巷ではGWに突入し、"渋谷"とかいうゴミ溜めの街は、寝る間もなく働いていた社畜達のユートピアと化しています。
"渋谷"は東京屈指のゴミな街です。夜になれば、ダメな大人達が、酒に呑まれ、薬物に狂い、通りはゲロとゴミまみれになります。
泥酔した汚い大人が道端にそのまま寝っ転がっているのですから、見ているだけで具合が悪くなってきます。
そんなダメな人間をさらに増やそうとすべく辺り構わず声をかける居酒屋やカラオケの店員、それに乗っかる浮かれた大人、性欲にまみれたナンパ屑、ゴツい外国人、アホな大学生の団体、ホームレス、警察官……そんな未知と汚物で通りは溢れ、無法地帯と化した街は凄まじい喧騒と異臭で、忠犬ハチ公も思わず涙がこぼれてしまいそうです。
ですが、GWはこのゴミ溜めの街に魔法をかけたかのように、キラキラとワクワクを人々にばらまいていきます。
しかし、騙されてはいけません。所詮渋谷は渋谷、蛙の子は蛙です。
笑顔の裏側には、壮絶な消費社会が潜んでいます。例えば、場違いな身なりの客が、高価なブランドを取り扱うお店に入ると、店員は早く出て行けと言わんばかりに冷たい視線を送ってきます。ところがどうでしょう、その客が100万円の束をチラつかせた瞬間、店員は手のひらを翻し、ねちっこい笑顔で駆け寄って来て、「何かお探しですか?」なんて寒々しいフザけたセリフを吐き捨てます。
DEATH&DEATH
これが渋谷です。
毎日が夏休みの大学生である私は、そんな浮かれた人々を横目にセンター街を行きます。
そんなゴミで溢れる街ですが、私の勤めるお店は唯一希望の光が差し込んでいるように見えます。
GWも構わずシフトを入れるような献身的な従業員が多く、その精神は業務中にも生かされています。
そして私は、フリーターになりたい。とつぶやきながら、夜の渋谷を汚い大人横目に帰るのでした。