◇加古川北
1978年開校で、野球部は84年の創部。JR加古川駅の東約1.8キロにあり、近くには1級河川・加古川が流れる。学校近くの日岡山公園は桜の名所として知られる。
校訓は「克己自律」「質実剛健」「友愛協調」。国際社会で通用する人材の育成を目指し、英語教育に力を入れている。06年に単位制を敷き、習熟度別・少人数のきめ細かな指導をしている。
野球に加えて陸上やバドミントン、放送部などの部活動も盛ん。卒業生にはサッカーJ2・FC岐阜の嶋田正吾選手、プロ野球・阪神タイガース育成選手の藤井宏政さんらがいる。
生徒数863人(男子398人、女子465人)。加古川市野口町水足867の1(079・426・6511)。
◆予想メンバーと個人成績◆
監督 福村順一
部長 桂広
打順 守備位置 氏名 学年 出身中学 身長 体重 試合数 打数 安打 打点 本塁打 三振 四死球 盗塁 失策 打率
5 投手 井上真伊人 2 平岡 178 71 12 43 11 4 0 3 2 3 2 .256
8 捕手 佐藤宏樹 2 宝殿 165 63 12 38 7 4 0 6 4 3 1 .184
6 一塁 ▽山本貴紀 2 氷丘 170 61 12 41 9 4 0 7 2 3 0 .220
1 二塁 渋村涼亮 1 稲美 170 65 12 51 23 4 0 4 1 4 3 .451
9 三塁 宇治橋佑斗 2 稲美 175 63 12 38 9 6 0 8 0 1 1 .237
2 遊撃 武田勇樹 2 野々池 172 61 12 44 19 7 0 4 1 7 3 .432
3 ◎左翼 都倉健司 2 宝殿 173 70 9 31 9 4 1 9 4 4 2 .290
4 中堅 柴田誠士 2 宝殿 175 63 12 41 8 8 0 13 5 6 0 .195
7 右翼 小田嶋優 2 浜の宮 171 70 11 30 6 8 0 2 2 3 1 .200
補 ▽萩原勇也 2 加古川中部 158 55 5 8 2 0 0 0 0 1 0 .250
行司真将 2 高砂 167 55 - - - - - - - - - -
國嶋晃輝 2 志方 178 80 - - - - - - - - - -
大竹拓磨 2 氷丘 164 59 - - - - - - - - - -
内山侑士 2 竜山 168 54 - - - - - - - - - -
▽斎藤葵 2 加古川中部 170 60 - - - - - - - - - -
▽池本響 1 竜山 164 51 - - - - - - - - - -
▽田代圭佑 2 加古川山手 170 65 1 1 0 0 0 0 0 0 0 .000
西嶋健吾 1 氷丘 173 67 3 6 0 0 0 1 2 0 0 .000
(◎は主将、▽は右投左打)
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◇「県立の星」に初の吉報
「県立の星」に吉報到来--。3月23日に阪神甲子園球場(西宮市)で開幕する第83回選抜高校野球大会(毎日新聞社・日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、特別協力・阪神甲子園球場)の選考委員会が28日に開かれ、加古川北(加古川市)の初出場が決まった。県内からは報徳学園(西宮市)の2年ぶり18回目の出場も決まり、昨年の神戸国際大付と神港学園に続く県勢ダブル出場となった。加古川北は創部27年目と歴史こそ浅いものの、近年の躍進ぶりはすさまじく、今やすっかり県内強豪校の一角に定着。東播磨出身者で固めたチームだけに地元の期待も高く、選手たちは喜びを爆発させてセンバツでの活躍を誓った。【姫路支局センバツ取材班】
◇まず1勝、さらに強化
加古川市野口町水足の加古川北高校には、昼過ぎから報道陣が続々と詰めかけ、午後3時34分、センバツ初出場決定を知らせる電話が校長室にかかった。原潤之輔校長は「ありがとうございます。謹んでお受けいたします」と緊張した面持ちで答えた。傍らで待機し、「何とも言えない緊張感」と話していた桂広部長も「ほっとしたというのが正直な気持ち」と胸をなでおろしていた。
この日は通常通り、授業が午後3時過ぎまで行われ、野球部員は三々五々、ユニホームに着替えてグラウンドに集まった。やがて原校長がバックネットに姿を現し、「センバツ出場決定」を報告。当初は緊張した様子の選手だったが、表情を一変させ、「やったー」と歓声。抱き合い、跳び上がって喜びをかみしめた。
胴上げが始まり、福村順一監督、桂部長、都倉健司主将が次々と宙に舞った。グラウンド周辺には多くの在校生や保護者、付近の住民らも詰めかけ、「歴史的瞬間」をカメラに収めていた。
