高校生の頃。
8歳年上の姉は、大学に勤めていました。
大学の教授の助手をしていたのですが、教授が定年退職になり姉も退職することになりました。
姉の趣味は、バイクツーリング。
休みの日は、バイクに乗ってどこかへツーリングに行っていました。
3月末で退職となり、4月は失業保険の手続きであまり動けず。
5月から日本一周に行ってくる~とバイクで出掛けてしまいました
四国に、九州、沖縄へ行き、北海道も行きました。
北海道がとても気に入ったらしく、数ヶ月間滞在していました。
冬が来る前に帰ってきました。
姉が家で荷解きをしていると、ツーリングバックから、白くてフワフワしている毛玉みたいなものが出てきました
まっくろくろすけの白いバージョンみたいなものです。
『まっしろしろすけ?』
『お嬢、まっしろしろすけとは何ですか?ケサランパサランですよ。まぁ、どちらも架空の生き物とされていますけどね。』
『へぇ~ケサランパサランって言うねんや。かわいいなぁ。』
白いハムスターがワラワラといる感じです。
小人の姿になりました。
複数。
とんがり帽子をかぶってました。
『我らの住みかに帰るのであろう?』
『いやいや、ここが家やから、また北海道に行くのかわからんよ。』
話がなかなか噛み合わなかったのです
しばらく話し合いました。
姉に、また北海道に行くのかと確認したら
『春になったらまた北海道へ行くで。しばらく向こうで暮らすつもり。移住したいくらいや。』と言いました。
コロポックル達に伝えると、安心したようでそのときが来るまで家に滞在していました。
その間は、姉のライダージャケットのポケットが住みかになっていました。
ワラワラとポケットに入っていく姿が可愛かったのです
春がきて、姉はまた北海道に行き冬が始まる前に帰ってきました。
また数人コロポックルがついて来ていました。
コロポックルは、荷物をたくさん持っていました。
姉のから離れたくなかったそうです。
一緒に暮らす準備を持って来ていました。
姉が結婚をして実家から出ていくとコロポックルの姿はなくなりました。
今も姉の家で暮らしているのです。
神戸に住んでいます。
姉はみえない人です。
私が20代後半頃。
姉は静岡、京都へと何度か引っ越しをしています。
今の家、神戸に引っ越して来たので遊びに行きました。
家にある物がよく消えたり、消えた物がこんなところから出てきたと不思議な現象がよくあるそうです。
それは、ヤツらが動かしてるからなぁと言うにも言えず
小さいおじさんの話を書いたときに、あのとんがり帽子が懐かしいなぁと思い出したのでした