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何を書こうかなぁ?と考えていたら友人イマピの顔が思い浮かびました。
イマピは21歳でお空へ帰りました。
イマピとは高校の部活が一緒でした。
当時はまだ吹奏楽部でしたけど、ジャズバンド部へと移行しているときで一緒にジャズを演奏したのです。
私はテナーサックス。
みえ仲間の中ちゃんはアルトサックス。
イマピはベース。サラツヤロン毛で美脚の持ち主。カッコいい女子でした
高校を卒業してイマピは就職しました。
部活の仲間と集まるときにイマピは仕事が忙しく会えませんでした。
ある日、友人から『イマピが職場で倒れて入院してる。意識がないままやねん。』と連絡をもらい翌日の午後にお見舞いに行きました。
でもその日の午前中にイマピは亡くなっていました。ひと足遅かったのです
病室にはイマピの体だけで、魂はどこかへお出かけ中なのかみえませんでした。
その日の夜。夢の中で私の後ろから誰かが走ってきて前まで来ると立ち止まりました。
後ろを振り返り、ニコニコ笑うイマピでした。セーラー服を着ています。
モジモジして何か話したそうなんですが消えてしまいました。
お通夜には行けず、葬儀に参列しました。
棺桶の横に立っているイマピの姿を発見。たくさんの参列者にご挨拶をして忙しそうでした。
葬儀が終わり「末期の湯灌」をするとのことで家族の方達が移動されていました。
ほとんどの方が納棺の前にするらしいですけど、時間の関係で葬儀の後になったそうです。
私は友人達と『帰る?これからお茶でもしようか?』と相談していました。
イマピのお母さんが、『よかったら一緒に湯灌も見ていって?』とお声をかけてくださいました。
遠慮したほうが良いのかなぁ?と思っていたら、イマピが走ってきて
『まだ帰らんといて!久しぶりなんやからまだおってよ~!』と言うもんだから「末期の湯灌」も見学させていただくことにしました。
イマピと並んで移動します。
『昨日、中ちゃんが来てくれてん。キンクマちゃんもみえるからって教えてもらったよ。久しぶりに会えたのに、こんなことになってまうとは・・でも話ができる人がいてめっちゃ嬉しいねん。』
中ちゃんは仕事で葬儀は出れないとのことでした。お通夜でイマピと話をしたそうです。
会館スタッフの方が「湯灌」の準備をされていました。
『イマピ、今からお湯に入るんやろ?体に入ってきたらどう?』
『あぁ、う~んもう体には入られへんねん。』
『えっ?そうなん?せっかくのお湯やのに。しばらくお風呂にも入られへんかったやろ?あの~誰か!お湯に入れるように取り計らっていただけませんか?お願いします。』そらに向かって問いかけてみました。
すると、キラキラとしたモノが現れました。
『そなたが責任を負うか?』
『責任を負うとはどういうことですか?』
『・・・』答えてはくれません。
『お嬢、イマピ殿が体に入れたとして もし出るのをごねたらお嬢の責任になります。必ず体から出ると約束をし、もし出ない場合はお嬢が引っ張り出さなければいけません。できますか?』
『えっ?私の責任になるの?イマピ、出てこれるやんなぁ?これが最後のお風呂やからスッキリしといでよ。』
『オッケー』と言うのにその場から動きません。
『こら、動くのだ!急げ!』私の眷属さん達に急かされてイマピ走りました
体にスルッと入り無事にお湯につかれました。
このとき、イマピの幽体には針のようなモノがたくさん刺さっていました。
この針は、生きている間に犯した罪なのです。
人が死ぬと108本の針が刺さると聞いたことがありましたが108本どころではありませんでした。
イマピはよい子です。
仏教徒(S会)でしたし、人様にご奉仕する。ご迷惑をかけたらいけないと育てられていました。
まだ若しね、そんな悪いことなんてしてないと思うのですが数え切れない程の針でしたよ。
『湯灌』を終えたとき、刺さっている針の数は変わりませんが短くなっていました。
長さ10cmが5cmになっているようにみえました。
この針、死後の裁きで1本ずつ抜いてもらえます。罪を確認されるんですよ。
イマピにお湯の感想を聞いてみると
『気分は良い感じやねんけど、あのシャンプーがあかんわ髪の毛ギッシギシやな!家のん使ってほしかったわ。』でした髪を大切にしていたイマピらしい感想です
『何か伝えたいことや心残りはある?』
『それな!もう聞いてよー!!』
いろいろと話してくれました。
マシンガントークのようにこんなにしゃべるイマピをみたのは初めてでした。
そりゃ話せる人がいないからなのかもしれませんけどね
お母さんとお姉さんに謝罪をしたいのと、お父さんに会いたいと言いました。
お父さんは病気ですでに他界されていました。なのにまだ会えていません。
仏様にお願いをして聞いてみると、低い層にいらっしゃるようで迎えにこれないとのこと。お救いしたいと思い仏様に救済をお願いしました。
その間に、お母さんにイマピの言葉をお伝えしました。
母『今さらそんなこと言われても・・なんでそのときに言わへんのよ。』
泣きながらすごく怒ってました。
イマピの代役で私が叱られましたわ
姉『そんなこと もうええねん。私こそごめんなぁ・・こんなことになるんやったら喧嘩なんかせんかったらよかった。意地張ってごめん。』号泣してました。
『お兄さんには言うことないんだって。』
兄『ないんかーい!俺は小さい頃から妹を可愛がったぞ。まぁ、らしいっちゃ~らしいな。』って笑ってました
男性が現れました。
仏様がお父さんを連れてきてくださいました。
光明真言を唱えよと言われました。
何度も何度も。何回唱えたかわかりません。
お母さんやイマピも唱えてくれました。
お父さんの黒いモヤが晴れました。
イマピを抱き締めて娘との再会を喜んでいらっしゃいました。
イマピはとても愛されていました。
あと1つ、イマピの願いは棺桶に生花を入れてほしいとのことでお母さんにお伝えしました。
S会の方針で生花を入れないのだそう。
でも娘の願いならとスタッフの方に手配をお願いをしました。
供花が届いていたので、それを棺桶に入れました。私と友人達もお手伝いしました。
そうして花がいっぱいになったイマピを見送ったのです。
あれから30年程たちました。
ときどき同窓会報が届きます。
そこにはいつもイマピの名前が載っています。寄付をすると名前が載るんです。
毎回、家族の方が寄付をされています。
イマピがお世話になった高校に感謝します。
これを見たお友達はイマピを思い出してくれるかしら。あの娘は生きていましたよ。
そんなメッセージが込められています。
覚えていますとも
懐かしいね。と思い出すのです