コ10(エンザイムQCoQ10)

〔英:CoenzymeQ10、Ubiquinone (UQ)〕

 

概要

 

▸コエンザイムQ10(CoQ10)は、細胞のミトコンドリアに存在し、エネルギーの大半を生み出す補酵素

▸エネルギーを必要とする心臓、肝臓、腎臓、副腎、膵臓などに特に多く含まれる。


▸生物界に広汎(ユビキタス)に分布するキノン構造を備える物質のため、ユビキノンとも呼ばれる。

▸ビタミンと酷似する働きを備えるビタミン様物質であることから、ビタミンQとも呼ばれる。

▸アセチルCoAからコレステロールが生成される過程で合成され、「エネルギー産生」と「抗酸化作用」の2つの働きがある。


▸日本では1970年代から心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの治療薬として用いられ、2001年に食品成分としての使用が許可され、サプリメントとして普及する。

 

解説

 

ATPの生成に関与する
・コエンザイムQ10はミトコンドリアに多く含まれ、エネルギーの要素となるATP(アデノシン3リン酸)の産生に補酵素として関与する。

抗酸化作用の働きがある
・体内に入ると酸化型から還元型へと変化し、強い抗酸化作用を発揮する。
老化や生活習慣病の原因となる活性酸素から体を保護する。

・抗酸化作用があるビタミンEの働きもサポートする。

生活習慣病の予防に貢献する
・悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制することで過酸化脂質を抑え、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の予防に貢献する。


疲労を回復する
コエンザイムQ10が体内で十分に存在している場合、効率よくエネルギーが生み出されるため、疲れにくい体が維持される。

肌の老化を防ぐ働きがある
・コラーゲンを生成する皮膚の細胞を活性化させる働きや、肌のターンオーバーを適正化する働きがある。
たるみやシワなどの老化現象を改善し、若々しい肌を保つ働きに貢献する。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸欠乏した場合はATPの産生が留まり、細胞数の減少や細胞の機能低下により、疾病や老化につながる。


▸肩こり、冷え、肌の衰え、倦怠感、疲労感、免疫力の低下などの症状が現れる。


▸抗酸化作用が衰えることで、酸化に伴う様々な障害を発症しやすくなる。

▸過剰摂取した場合は、食欲抑制、吐き気、胸焼け、胃腸不快等の症状を引き起こすことがありますが、1日数回に分けて摂取することで、これらの症状を最小限に留めることが可能とされる。