α-リポ酸

〔英:lipoic acid、thioctic acid〕

 

概要

 

▸α-リポ酸は、チオクト酸とも呼ばれる含硫ビタミン様物質で、古くから水銀中毒の解毒剤として研究される。

▸体を形成する約60兆個もの各細胞1つずつに存在し、生命を維持する上で必要なエネルギーを生み出すための補酵素として働く。

▸生体機能に欠かせない成分ですが、体内で合成できるため、厳密にはビタミンではなくビタミン様物質となる


▸強力な抗酸化作用を備え、老化現象の一因となる活性酸素から細胞を保護し、健康な体を保つ働きに貢献している。

 

解説

 

抗酸化作用を備える
・α-リポ酸には高い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働きがある。

・抗酸化力を備えるビタミンCやビタミンEの約400倍もの強さがあるとされる。

抗酸化物質の再活性化に貢献する
・ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、コエンザイムQ10などが抗酸化力を失った場合、α-リポ酸はその力の回復をサポートし、再活性化に貢献する。
 

糖の代謝を促進する
・α-リポ酸は、一番エネルギーになりやすい糖質の代謝に深く関与する。
抗糖化力を備え、糖質をスムーズに代謝することにより糖化を抑える。


疲労回復に貢献する
・α-リポ酸は、ミトコンドリアが効率よくエネルギーを生み出すために必要な成分である。
α-リポ酸を補うことで疲労を回復させる効果があり、常時エネルギーが生み出されることで体を活発に動かすことができる。


糖尿病を予防する働きがある
・α-リポ酸は、糖がスムーズにエネルギーとして用いられるよう補助し、血糖値が上昇しないようにコントロールし糖尿病を予防する。
・糖尿病の合併症である白内障や糖尿病網膜症を予防する効果もある。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

加齢につれα-リポ酸は体内で生成される量が減少するため、欠乏した場合はエネルギーが生み出されにくくなり、疲労を起こしやすくなる。


▸過剰摂取した場合は、発疹が現れることがある。

▸インスリン自己免疫症候群(IAS)による低血糖発作を引き起こす可能性がある。※IASとは、インスリンの注射歴がないにも関わらず、インスリンに対しての自己抗体が出来て、その抗体に結合したインスリンが遊離することで低血糖発作を引き起こす症候群のこと。

▸α-リポ酸を摂取した際に、手足の震えや冷や汗などの症状が現れた場合は、速やかに摂取を避け医師の診察を受ける必要があり、その際にα-リポ酸を含有した健康食品を摂取していた旨を必ず伝えるようにする。