カリウム(K)

〔英:kalium〕

 

概要

 

▸多くの食品に含まれているミネラルの一種。

▸カリウムイオンは細胞内に最も多い陽イオンで、人体に必要不可欠な栄養素である。

心肺機能の調節、エネルギー代謝、酵素の活性化、細胞内液の浸透圧の維持、細胞の成長と分裂など、生命を維持するための様々な作用に関与する。


ナトリウムの排出を促進する成分で、約120~160gのカリウムが成人の体内に含まれ、その98%は細胞内に存在する。


▸カリウムとナトリウムは、バランスを調節し合いながら作用している。

細胞内でのカリウムとナトリウムの比率は10:1、細胞外では1:28で維持されている。

 

解説

 

細胞内の浸透圧を維持する
・細胞の外液に存在するナトリウムイオンとバランスを調整し、細胞の浸透圧を適正に保つ役割がある。

細胞内の酸塩基平衡を調節する
・細胞が適切に生命活動を行うには、細胞外液のpHが一定に保たれる必要があり、この
酸塩基平衡と呼ばれる調節にカリウムは関与している。

神経伝達
・細部内外のナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度は、細胞膜にあるナトリウム-カリウムイオンポンプにより一定に保たれている。

・刺激によるこの濃度差の変化によって、細胞で情報が伝達される。

血圧を維持する
・カリウムとナトリウムは相互に拮抗して作用しているため、カリウムを摂取することでナトリウムの排泄を促進し血圧を維持することから、高血圧の防止にもつながっている

筋肉を収縮する
・ナトリウムとカリウムが筋肉細胞に働きかけることで、筋肉の収縮が始まる。

バランス良くナトリウムとカリウムを摂取することで、筋肉の適切な収縮が可能となる。


水分バランスを調節する
・カリウムとナトリウムのバランスが崩れた場合、細胞内のナトリウム濃度を下げるために水分を取り入れ調節する。
・血管壁が水分で膨張すると、血圧が上昇しむくみを引き起こしますが、カリウムを摂取することでむくみを改善することができる

その他の役割
・エネルギー代謝、核酸の合成、酵素の活性化といった働きを備える。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸普通の食事で不足することは殆どありませんが、欠乏した場合は、血圧上昇、脱力、疲労感、不整脈、便秘、筋力低下、筋収縮阻害などを発症することがある。


▸腎機能が適正であれば、余分なカリウムは排出され過剰症になることはありませんが、腎機能が低下している時に過剰摂取した場合は、血中のカリウム濃度が異常に上昇する高カリウム血症の症状が現れる。

▸また、吐き気・嘔吐・顔面蒼白・腸の痙攣・下痢・手足のだるさ・四肢の痛みなどの症状が現れる。