ここにも書いたが、


毎年恒例になっている、実家の両親と兄、私たち家族合同で旅行に行った。


旅行といっても、決まった旅館に両家で集合し、
温泉やプールを楽しんで、各々の家へ帰る、というものだ。

高齢+障害の兄がいる実家からは、私はどうしても足が遠のいてしまい、数年前から里帰りの代わりに、毎年こいう形での両家再会に落ち着いている。


宿でもひたすらテレビを観る母。
そんな母の小さな背中を観ていると、
幼い頃の我が家を思い出す。


我が家では、常にテレビがついていた。


朝起きてリビングに行くと、母は畳の部屋に寝転がってテレビを観ているか、テレビ音声をBGMに朝食の支度をしている。


食事中もテレビを観ながら、
学校から帰ってきたら母は朝の形そのままでまだテレビの前で寝っ転がっていた。


それからずっと夕方までテレビはついたまま、
私が話しかけても、母はテレビに目線をやったまま返事をした。


夕飯も勿論テレビを観ながら、
お風呂から出ると、そのまますぐ寝室へ上がり、
母は横になって眠くなるまでテレビを観ていて、
私はその隣で静かに眠くなるのを待った。


とにかく我が家では朝から晩までテレビがついていて、母の視線の殆どはテレビか兄のものだった。
テレビを消して

今日は学校どうだった?
何か楽しいことあった?

なんて、私の話に耳を傾ける、という時間は皆無だった。


母はテレビが無性に好きなのか、
それとも現実逃避でテレビを観ていたのか、
何れにしてももう少しテレビに向けていた視線を
幼い私にくれていたら…と考えてしまう。


我が家では、テレビはお着替えや娯楽のときなど、
最小限にとどめている。
食事中もテレビはなし。
なるべく家族で会話するようにしている。
くだらなくても、口喧嘩でもいい、
テレビに逃げるよりは、家族に向き合っている気がするから。