一度読んでみたいと思っていました田山花袋の「蒲団」。


中島京子の「FUTON」と読んだ友人から、

元祖である「蒲団」のあらすじを聞かされ、

是非一度、

「いなくなった女学生の蒲団に顔を埋めて泣く先生」

は、いかなる人物か!?


と、想像力を膨らませていた私。


この本、良くも悪くも

「いなくなった女学生の蒲団に顔を埋めて泣く先生」

の姿に尽きるのでは。


が感想。


それ以外の部分は・・・

日本男児はこんなに薄っぺらいのか、みたいな。

(こんな生意気言える自分ではないですが)


蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)/田山 花袋
¥380
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先生のエゴな部分を写実的に表現したかった作品なんでしょうか。

ちょっと不味いんじゃ・・・。


おもしろければ、中島京子さんの「FUTON」も読もうかと思ったが、

おそらく気が向く兆しはなさそうだ。


残念あせる

今朝の通勤途中に、社長から借りていた「おそめ」を読み終わった。


おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)/石井 妙子
¥700
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最近は古典を読むことが多かったが、

こういった新しい作品、かつドキュメンタリーもなかなか良いものだ。


昭和の文豪をはじめとする著名人が足しげく通った、

京都と銀座のバーのママ「おそめ」の一生を書いた作品。


おそめこと上羽秀は、祇園に生まれ、新橋での仕込みの後、再び祇園に戻り芸妓として活躍。


その後、自宅の1階にバーをかまえ、全盛期には銀座と京都に2店舗もち、飛行機で2店舗を往復するマダムとなり、映画「夜の蝶」のモデルとなった女性。


藤純子の父親の奥さんでもある。


女性の一生を綴った作品は、昨日の記事の「ボヴァリー夫人」もそうだが、

女の私としては、非常に興味深い。


そして、花柳界や夜の世界、オンナとしての生き様にも興味をそそる。


宮尾登美子の小説も好きだが、実在する人物だけに良さが違う。



このおそめさん、

結局、あれだけ拡大したバーは閉店し、

晩年にして家庭に収まり、五十数年連れ添った旦那と籍を入れる。


彼女が貫いたことは、

一人の男を愛し続け、添い遂げた。。。ということ。


自己啓発本にも「志を貫け」とか、「あきらめるな」とか色々かかれてますが、

このおそめさんは、それらの本には例として挙げられない事柄で、それを自然に全うした風に取れた。

(まだご存命ではあるようですが)


素敵なお話だった。


そして、この著者の石川妙子さん、

新聞記者で、まだまだお若い方のよう。


彼女の優しく、簡潔な文章も好きだ。

他にももっと書いて欲しい。

お貸していた、フローベールの「ボヴァリー夫人」が手元に戻ってきました。


ボヴァリー夫人 (新潮文庫)/フローベール
¥700
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これを初めて読んだときは、衝撃的でした。

フローベールって男の人なのに、こんな風に女性を描けるなんて!!

人間観察が得意で女心を分かっている男性なのでしょう、フローベールさんは。


借りて読んでくれた友人も、同じようなことを言ってました。


この本は、田舎育ちだけど、教養のある誇り高い主人公の女性が、

現状に満足できず、苦しみながら、負のスパイラルにはまってゆく悲しいお話。。。



充分な教育を受けた美しい娘

バツイチの田舎医者と結婚

単調な結婚生活が楽しくない

本格的な恋愛を経験

散財や空想で虚栄を満たしたり

不倫で心を満たそうとしたり

結局、思うようには行かず悲しい結末へ




写実主義の文学といわれるだけあって、格好つけない非常にリアルな表現でつづられていて、分かりやすいを通り越してます。


理想と現実のギャップに苦しみ、

どうしても周りとの波長が合わなかったりしょぼん


欲望に歯止めが聞かなくなったりプンプン


順応することが幸せだと自分に言い聞かせ、幸せそうに振舞ってみたりショック!


自分の表と裏を無理やり作って、上手く立ち振る舞おうとしたりガーン



「身から出たさび」は否めないものの、19世紀なかばのフランスのお話だけに、

女性が自分の思うように、ライフスタイルを構築できない環境でもあったのでしょうか。



こういうリアリズム系の文学に触れる度に感じますが、


「他人事とは思えない!!


彼女は、どうすれば、一番幸せだったのか・・・なんて、あらためて考えてみましたが。。。

この環境下では、多くを求めず現状に満足ひらめき電球が、ベストな気もしないではないですが、

そんなの出来るくらいなら、最初からやってるんでしょう。


大体、華やかなものが好きで、理想も高く、恋愛体質、行動派・・・という人格がそもそもの不幸の発端。

そこから、どう、順応していけるのか・・・おそらく、並みのショック療法では間に合わないはず。


きっと、なるようになったのでしょう。

ある意味大往生、色々やった悪あがきも必要なことで、彼女はこれで良かったのでしょうパンダ