分岐鎖アミノ酸
〔英:branched-chain amino acids(BCAA)〕
概要
▸分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、側鎖に枝分かれした炭素鎖を備えるアミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類がある。
▸体のタンパク質を増進し、運動時のエネルギー源の重要な要素として貢献する。
▸筋肉やスタミナの維持に効果があり、筋肉疲労の軽減にも貢献するため、運動時には欠かせない栄養素となる。
解説
◆運動時のエネルギー源の要素となる
・BCAAは運動時の筋肉のエネルギー源の要素となり、持久力を維持する働きがある。
・激しい運動を行うとBCAAがエネルギーとして消費され、筋肉が分解される。
◆筋肉を形成する
・タンパク質の合成を促進して筋肉の分解を抑制し、運動などで傷ついた筋肉を回復させる働きがあり、筋肉疲労の軽減にも貢献する。
・運動時にBCAAを摂取した場合、効果的に体脂肪が燃焼する。
過剰摂取や欠乏による症状
▸BCAAが不足した場合は筋肉の減少、スタミナの減少が起こり、イライラしやすくなり集中力の低下につながる。
▸過剰摂取した場合は殆どのケースで問題ありませんが、一定のアミノ酸を過剰摂取した場合は、過剰毒性を引き起こすことがある。
▸過剰毒性の傾向は必須アミノ酸の方が起こりやすく、BCAAのうち単体のアミノ酸を多量摂取した場合、他のBCAAとのバランスが崩れることによって、ブドウ糖の代謝やアンモニアの排出の阻害、体重減少といった症状が現れる。
▸1日60g以上の分岐鎖アミノ酸を何年かに渡り摂り続けた場合、ケトン血症などの副作用を引き起こすことがある。
▸腎臓や肝臓の機能低下などを引き起こすこともあり、肝性脳症でBCAAを大量摂取した場合は、高グルタミン症を発症する可能性がある。
▸妊娠中や母乳授乳期、過度のアルコール摂取、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、分岐鎖ケト酸尿症(メープルシロップ尿症)、糖尿病、2週間以内に手術予定、これらに該当する場合は摂取を控える必要がある。