昨秋の近畿大会で殊勲の本塁打を放った都倉主将は、取り囲んだ報道陣に対し「センバツにはぜひ出たいと思っていたので、とてもうれしい。これまで支えてくれた人たちに感謝したい」と声を弾ませた。抱負を問われると「目標は『甲子園で1勝』だが、勝てるところまで勝ち進みたい」と力を込め、「開幕までに、さらに守備と攻撃を強化したい」と意気込みを語った。
エースの井上真伊人投手も「きっと出られると信じていた。甲子園では低めを丁寧につき、テンポよく投げる自分らしいピッチングをしたい」と笑顔。多くの強豪校が集まるセンバツに県立校として挑む意義について「(私立校と比べ)力は劣ると思われているかも知れないが、世間をあっと言わせる試合をしたい」と話し、顔を引き締めた。
一方、記者会見に臨んだ福村監督は「近畿大会を終えて28日という日がくるのを待ち遠しくもあり、非常に不安という中で部員たちと過ごしてきたが、出場が決まった」と喜びを語ったうえで、「まだ発展途上のチーム。足元を見つめ直して精進していきたい」と述べた。また、昨秋の県大会などを振り返り「ベンチ入りしていない選手の取り組みが変わり、全員が今、何をしなければならないかを考える全員野球が確立できた」とした。さらに「すがすがしいプレーをするのがセンバツ。OBが築いてきたものを大切にして1勝を挙げ、校歌を歌ってほしい」と激励した。
都倉主将も「甲子園でまず1勝して校歌を歌い、やるからには勝っていきたい」と決意を披露。原校長は「全国の強豪に堂々とチャレンジしてほしい」と語った。
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加古川北高校は同校敷地内の同窓会館1階に後援会事務局(電話079・456・1515、ファクス079・456・1516)を開設した。29日以降の午前9時~午後5時、野球部の応援に関する問い合わせなどを受け付ける。
◇「甲子園で校歌響かせて」 保護者、OB感無量
○…喜びの瞬間を見届けようと保護者やOBら約50人が学校に駆けつけた。保護者らは沸き立つ選手の姿をカメラに収め、中には涙を流して喜ぶ母親もいた。父母会長の武田聖治さん(50)は「感無量。子どもたちが勝ち取った勝利です」と顔をほころばせ、他の保護者も「息子が小さな時から応援してきた。夢のようにうれしい」「加古川の名で甲子園に出るのは誇りだ」と喜んだ。08年に卒業したというOBの鷲尾晃毅さん(20)と網干寛士さん(21)は共に大学3年。就職活動の会社説明会後に駆けつけ「甲子園でも普段通りの野球を」とエールを送っていた。
また、野球部OB会(約500人)の畑広次郎会長(43)=86年卒=は「加古川市からの選抜出場は初めてでうれしい。地域の皆さんも力強い応援をしてくれると思うので、甲子園で校歌を響かせてほしい。それがすべてのOBの願いだ」と笑顔で語った。
◇すごい!やったー! 保護者ら号外手に
○…加古川北の選抜大会出場決定を報じる毎日新聞の号外が発行され、学校内やJR加古川駅などで計約1000部が配布された。約300部が配られた校内では「加古川北に春」の大見出しに、「すごい!」「やったー」と声があがり、保護者や生徒らが号外を求めて集まった。号外にはチームの戦績や個人成績なども記され、受け取った人たちは食い入るように見入っていた。選手の保護者らは「本当にうれしい」「甲子園で思う存分暴れてほしい」と号外を手に改めて喜びを実感していた。
◇校舎に垂れ幕
○…選抜大会出場決定の約1時間半後、校舎には早くも出場を知らせる垂れ幕が掲げられ、野球部以外の生徒らも喜びに沸いていた。3階建て校舎の外壁に業者らが高所作業車で取り付けた。放課後にクラブ活動をしていたバドミントン部2年の入江美代さん(17)と石堂聡大さん(17)は「同じ学校なのでめちゃくちゃうれしい」「野球部は昼休みや放課後遅くまで練習していたので選ばれて本当に良かった」と喜んでいた。
◇攻守に粘り強く--戦力紹介
就任8年目の福村順一監督の指導のもと、近年急激にレベルアップ。兵庫代表枠が2に拡大された08年夏、西兵庫代表として初めて甲子園の土を踏んだ。
新チームは昨年秋の県大会で準優勝。続く近畿大会1回戦で優勝候補の大阪桐蔭に2-0で完封勝利し、8強に食い込んだ。準々決勝で優勝した天理に5-9で敗れたものの、終盤に得点して粘り強さを見せつけた。
「守りの野球」が持ち味。エースの井上真伊人投手(2年)は抜群の制球力を誇り、時速100キロを割るスローカーブで打者のタイミングを外す。チーム打率は2割7分7厘。長打力はないが、足を絡めた攻撃で得点機を確実にものにする。