小学4年生の夏休み、父と姉と私の3人で四国お遍路に行きました。


当時はまだ四国へ渡る大橋がありません。


明石から船に乗って四国へ渡ります。


車ごと船に乗り込み、いざ船の旅へ。


船の甲板に出て海を眺めていると、海の中から白くて大きなスノーマンのような者が出てきて船と並ぶように泳いでいましたびっくり


あれって何なの?海坊主?謎のままです。


『守護しよう』スノーマンから聞こえます。


お礼を言うと消えました。

心臓がドッキンドッキン興奮していました。

海の神様だったのかなぁ?


四国へ上陸。


車なので1日に何ヵ所か行けます。


まずはスタート地点、1番  霊山寺


門をくぐるとお坊様が。空海さんです。


私はお大師様と呼ばせていただいています。


『よう来た。さぁまいろうか。』


人が沢山並んでいます。

参拝するのにこんなに並ぶのか?驚きでした。


私の番になりました。

お大師様が隣にきて、お作法を教えてくれました。


『般若心経は読めるな。』


『はい。お寺の住職に平仮名で書いてもらった紙があります。見ないと読めません。』手に持って読みました。


『見なくても読めるようにするのだぞ。』


『はい。』私はうか様のことを言えずにもじもじしていました。


『何か言いたいことがあるのだろう?』


『はい。京都の伏見稲荷に行きました。うか様から、四国から狐を追い出したことを聞きました。もう一度、うか様に四国を守らせてはもらえませんか?狐を四国に入れてもらえませんか?』勇気を出して交渉しました。


『それはできぬ。多くの者が関わっておるのだ。わしの一存ではどうしようもない。』

あっさり断られました。


『どうしてもダメですか?』


『ダメじゃ。』お大師様は消えました。


悔しくて悔しくて、泣きましたえーん


私では何の役にもたてません。


ブログを書いてる今でも当時を思い出して泣けてきます。



父の仕事の都合、1泊しか出来ません。

夏休み中に数回に分けてお遍路をしました。


回りきれず次の夏休みに持ち越し。

小学5年生の夏休みで88ヶ所を終えました。


お大師様に会うたびに、うか様のことをお願いしましたが聞き入れてはもらえませんでした。


お遍路が終わり、今度は高野山へ。


まだ女人禁止でした。


姉と決めていました。

男の子に変装して高野山に入る!


髪を短くカットして帽子をかぶり、ズボンを履き、ちょっとがに股に歩く。


高野山 奥の院に入りました。

お大師様は、困り顔でしたが入る許可をしてくれました。


お参りをしてお願いをします。


うか様に四国を守らせて下さい。

狐達を四国に入れて下さい。


一生懸命にお願いしました。

涙がポロポロ出てきて止まりません。


『願いを聞き入れることは出来ぬ。このままでは出来ぬ。』声が聞こえてきました。


『何で?仏様やろ?願いごと聞いてくれるんやろ?』


『大きな対価があるのだ。対価を支払えておらぬ。』


難し過ぎて私には分かりませんでした。


悔しくて悲しくてこんなちっぽけな私に何が出来るんだ!泣けて泣けて仕方がありませんえーん


周りにいる人達が号泣している私を見て寄ってきました。


お坊様が来てくれて(本当に生きてる人)、対価という意味を教えてくれました。


対価とは、目に見えないお金のようなもの。


うか様にとっては借金のようなもの。

莫大な借金をつくってしまったのです。


お大師様が

『どうじゃ。諦めるか。ダメだと言われて諦めるのか?』


『諦めたくないです。どうすればよいですか?』


『自分で考えよ。何をすればよいか考えよ。』スッと消えました。


うか様の借金を返すため何が出来るか?

考えても分かりません。


でも私はやる!やってやる!

強く心に思いました。


すると私についている龍達(白龍、青龍、緑龍、黒龍)や眷属達(ムカデ、虎、狐、狛犬、鳥など)が集まってきました。


『お嬢!いや主!我らに命令して下さい』

みんな片膝を立てて座って頭を下げています。


『我らに命を!』


私は何を言われているのか分かりません。


『お嬢、ここは手伝ってと頼むところですよ。』


『あぁ~、そういうこと!皆、うか様の願いを叶えるために手伝って!手伝いなさい!』


『御意』


皆で協力して借金返済計画をたてることになったのです。


続きます音譜