法律であるということを言いません。



どこの法律ですか? なんて反撃がきますが、文部科学省が主には主管しているんですけども、放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、それから厚生労働省の電離放射線障害防止規則、原子力等規制法、なんかいっぱいあるんですけど、基本的にはどの法律にどう書いてあるかっていうのじゃなくて、日本政府が今までどういう基準で国民を守ろうとしてきたかと、こういう視点で見なきゃいけませんね。それは一年1ミリシーベルトということですよ、ということですね。


私がいつも言うように、お医者さんも一年0,7ミリシーベルトが実績ですし、それから原子力作業員、これは驚いたことに、これは外部被曝だけですが一年1ミリシーベルト、まぁ普通は外部被曝しかありませんからね、食品が人工放射線で汚れているということは普通ないんで、したがって3月11日まで日本人は子供、女性、お医者さん、原子力作業員、全部一年1ミリシーベルトだったんですね。人工放射線は、ですよ。



ですから自然放射線を足すと2,5ミリシーベルトだったんです。ですから私はですね、とにかくそれを守ろうじゃないかと。そうすればお母さん方は心配ない。


私のメールにですね、時々非常にご心配になるお母さんからメールが来るんですが、ご心配ありませんよと。一年1ミリシーベルトにすれば、とにかく原発事故が起こる前ですからね。これはもう心配してもしょうがないわけですね。



宇宙には放射線もありますし、その限度がそこですね。」 まあこれをいじくっちゃったわけですね。これまでずっと一年1ミリシーベルトにしたのに、他はでも大丈夫だとか、給食は5ミリにするとか、なんかやっちゃったものですから、20ミリとか。これで問題が起きましたね。



やっぱり最初から法律をちゃんと守る、今まで日本人を被曝から健康を守った、その法律に我々はプライドがある、と…いうことでしたら簡単でしたね。まあいろんな意見がありますけども、それに統一して、しかも、それこそ人間は処理できるんだという確信のもとやっていただければと思います。