ビタミンB5(パントテン酸)

〔英:pantothenic acid〕

 

概要

 

▸あらゆる食品に含まれている水溶性のビタミンB群の一種。

 

▸糖質や脂質、タンパク質すべての代謝に関わるコエンザイムA(CoA)の要素となる。

 

▸副腎をサポートしてホルモンの合成を促し、ストレスに対する抵抗力を生成するため、ストレスを伴う生活習慣が常習化している人にとっては重要なビタミンとなる。

 

解説

 

体内でエネルギーを生成する
・体内でCoAの構成成分となり、糖質・脂質・タンパク質の代謝に関与し、エネルギーを生み出す過程での必須の要素。

 

動脈硬化を予防する
・善玉(HDL)コレステロールの合成を促進し、動脈硬化を予防する働きがある。

 

ストレスを緩和する
・副腎の働きを強化し、ストレスを緩和する副腎皮質ホルモンの合成を促進し、ストレスへの抵抗力を高める働きにより、ビタミンB5は「抗ストレスビタミン」とも呼ばれる。

 

肌と髪の健康を保つ
・ビタミンCは肌や髪を形成するコラーゲンの合成に不可欠な要素で、ビタミンB5はコラーゲンを生成する時に必要なビタミンCの作用をサポートし、肌や髪を適正に保つ働きがある。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸ビタミンB5はあらゆる食材に含まれるため、極端に栄養が偏らない限り欠乏症は起こらないが、万が一欠乏した場合は手足のしびれ、睡眠障害、めまい、疲労、頭痛、食欲不振といった症状が発症する。

 

▸通常時よりビタミンB5の消費量が多くなる妊娠中や母乳授乳期には、欠乏に注意する必要がある。

 

▸摂り過ぎたビタミンB5は直ぐに尿として排泄されるため、通常は過剰摂取による心配はありませんが、ごく稀なケースで下痢やむくみを引き起こすこともある。