ビタミンP

〔英:vitamin P〕

 

概要

 

▸ビタミンPは水溶性のビタミン様物質で、ルチン、ヘスペリジン、エリオシトリンなどの総称。


ルチンはイチジクやソバに含まれるポリフェノールで、ヘスペリジンは柑橘類に多く含まれるポリフェノール。


毛細血管の強化」「抗アレルギー作用」「抗酸化作用」発がん抑制作用」「血流改善効果」「血中コレステロール値の改善効果」などの働きがあるとされる。

 

解説

 

毛細血管を強くする働きがある
酸素や栄養に対応する毛細血管の透過性を適度に保つ働きがある。

・ビタミンPが欠乏して毛細血管の透過性が良化し過ぎると、細菌が侵入しやすくなったり、出血を起こしやすくなるいう症状が現れる。


血中中性脂肪を分解する働きがある
・中性脂肪が増えてくると、善玉コレステロール(HDL)が減少し、悪玉コレステロール(LDL)が増えてくるため、「心筋梗塞」「動脈硬化」「脳血栓」のリスクが高まる。

・ヘスぺリジンの作用は、血中中性脂肪を分解し、生活習慣病を予防する働きがあるとされる。

血流の改善に貢献する
血圧の上昇は血管の収縮により起こりますが、収縮状態が続くと高血圧となる。

・収縮状態の継続防止にビタミンCが効果的ですが、ビタミンCは壊れやすいという性質がある。

・ビタミンPには、ビタミンCを安定化させる作用があるため、血流の改善に貢献する。

アレルギー症状を和らげる
・アレルギー反応において血管透過性を抑制することから、アレルギー症状(アトピー性皮膚炎、花粉症など)を和らげるとされる。


発がんを抑える効果がある
・ヘスぺリジンの作用に、「胃癌」「大腸癌」「食道癌」口腔癌」の発生を抑える効果があるとされる。


認知症の予防に貢献する
・抗酸化作用の働きによって、脳細胞の酸化を防止し活性化させることから、認知症の予防に効果があるとされる。

糖尿病を予防する働きがある
・ルチンは、すい臓を保護しインスリンの分泌を促進することから、糖尿病の予防に効果があるとされる。 

 

過剰摂取や欠乏による症状 

▸ビタミンが不足した場合、通常は欠乏症の症状が見受けられますが、ビタミンPの場合は欠乏症が見られないため、ビタミン様物質とされる。