EPA

〔英:eicosapentaenoic acid〕

 

概要

 

▸EPA(エイコサペンタエン酸)は、イワシなどの青魚の脂肪に含まれる必須脂肪酸の1つ。

▸体内で合成することができないため、食品から摂取する必要がある。

▸血栓を予防する成分が多く含まれ、血液の流動性を改善する作用がある。

アトピー、アレルギー、動脈硬化、脂質異常症(高脂血症)、認知症などの予防や改善に貢献する。


血圧を低下させる働き、うつ症状に対する効果も見込まれる。
 

解説

 

血栓を予防する
・血液の固まりを抑え、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症の予防と改善に貢献する。


善玉コレステロールを増やす働きがある
善玉(HDL)コレステロールを増加させ、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減少させる働きがある。
血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や高血圧の予防や改善に貢献する。

炎症を抑制する
免疫力を高める作用や抗炎症作用がある。
・炎症の際の白血球を活性化する因子の働きを制御し、病気の抑制・改善に貢献する。


アレルギーを和らげる働きがある
・EPAには、アレルギーを促進する酵素を阻害する作用を持つとされる。
喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の緩和に効果があるとされる。


精神の安定化に貢献する
・情緒を安定化させる働きがあり、うつ症状の改善に貢献する。

早期治癒の働きがある
EPAを術前に投与することで、術後の創傷の治癒が促進するとされる。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

EPAは魚食の減少により不足し、欠乏した際は動脈硬化や心疾患などを引き起こしやすくなる。


▸過剰摂取した場合は、吐き気、げっぷ、鼻血、軟便といった症状が現れることがある。


▸EPAが含まれる魚油を1日3g以上摂取した場合は、血液凝集能が低下し、出血のリスクを高める恐れがある。