「こいのぼり」(その5)おびれとせびれ(後半)”ビレ” | 閲覧注意:木湯辺レイの怖いピアノブログ

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2024です。何がいつ起こるか、知る人は知ってるので、知らない人はただ待つしかない。松しか。

樹木

 

全ての資料が一致して示していることは、樹木がケルト人の宗教において重要な役割を果たしていたということである。これは、とりわけ聖なる森(ネメトン)に関する多くの言及が証明している。また、ガロ=ローマ時代に樹木の神々に祈願した碑文も知られている。例えば、ファグス Fagus《ブナ》、あるいは ロブル Robur《オーク》がある。更に三つの碑文がなじみのない6種類の樹木に(sex arboribus) 言及している。古代の著述家は特にオークが宗教上重要であったことを強調している。

ケルト人がゲルマン人の宇宙樹と同じようなものを考えていたかどうかは、古代の資料から知ることはできない。樹木がケルト人の神話において重要であったことは、とりわけナウタエ・パリシアキの石碑にあるエスス神の描写に明らかである。

アイルランドでは、ビレ bile《大樹》(古代ケルト語 bilios より派生)は聖なる木を意味した。特にウシュネフやトルトゥ Tortu の楡、ロス Ross のイチイ、ムグナ Mugna やダティー Dathi のオークはしばしば言及されている。

しかも更に、それぞれのトゥアト*にも各々の聖なる木があり、その木陰で集会が催され、その木を切ることは重大な冒涜と見なされた。(完)

 

 

トゥアト tuath

 

一人の王(リー ri [R'i:] )が統治する部族連合体。初期および盛期中世アイルランドにはこの種の部族連合体が少なくとも 150 存在したと推測される。一つのトゥアトの平均人口は 3000人程度だった。トゥアトという単語は更に古い語形 teuta に遡られるが、これは多くの西方印欧語族において《民》を意味する。ガリア語では特にテウスタスという神の名前としても現れる。その古高ドイツ語形 diot から形容詞 diutisc が派生し、のちにはドイツ語《 deutsch 》を意味するようになった。(完)

 

 

『ケルト事典』ベルンハルト・マイヤー Bernhard Maier 著 / 創元社  より転載。

 

この本は、安い中古本が出ていたから買ったのですが、著者名で、わかるかな?

 

マイヤーさん、ここでも、「名前」で選ばれて、事典を編む担当者になったんですね。だから、この本も、ヤツラさんの手の内なんですね。

 

もう1冊、ケルトの事典がありまして(私は持っていませんが)、それはミランダ・グリーンという女性研究者の編んだ本ですが、こちらも、「名前」!ですからね。



次回はいよいよ、


「あかるいそら」。