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hellocqcqのメモ帳

アマチュア無線に関連した記事など

以前にMOXON(モクソン)アンテナのシミュレーションをしましたが、あれは50Ω給電タイプの八木アンテナの変形でしたので、変形する前の2エレメント八木アンテナの50Ω給電タイプをシミュレーションしてみました。
結論から言いますと、性能はモクソンと大差ないと思います。

サイズはこちらの方がブーム方向で50cm、エレメント方向で2m22㎝大きくなりました。その分構造はシンプルとも言えます。


  アンテナの形状
リフレクターの付いた2エレ八木アンテナです。


  アンテナの定義
リフレクターを2本に分けて定義しましたが、意味はありません。


  パターン・ゲイン・SWRなど
アルミパイプで地上高9mでのデータです。
今回のシミュレーションでは最適化を使ってみたので、SWRがよい値になっています。


  SWRの周波数特性
普通の特性だと思います。

もし作るのであれば、モクソンと比較してどちらが扱いやすいか、あるいは作りやすいか、さらに詳しく検討する必要があります。
また、地上高を変えて計算するとSWRがかなり変化するので、実際に設置する高さで設計し直す必要がありそうです。

アマチュア無線のアンテナ自作に関する本や、雑誌のアンテナ自作の特集を見るとヘンテナについての記事がたくさん載っています。
たくさん載ってはいますが、エレメントの素材と加工寸法については、はっきり書かれていないものが多いです。
21MHzのアンテナを自作することを考えると、ヘンテナは作りやすい形に見えるので、シミュレーションして、その結果が良ければさらに検討を進めるつもりでした。


  ヘンテナの形状
縦長の1λループアンテナの下にマッチング用のループを付けたような構造です。



  今回のMMANAの定義
適当に定義しました。SWRがよい値になるようにいくらか調整してあります。



  パターンとゲイン・インピーダンス・SWR
ワイヤはアルミ線にしました。リアルグランドで給電点は4.5mHです。
データ的には、1λループと同じくらいのゲインで、Rが50Ωに近くなっているといった感じです。
このデータだけだと、まずまずかなと思いましたが・・・


  今回のヘンテナの周波数特性(SWR)
SWRの周波数特性ですが、これを見ると、ダイポールアンテナに比べて帯域が狭いように見えます。
たとえばダイポールアンテナ(V型)の周波数特性は次のようです。


    ダイポールアンテナ(V型)の周波数特性(SWR)
横軸の目盛りは同じですが、縦軸の目盛りが全く異なります。
このV型ダイポールアンテナはごく一般的なものですが、その帯域幅は今回のヘンテナ?のおよそ3倍あるようにみえます。
もちろん、帯域幅が多少狭くても使えないというわけではありませんし、アンテナチューナーを使うという方法もあります。

以上、ヘンテナをシミュレーションしてみましたが、結局のところ、私が欲しい21MHzのアンテナはもっとゲインのあるものだとだんだんわかってきたので、ヘンテナについてはこれだけでいったん終了することにしました。

なお、これはシミュレーションのかなりいい加減な一例に過ぎません。現実のデータではありません。私が作った定義が間違っていることもよくありますし、私の使い方が間違っていることもよくあります。もしかしたらシミュレータ自体の得手不得手も影響するかもしれません。
ヘンテナを検討している方は、いろいろなデータを参考にして、ご自身でさらに検討することをお勧めします。
アマチュア無線は趣味ですから、「あーでもない、こーでもない」と資料をひっくり返して、ネットを検索して、図面を描いて計算して、どの材料を使うかどう設置するか、気持ちが悪くなるまで考えるのが楽しみなのだと思います。

6月に入って21MHzがよく聞こえるようになってきたので、現在使用しているアンテナのダイヤモンドW-735に21MHz用のエレメントを追加して、3.5MHz・7MHz・21MHzの3バンドダイポールアンテナにしました。


    W-735の取扱説明書(部分)

取扱説明書にこう書いてあるのですから、多分問題ないはずです。

注意すべきことは、設置の方法が上の図と異なる場合にどうなるかということです。できれば、設置する前にシミュレーションして、ある程度納得してから設置した方がよいと思います。
なぜかというと、21MHzの信号は7MHz用のエレメントにも載るので、二組のエレメントからそれぞれ電波が出ることになります。したがって二組のエレメントの位置関係によっては、放射パターンが大きく変わるかもしれません。

上の図のθ=30°にどの程度の意味があるのか不明ですが、次の写真からわかるように、今回の設置ではおよそ30°になるように取り付けました。


  実際にW-735に21MHz用のエレメントを追加して設置した様子

もともと当局のW-735は両側10mのポールで吊ってありまして、給電点はおよそ7mHです。
3.5MHzと7MHzのSWRは21MHzのエレメントを追加してもほとんど変わりませんでしたので、今回そちらは無調整です。

《 設置したアンテナをMMANAでシミュレーション 》
 

  実際に設置したアンテナをシミュレーションした結果(電流分布)

