「宮沢賢治を語る春風」
私は南からやって来たものです
海の匂いがするのはそのためでしょう
ゆっくりと東京の上空を舞い
いずれは北関東の山々に消えてしまうのです
暖かく感じるのは、もう季節が春に移るからでしょう
あなたの髪に悪戯したことをお詫びします
耳元に、私の囁きが聞こえましたか?
時折、勢いを増すのは空飛ぶ鳥に浮力を与えるためです
しかし、この季節、いつの間にか花粉やらなんやらで
みなさんにうとまれる存在になってしまいました
そもそも木を植えたのはあなたがたですから、ご勘弁下さい
それでも、東京のこもった空気を一掃し
桜の花びらが宙に舞うのを見るのは清々しくありませんか
さぁて、もう少し東京の上空を舞ってみましょうか
もし、あなたが空を飛ぶ鳥なら、
もう少し、ゆっくりお話ができたのでしょうが
ここでお暇致します。それでは


