チロシン

〔英:tyrosine(Tyr)〕

 

概要

 

▸チロシンはアミノ酸の一種で、フェニルアラニンから合成される。

神経伝達物質(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の原料となる。


▸代謝、髪の毛、メラニン(皮膚の黒色色素)、甲状腺ホルモン(自律神経の調整)の材料となる。


チロシンは神経や脳の働きを助けるために必要な栄養素で、うつ病・認知症・パーキンソン病の予防や改善に役立つ。

 

解説

 

神経伝達物質を合成する
・脳を活性化させる神経伝達物質(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン)を合成する。
・興奮した際に分泌されるアドレナリンとノルアドレナリンは、運動能力を引き出させる。
・リラックス状態で分泌されるドーパミンは、集中力や学習能力を向上させる。


甲状腺ホルモンを合成する
代謝や成長を促進する甲状腺ホルモン(チロキシン)を合成する。


メラニン色素を生成する
紫外線から細胞組織を守る働きを持つメラニン(皮膚や髪の色素)を生成する。


うつ症状を改善する
・チロシンは、発奮させるドーパミンや集中力を高めるノルアドレナリンの原料となるため、
うつ症状の改善に貢献する

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸チロシンが不足した場合は、脳内で働く神経伝達物質の分泌が減少するため、集中力や気力が低下する。


成長途上にある乳幼児が摂取不足になった場合、チロシンは代謝や成長を促進する甲状腺ホルモンの原料でもあるため、発達障害や成長障害が起こることもある。


▸コレステロールが増加し、脂質異常症や動脈硬化を引き起こすこともある。
 

チロシンが不足した場合は、メラニンの生成が阻害されるため白髪になりやすくなり、反対に摂り過ぎた場合は、肌のシミやそばかすが発生する可能性がある。


▸過剰摂取した場合の症状では、頭痛、疲労、胸焼け、関節炎などが挙げられる。

妊娠中・授乳中の摂取における安全性については、確実な要素がないため、摂取を控える必要がある。

▸甲状腺機能亢進、グレーブス病を患う場合は使用不可となる。