ビタミンB3(ナイアシン)

〔英:niacin〕

 

概要

 

▸ニコチン酸とニコチンアミドの総称。

 

▸ナイアシンとも呼ばれる水溶性のビタミンB群の一種。

 

▸糖質や脂質、タンパク質の代謝に不可欠な栄養素。

 

▸体内に一番多く存在するビタミンで、500種近い酵素の補酵素として働く。

 

▸循環器や消化器、神経の働きを特に促進し、精神疾患やコレステロールの改善などに効果が見込まれる。

 

▸ビタミンCに次いで1日の必要量が多いため、十分な摂取を心掛けることが大切。

 

解説

 

エネルギー産生の補酵素として働く
・体内では、水素を運ぶ役割を担う活性型ニコチン酸であるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)になって、糖質や脂質からエネルギーを産生する際に働く酸化還元酵素の補酵素として働く。

 

アルコールの分解に関わる
・アルコールを分解する酵素の補酵素として働き二日酔いを防ぐ。
・アルコールの摂取量に比例してビタミンB3は消費されるため、補給しないとアルコールを代謝する肝臓に負担がかかることになる。

 

血行を促進する
・毛細血管を広げる作用がビタミンB3にはあり、血行を良くする効果がある。
・頭痛、冷えや肩こりを改善する効果がある。

 

粘膜や皮膚を健康に保つ
・脂肪酸が合成される時に、NADPは水素を供給する役割がある。
・DNAやホルモン生成にも関わり、細胞の再生をサポートする。
・皮膚の粘膜の健康維持や、性ホルモンを形成する手助けを行い適正な発育を促す。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

▸ビタミンB3が欠乏すると皮膚や粘膜、消化器、神経系に影響を及ぼし、子どもの場合は成長障害を引き起こすことがある。

 

▸欠乏症の代表的なものにペラグラがあり、皮膚炎に下痢などの消化器系症状を伴い、中枢神経に損傷を受けて認知症を引き起こすことがある。

 

▸ビタミンB3は通常の食生活での過剰摂取はなく、過剰摂取による健康被害は殆どありませんが、50mg以上摂取した場合は一時的に、皮膚が炎症を起こして顔が赤くなったり皮膚がチクチクしたりすることがある。