ナトリウム(Na)

〔英:sodium〕

 

概要

 

▸ナトリウムは細胞外液の主要な陽イオン(Na+)。

▸細胞外液量を維持する働きがあり、浸透圧、pHの調節においても大切な役目を担っている。

生体内ではナトリウムイオンとして、神経伝達や筋収縮などに関与する。


▸ナトリウムの摂取は主に食塩からであり、過剰摂取となりやすい成分で、摂り過ぎた場合は高血圧、腎機能障害、体重増加、むくみなどを引き起こす要素となる


▸日本食で使用される醤油や味噌といった調味料には、ナトリウムが多く含むれているため、過剰摂取には十分に注意する必要がある

 

解説

 

体の水分バランスを調整する
・ナトリウムは細胞外液に多く含まれ、カリウムは細胞内液に多く含まれる。
・相互の
濃度バランスを適正に保つことで、細胞の水分バランスや浸透圧、体液のpH調節などが行われる。


二酸化炭素を運ぶ役目
・細胞で要らなくなった二酸化炭素を血液で運ぶ際、二酸化炭素の一部分はナトリウムイオンとの結合で炭酸水素ナトリウムになり、血液と共に運搬される。

神経細胞の刺激伝達が行われる
・細胞外のナトリウムイオンと細胞内のカリウムイオンとの交替動作による電気信号で、神経細胞の刺激伝達が行われる。

筋肉を収縮させる
・筋肉を収縮させる指令が脳から伝達されると、筋肉細胞外のナトリウムが筋肉細胞内へ移動し、筋肉が収縮される。

血圧をコントロールする
筋肉である動脈にナトリウムが入ると、筋収縮が起こり血圧が上昇する。

・反対にマグネシウムは筋肉を弛緩させる作用があるため、血圧を下げる働きがある。
・ナトリウムやマグネシウムなどのミネラルのバランスにより、血圧がコントロールされている。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸普通の食生活で欠乏することは殆どありませんが、下痢、嘔吐、極度の多汗によって不足するケースがある。


▸ナトリウムの欠乏症状では、食欲不振、痙攣、記憶力低下、低血圧、脱水、吐き気、脱力感といった症状が現れることがある。

▸過剰摂取した場合は、むくみ・体重増加・高血圧・動脈硬化・過呼吸症候群を発症することがある。

塩分過多の食事に偏ると、ナトリウムの過剰摂取の要因となるので注意が必要である。