クルクミン

〔英:curcumin〕

 

概要

 

▸クルクミンはポリフェノールの一種で、カレーのスパイスであるウコン(ターメリック)の黄色色素。


▸抗炎症作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用などが知られている。


▸カレーを食す習慣があるインドでは、アルツハイマー病患者が人口比率に対して少ないというデータがある。


クルクミンを摂り入れることで、脳の老人班の面積が減少(アルツハイマー病の特徴)したというマウスによる検証があることから、アルツハイマー病の予防に貢献することが期待される。


▸ウコンには、紫ウコン・春ウコン・秋ウコンなどがあり、これらは種類や産地によってクルクミンの含有量が異なり、秋ウコンが含有量の多いものとなる。

 

解説

 

強い抗酸化作用を備える
・クルクミンは、ビタミンEの10倍の強い抗酸化作用を持つとされ、体内でテトラヒドロクルクミン(無色)へと変換されることで、さらに強力な抗酸化作用を発揮する。

抗炎症・抗がん作用に貢献する
・アラキドン酸(必須脂肪酸)の代謝の阻害、プロスタグランジンE2(PGE2)のレベル低下を招くことで抗炎症作用を示すとされ、この働きにより抗がん作用も見込まれる。

抗がん作用においてのクルクミンの機能は、がん化の要因とがん細胞の成長増殖過程の両段階を抑制するということで、乳がんをモデルとした検証で示唆される。


肝機能を高める働きがある
・クルクミンは、胆汁の分泌を促進する作用や、肝臓の解毒作用を強化する働きを備える。

・胆汁の分泌が活発になると原料のコレステロールが消費され、脂肪の消化吸収が改善される。

美肌の維持に貢献する
クルクミンには、メラニン色素を生成するチロシナーゼの活性抑制の他に、「ヒアルロン酸分解酵素の抑制」「コラーゲン分解酵素の抑制」などの効果があり、美肌の維持に貢献する

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸ウコンを過剰摂取した場合、肝機能障害を引き起こすことがある。