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DHA
〔英:Docosahexaenoic acid〕
概要
▸DHAは魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸で、体内ではα-リノレン酸から生成される。
▸脳のリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分で、神経細胞の細胞膜を柔軟にし、樹状突起の増加や軸索の成長を促進して、脳・神経系の健全性を保つ役割に貢献している。
▸血管壁を構成する赤血球や細胞などの細胞膜を柔らかくすることで、血流を改善する。
▸魚類を含む日本の食生活習慣によりDHAの摂取が保たれますが、近年では魚食の減少によりDHAの摂取量が減少傾向にある。
解説
◆記憶力や判断力を向上させる働きがある
・学習や記憶に関わる脳内の海馬にDHAが多く集まっており、学習機能や記憶にDHAが関与しているとされる。
・乳児の機能的な発達と脳の成長に、DHAは欠かせない物質となる。
◆神経細胞を修復する働きがある
・DHAは神経細胞を修復する働きを助けるとされ、老人性認知症への効果も見込まれる。
◆生活習慣病を予防する
・悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減少させて、善玉(HDL)コレステロールを増やす働きがある。
・善玉コレステロールが増えることで、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の予防に貢献する。
◆視力を回復する効果がある
・DHAは目の網膜に含まれる脂肪酸の約40%を占める。
・DHAを摂取することで、動体視力や近視の改善に効果を示すとされる。
過剰摂取や欠乏による症状
▸DHAが不足した場合、脳内のセロトニン量が減少し、多動性障害を発症することがある。
▸魚の消費量が多いほど、うつ病・躁うつ病・産後うつ病にかかりにくいとされる。
▸妊娠・出産期には産後うつ病を予防するために、DHAを含むオメガ3脂肪酸を十分に摂取する必要がある。
▸過剰摂取した場合は、鼻血、吐き気、軟便などの症状が現れることがある。
▸1日3gを超える量のDHAを摂取した場合は、血液凝固を低下させ、出血を招く危険度が高まる可能性がある。