W735の設置前の検討 | hellocqcqのメモ帳

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第一電波のW735という2バンドダイポールを購入しました。

購入する前に、もちろん設置のことまで考えてはいたのですが、購入後、より具体的に設置について検討してみると、いろいろな問題が出てきてしまいました。
結果として、設置方法を変更することになりました。
さいわいまだ何もしていない段階での変更なので、ムダになるものはありませんでしたが、いつもながら詰めが甘いと思うのでありました。なんでも、身に引き寄せてじっくり向き合わないと本当のところは見えてこないもののようです。

今回のポイントは、「3.5MHzのダイポールを張るなら、地上高の確保が最優先」ということです。
これは常識的なことで、知っていたはずなのですが、なぜか今回の購入前の検討の中で、充分に確認されていませんでした。それでなんとなく、7MHzのダイポールを張るようなイメージで考えてしまっていたのです。

注) 追記に書いてあるように、このシミュレーションは正確でないことがあとでわかりました。
したがって、このシミュレーション結果は、実際とは大きく違っています。
シミュレーションの失敗例として、参考にしていただければと思います。


しかし、どうも怪しいと感じて、MMANAでシミュレーションしてみたら、10m程度の地上高は必要だという、当然の結果が出てきました。
以下にシミュレーション結果を示します。

なお私はMMANAについて全くの素人で、アンテナについてももちろん初心者なので、使い方に勘違いがあるかもしれません。
もし間違いにお気付きの方がいらっしゃいましたら、ぜひご指導お願いします。


3.5MHz ダイポールアンテナ(フルサイズ) 地上高8m

3.5MHz ダイポールアンテナ(フルサイズ) 地上高10m

7MHzダイポールアンテナ(フルサイズ) 地上高10m

W735の3.5MHzはローディングコイルの入った短縮タイプですが、ここでの検討はフルサイズで行いました。 
W735に使われているローディングコイルのデータはありません。見たところパイプに導線を巻いて防水処理しただけのように見えるので、巻き数を数えてパイプの径を測ればインダクタンスは計算できます。しかし、アンテナの定義が面倒そうなのでやめておきます。
フルサイズで検討すれば、基本的なことはある程度わかると思います。

《検討結果》
上に示した3例は、どれもほぼ共振していますので Z のリアクタンス分は小さいです。
したがって、ここで計算されたSWRは、アンテナがよく調整された時のSWRと考えてよいと思います。

それぞれの例の Z の抵抗分とSWRの値は以下の通りです。

        地上高   Zの抵抗分        SWR
3.5MHz  8mH      22          2.25

3.5MHz 10mH      32          1.59

7  MHz 10mH      81          1.62

これを見ると、地上高10mにアンテナを設置したときの3.5MHzと7MHzのSWRが同じくらいになり、およそ1.6です。1.6であれば、リグ内臓のアンテナチューナーで調整可能な範囲に入っています。
地上高をさらに下げてデータを取ってみたところでは、3.5MHzの場合抵抗分の数値がさらに低くなり、そのためにSWRはさらに悪くなってしまうようです。
逆に、7MHzのSWRは、もう少し地上高を下げた方がよい値になりそうです。

ここまで見てくると、W735のような2バンドダイポールの場合、両方のバンドでSWRを1.2程度まで下げることが本当に可能なのか疑問を感じます。
  
《 追記 》
  このブログの2020年1月19日の記事「ダイポールアンテナW735の設置と調整」に書いたとおりSWRは3.5MHz帯と7MHz帯の両方でちゃんと下がりました。しかも給電点が多少低くても大丈夫でした。

なぜ大丈夫だったかということですが、MMANAのマニュアルをもう一度見て見ると、こんな記述がありました。
 


「地上高が波長と比較してかなり低い場合は実際よりZが低めに出ます」ということです。

そして地上高10mは3.5MHzにとっては「かなり低い場合」に相当するようです。
したがってここでMMANAで計算した3.5MHzのインピーダンスやSWRは、実際の地面の値とはかなり異なるようです。
つまり、ここでのシミュレーション結果のうち3.5MHzのZとSWRは、ほとんど意味がなかったということです。
シミュレーションにはこういうことがあるんですね。


W735のバランはBU-50Aです。これの仕様もよくわかりませんが、たぶん(1:1)なのだとは思います。もし1:1以外だと、3.5MHzと7MHzで兼用することはできないように思います。

こんな検討をした結果、W735の地上高は、平均10m程度確保しておいた方が無難だろうということになりました。
アンテナは一度立てると、それを再び動かしたくはないものなので、少し手間でもよいものを立てておきましょう。
次は実際に張ってみることになります。これも試行錯誤の作業になりそうです。
今回はシミュレーションでしたが、実際に張ってみると、また考えが変わるかもしれません。

《 追記 》
このタイプのアンテナをエンド・ローディング・アンテナというようです。
アンテナ・ハンドブックに3.5MHz/7MHz2バンドタイプの仕様が載っていましたが、W735とはローディングコイルの先のワイヤーの長さが違います。ハンドブックは1mくらいですが、W735は2mくらいです。
ワイヤーが長くなった分、W735のコイルは小さくなっています。
このコイルは3.5MHzにとってはローディングコイルですが、7MHzにとってはトラップとして働いてくれるのだそうです。