退社・入社Q&A

 

Q退職する際、健康保険や年金関連で受け取るべき書類はいくつですか?

 

A一般的には以下の6つのうちのいずれかです。

 

退職にあたっては、勤務先の会社が社会保険の資格喪失の手続きをしてくれます。指示に従って、必要な書類の作成や健康保険証の返却をしてください。手続き終了後に会社からもらう書類は以下のとおりです。

【雇用保険の失業給付を希望する人】
1.雇用保険被保険者離職票-1
2.雇用保険被保険者離職票-2
3.雇用保険被保険者資格喪失確認通知書
4.雇用保険被保険者証
5.年金手帳(基礎年金番号通知書)
6.厚生年金基金証書など(会社が基金などに加入している場合)

また、失業給付を希望しない場合は、1.2.の書類は受け取る必要がありません。1.2を受け取る場合には、3は発行されません。4.5.6については、会社で保管せずに、入社直後の手続き終了時に、会社からすでに手渡されている場合もあります。

なお、雇用保険被保険者証や年金手帳をもし紛失していれば、ただちに再発行の手続きが必要です。退職前であれば、会社が手続きしてくれますが、退職後であれば自分で行います。

自分で行う場合には、雇用保険の被保険者証は公共職業安定所、年金手帳は年金事務所(住所地管轄)に必要書類などを問い合わせてみましょう。

 

 

 

Q退職後、健康保険や年金は、どんな手続きをすればいいですか?

 

A1日も空かずに転職する場合は、再就職先で手続きするだけです。

 

退職後、1日も空かずに新しい会社に入って働く場合、前職とのブランクが生じませんので、労働者は雇用保険被保険者証と年金手帳、マイナンバーなどその他必要な情報を転職先の該当部署に提出するだけです。

一方、再就職が先になり、ブランクが生じる場合には、退職前の会社で健康保険の任意継続の手続きを行うか、家族の健康保険の被扶養者になるか、国民健康保険に加入する必要があります。

年金については、あなたが会社員の配偶者(夫または妻)の健康保険上の被扶養者(第3号被保険者)にあたる場合は、配偶者の勤務する会社で第3号被保険者の手続きを依頼してください。それ以外は、自分で市区町村役場に行って国民年金に加入する手続きをしてください。

 

 

 

Q雇用保険被保険者証の裏面にある「二重の交付を受ける」とは、何ですか?

 

A「2つ以上の企業で被保険者になる」ということです。

 

雇用保険被保険者証の裏面の注意書きにある「二重の交付を受けると、不利な扱いとなることもあるので注意すること」というのは、「2つ以上の企業で被保険者にならないこと」、「雇用保険被保険者証を紛失したら、すぐに再発行し、再就職先に必ず提出すること」を守ってくださいという目的で書かれたものです。

雇用保険は、被保険者期間を通算して給付額を決定するシステムになっています。雇用保険被保険者番号はその管理番号です。つまり失業給付の手続きをすると、番号をもとに職業安定所でデータ検索し、期間を確認して失業給付の額を決定してくれるのです。

通常、雇用保険被保険者番号は各個人に対して1つだけ。ところが、何らかの理由で2つ以上の番号を持ってしまうと、短い被保険者期間の番号が手続きに使われ、もう片方の番号で被保険者だった期間がカウントされず、失業給付の額が少なくなってしまう可能性があるのです。それが、ここでいう不利な扱いという意味になります。

ちなみに2つ以上の雇用保険被保険者番号を持つケースとして考えられるのは、2つ以上の企業で働いたことのある人や、雇用保険被保険者証を紛失した後、再交付の手続きをせずに再就職して新規扱いになった人です。なお、自分の番号の状況が気になる人は、ハローワーク(職業安定所)に問い合わせると確認できます。

 

 

 

Q出向中は、どこの就業規則が適用されるのですか?

 

A多くの場合、最初に取り決めた出向契約の内容によって異なります。

 

出向とは、出向元の会社に籍を残したまま、出向先の指揮命令下において労働することです。出向する労働者がどちらの就業規則に従うのかは、最初に三者間で取り決めた出向契約の内容によって異なります。

一般的には、定年、退職、解雇のような身分に関わる事項は出向元、服務規律や労働時間、休憩、休日、休暇といった勤務に関する事項は出向先の就業規則が適用されることが多いようです。

 

 

 

Q理由のない解雇も、法的に認められるのですか?

