ビタミンB1(チアミン)

〔英:thiamin〕

 

概要

 

▸水溶性のビタミンB群の一種。

 

細胞が糖質をエネルギーとして利用する際に欠かせないビタミン。

 

神経の機能を正常に保つ作用がある。

 

糖質に偏った食事や加工食品の多用、多量の飲酒で不足しやすくなる。

 

解説

 

糖質の代謝を助ける働きがある
・糖質を分解するときに重要な酵素は、活性型のビタミンB1がないと働かないため、不足すると細胞内で糖質を上手く分解できず、乳酸などの疲労物質が溜まり疲れやすくなる。

 

筋肉の疲労を防ぐ働きがある
・摂取量が多いとエネルギーの産生を支え、筋肉を癒す働きがある。
・神経系の伝達に関与しているため、脳を筆頭に神経細胞や筋肉、心臓の働きを正常に保つ役割を果たしている。
・食欲を適正に保ち、胃酸の分泌を高めて消化吸収も助ける働きがある。

 

過剰摂取や欠乏による症状

 

ビタミンB1が欠乏すると細胞内で糖質をスムーズに分解できず、乳酸などの疲労物質が溜まりだるさや疲労感を覚えることがある。

 

脳のエネルギーが不足することで脳の働きが悪くなり、イライラや集中力の欠如、記憶力が低下したりすることがある。

 

ビタミンB1欠乏症の代表的なものに、末梢神経に異常が出る脚気と中枢神経に異常が出るウェルニッケ脳症がある。脚気に至ると食欲不振や疲労感、手足のしびれやむくみ、動悸などの症状を発症し、進行して重症になると心不全を発症して死に至る場合もある。

 

眼球の運動麻痺や意識障害などが特徴のウェルニッケ脳症は、進行すると昏睡状態に陥ることがある。

 

慢性アルコール中毒症を合併すると、コルサコフ症候群という精神病を発症する。