実際に設置したアンテナとほぼ同じ形状にしましたが、このシミュレーションではW-735を単純な7MHzフルサイズダイポールアンテナに置き換えました。
7MHzのエレメント(ワイヤー)にもしっかり電流が載っているのがわかります。


  仰角30度の水平パターン

SWR=1.11 仰角30度ではGa=5.1dBi ですから、このままで使えそうです。


  仰角60度の水平パターン

仰角30度と仰角60度では水平パターンがずいぶん違います。
Gaは仰角30度の方が5dB以上大きいです。
電波の飛び方がいくぶん複雑な感じはあります。

 《 設置した結果 》

① SWRの実測値


21MHz帯のSWRの実測値は、21.15MHz~21.45MHzの範囲で1.3~1.5程度でした。
これはリグ内蔵SWR計の数字なので、給電点ではもう少し悪いかもしれませんが、実用上問題ないと判断しました。必要に応じてリグ内蔵のアンテナチューナーを使うこともできます。
 
② 当局は群馬県で出力50Wですが、北海道および九州とのQSO(SSB)で59~59+のレポートをいただきましたので、それなりに飛んでいると思われます。
実はシミュレーションのパターンを見て、電波が海の方へ逃げて行ってしまうのではないかと心配したのですが、北海道と九州に届いていれば大丈夫でしょう。

《 実績と考察 》

21MHzに出られるようになってから1週間使ってみた実績です。


   表A    21MHzのQSO実績

交信数が少ないのは、私があまり数をこなすタイプではないからです。

次に前に示したシミュレーションでの、仰角ごとのゲインと、その仰角でF層(仮に250kmとした)反射した場合の距離の表を示します。


  表B   今回設置したアンテナのシミュレーションでの仰角ごとのゲインと距離の参考データ

この表は、上空250kmで反射したらこの距離に届くというイメージの表ですが、地球が球面であることを反映していませんので、あくまで参考程度です。F層は地上200~400kmにできる電離層です。
Gaは仰角25度が最大で、15度から40度くらいまで使える感じがします。

前に示した仰角30度での水平パターンでは、最大ゲインの方向がアンテナに対して水平45度方向でした。シミュレーションデータによると、仰角10度から40度の範囲でも同じ水平45度方向が最大ゲインでした。
したがってアンテナの設置方向による影響が実績に出ているかもしれません。当局のアンテナで水平45度の線は北海道の真ん中あたりを通っています。北海道では札幌市旭川市網走市などとよくつながっています。

表AのQSO実績のうち関東エリアについては直接波またはEスポによる伝搬と思われます。
北海道と徳島県以西の地域はF層反射による伝搬と思われます。

沖縄県とは21MHzでまだつながっていません。そのこともあって今回少し詳しく調べたのですが、結局はコンディションの問題のような気がしてきました。これからコンディションが良くなって沖縄から届くCQが59で聞こえるようになれば、私の貧弱な設備でもQSO可能だろうと思います。もちろんパイルアップでは負けるので、平日の昼間がねらい目かもしれません。

《 追記 》

その後1週間くらいして、沖縄県八重山郡竹富町から59のレポートをもらうことができました。
竹富町は那覇市からさらに南西に400kmの所にあります。群馬県からは1900kmです。遠いです。
先方の4エレに助けられての59ではありますが、コンディションが良ければこのアンテナに50Wでも21MHz国内SSBは充分可能と考えてよいと思います。ただしパイルアップのときは厳しいですが。

21MHzバンドは面白くて、ある日は一日中青森県の局とよくつながり、かと思うと、その翌日は日曜にもかかわらずバンド内が妙に静かになり、コンディションが悪いのかなぁと思い、試しにCQ を出すと九州と59・59でつながったりします。コンディションの変動が激しいのだと思います。実際に、57で聞こえていたものが急に全く聞こえなくなることもありました。

《 追記 9月18日 》 私の21MHzでの2020年のQSOは9月1日が最終だったようです。それ以降も多少は聞こえることがありましたが、交信は成立していません。最近のOMさんのお話を聞いていても、「ハイバンドはまた来年よろしくお願いします。これからは7MHzと3.5MHzの季節です」といった感じです。

《 追記 10月22日 》 10月22日に宇宙天気予報センターの電離圏領域を見たところ、国内イオノゾンデ定常観測に次のようなEスポらしいものが出ていました。

     国分寺 2020年10月22日 12:45JST

そこで、21MHzでCQを出したところ、2エリア3エリア4エリア5エリアと強力につながりました。この日はその後もコンディションが良かったようで、15時頃に再びワッチしたところ別府市からのCQがあり、5959でつながりました。(当局は群馬県です)
10月になり、コンディションの良くない日が続いていても、こんな時にはあっという間にパイルアップすることに驚きました。コンディションが悪い季節にもかかわらず21MHzをワッチしている人がたくさんいることに驚いたわけです。21MHzは人気のあるバンドのようです。