 

A合理的な理由がない限り、一方的な解雇は無効です。

 

合理的な理由がない場合は無効です。法令等で厳しく規制されている解雇理由の主なものをあげておきます。

1.国籍・信条・社会的身分を理由とする解雇
2.業務災害・産前産後休業期間中およびその後30日間の解雇
3.監督機関への申告を理由とする解雇
4.女性であること・婚姻・妊娠・出産・産前産後休業の取得を理由とする解雇
5.育児休業・介護休業の申し出、取得を理由とする解雇
6.労働組合員であること等を理由とする解雇
7.公益通報をしたことを理由とする解雇

上記以外の理由による解雇については、「合理的な理由が無いものは無効である」という内容のみで、法令等の明確な制限がありません。まずは、会社に解雇理由を確認し、解雇を撤回してもらえないか交渉してみましょう。

それでも無理であれば、都道府県労働局に設置されている総合労働相談コーナーで相談したり、紛争調整委員会にあっせん等の申込みをするなど試みるとよいでしょう。それでも解決ができない場合には、労働審判制度による労働審判や、民事訴訟制度による裁判に委ねるなどの方法があります。

 

 

 

Q契約社員から業務委託契約になった場合、何が変わりますか?

 

A業務委託契約になると、会社との従属関係が大きく変わります。

 

契約社員は、会社に所属することになる「労働契約」の一種ですから、解雇・労働時間・休暇・休日、妊産婦への配慮といった労働基準法上やその他労働法の保護を受けられます。同時に、社会保険(労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険)の適用も発生します。

一方、業務委託契約は、会社に所属する労働契約ではなく、業務内容を完成させることや一定の事務処理を行うことを約束して、会社から個人へ業務を委託するという契約です。

業務の範囲は、予め契約で定められたものに限られ、委託された業務はいつどこで行っても原則自由で、指揮命令を受けることがありません。しかし、拘束されない反面、労働契約ではありませんので、労働者として保護される法律の適用がありません。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、会社が提示してきた「業務委託契約」の内容をよく確認し、納得できるかどうかを十分検討することが大事です。

 

 

 

Qパートにも正社員用の就業規則が適用されるのでしょうか?

 

A正社員とは異なるパートタイマー用の就業規則が適用されることが多いです。

 

法律では、常時働いている労働者が10人以上いる場合は、就業規則の作成が義務付けられています。 この場合の労働者とは、その職場で働いている者すべてを指します。よって、正社員用の就業規則しか無ければ、それがそのままパートにも適用されます。

ただし、企業によっては、パートタイマー用に就業規則が作成されていることが多くあり、その場合には、正社員用の就業規則は適用されず、パートタイマー用の就業規則が適用になります。パートとして採用される際に、個別の労働契約書や労働条件通知書を交わしますが、同時に、パートタイマー就業規則の内容も適用されます。

就業規則は会社と従業員との間の大切な契約内容です。ただし、10人以上の会社で作成が義務付けられているにもかかわらず、明文化していない企業も少なくないので、入社時に確認しておくことをおすすめします。

 

 

 

Q定年(60歳)後もそのまま再雇用就職すると、社会保険はどうなりますか?

 

A新たに結んだ労働契約によって変わります。

 

今までと同様の雇用形態、労働条件であれば、労働保険・社会保険の加入状況は変わりませんが、再雇用就職の際、新たに労働条件を見直した場合は取り扱いが変わることがあります。

例えば、「1日又は1週間の所定労働時間」又は「1カ月の所定労働日数」が通常の労働者の4分の3未満になると、健康保険と厚生年金保険の被保険者資格を喪失します。

また、給与が下がる場合には、使用関係が一旦中断したものとみなして、同日に被保険者の資格を喪失し、被保険者の資格を取得(同日得喪)することが可能です。

これによって、下がった給与額がすぐに社会保険料(標準報酬月額)に反映され、保険料の負担が軽減されます。この取扱は、60歳以上で、定年又は定年以外の退職後継続して再雇用(有期労働契約の更新含む)される場合に適用されます。

勤務先の会社で、雇用保険、健康保険と厚生年金保険の被保険者資格や同日得喪の取扱について確認してみてください。