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首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感をひとくくりにして肩こりといいます。肉体的、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによる肩周辺の筋肉の緊張と血流不足が原因です。
日常生活から考えられる原因
同じ姿勢でのデスクワーク
同じ姿勢で長時間パソコンに向かっていることで、首や肩周辺の筋肉に緊張が続き、肩こりの症状があらわれます。
眼精疲労
パソコン、携帯電話などによる長時間にわたる目の酷使や、メガネの度が合っていないなどの慢性的な目の筋肉の緊張や疲労が、肩こりの症状を引き起こすことがあります。
運動不足による筋肉疲労と血行不良
日頃から体を動かしていないと、筋肉が普段使われないので、筋肉の緊張や疲労が起こりやすく、肩や首筋がこります。さらに、運動不足は血行不良を招き、肩こりの発症の原因になります。
ストレスによる緊張
肉体や精神にストレスを受けると、筋肉を緊張させる自律神経の働きが活発になります。そのため、肩周辺の筋肉が緊張し、肩こりが起こります。一時的なものであれば問題ありませんが、連日ストレスにさらされ筋肉に過剰な緊張状態が続くと、肩こりが慢性化することがあります。
寒さによる肩の筋肉の緊張、自律神経の乱れ
寒い場所や冷房の効いた部屋でずっと過ごしていると体に不自然な力が入り、筋肉が緊張します。さらに、寒さによって自律神経の乱れを引き起こすために、筋肉の緊張が強まり、肩こりの原因となります。
肩こりをともなう疾患
四十肩、五十肩
正式名称は肩関節周囲炎といいます。加齢にともない、肩関節とその周辺の組織が慢性的な炎症を起こし、腕を上げたり、後ろに腕を回す動作が痛みのために制限されます。肩の痛みは、程度によって6ヵ月~1年半ほどで回復しますが、回復を早めるには、肩の運動を行うのが効果的です。この疾患・症状に関連する情報はこちら。四十肩・五十肩
変形性頸椎症
加齢とともに、首の骨と骨の間をつなぐ椎間板の弾力が減少したことで起こります。弾力が減少すると、椎間板に接している椎骨がトゲのように変形します。このトゲが、頸椎の間から肩に向かって出る脊髄神経を圧迫して刺激し、首や肩、腕などに痛みやこり、しびれの症状があらわれます。
更年期障害
閉経の前後、約10年間をさす更年期を迎えると、女性ホルモンのバランスが急激に変化し、心や体にさまざまなトラブルを引き起こします。症状には、こりや疲れ、だるさ、のぼせやほてり、イライラや不安感などがあります。この疾患・症状に関連する情報はこちら。更年期障害
高血圧症
遺伝や肥満、塩分のとりすぎなどの生活習慣が原因で収縮期(最大)血圧140mmHg以上、拡張期(最低)血圧90mmHg以上が続く状態です。高血圧症は自覚症状がない場合が多いですが、肩こりや動悸、のぼせ、息切れなどの症状があらわれることがあります。この疾患・症状に関連する情報はこちら。血圧が高めである
低血圧症
遺伝や病気などが原因で起こるといわれていて、一般的には収縮期(最大)血圧が常に100mmHg未満の状態です。肩こりやだるさ、疲れ、手足が冷える、寝起きが悪いといった症状があらわれます。この疾患・症状に関連する情報はこちら。血圧が低めである
狭心症
動脈硬化によって心臓をとり囲む血管が詰まると、血液の流れが悪くなり、心臓の筋肉が酸素不足を起こします。胸が締め付けられるような痛み、左肩にも痛みが広がる発作が数分続くことがあります。
心筋梗塞
動脈硬化によって心臓を取り囲む血管が完全に詰まって血流が途絶える状態です。30分以上の発作が続き、胸や左肩に激痛が走り、呼吸ができなくなるなどの発作をともなうことがあります。※上記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。
日常生活でできる予防法
体を動かして血行を良くする
体に負担が少なく、全身の筋肉をバランス良く使う運動を、少しずつでも行うようにしましょう。ウォーキングやサイクリング、水中ウォーキング、ストレッチ、ラジオ体操などがおすすめです。
肩や首を冷やさない
夏のエアコンによる冷やしすぎや、冬の寒さに身を縮める筋肉の緊張は、肩こりの原因です。
冷気をなるべく避け、蒸しタオルやカイロなどを使って、肩と首を温めましょう。
仕事の環境を見直す
パソコンの画面との距離は40cm以上離し、目線が下になるように位置を調節しましょう。そして、背筋を伸ばして椅子に深く腰掛け、キーボードは自然に手をおいたときに、ひじの角度が90~100度くらいになるようにしましょう。デスクワークが続く場合は、1時間に1回は伸びをするようにしましょう。
対処法
効果的な入浴で血行を良くする
38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかりましょう。こっている部分に、40~42℃の熱いシャワーと17~20℃の水を、2、3分ごとに交互にかけ、最後に熱いシャワーで締める方法もおすすめです。お風呂からあがったら、水気をよく拭いて湯冷めしないように気をつけましょう。
ほど良い刺激のマッサージを受ける
痛みを感じるほどのマッサージは、筋肉に余計な緊張や局所的な疲労を与えたり、小さな傷をつけてしまうことがあります。周囲の人にマッサージをしてもらう場合や、自分で行う場合は、さする、軽く押す、もむ程度の軽い刺激に留めておくのがいいでしょう。
市販の薬を使う
肩こりや首のこりの緩和には、鎮痛消炎成分インドメタシンやフェルビナクなどを配合した外用鎮痛消炎プラスター(貼付薬)や、イブプロフェンが配合された鎮痛消炎内服薬が効果的です。さらに、ビタミンB1、B6、B12などの有効成分を配合したビタミン剤も、体の中から効果があります。
病院で診察を受ける
日常生活に支障をきたすほどの肩こりや、うずくような痛みをともなう肩こりは、他の疾患が隠れている可能性があります。病院で診察を受けましょう。
肩こりを起こしやすい体型
なで肩、極端なやせ型や肥満体、猫背の人は肩こりになりやすいといわれています。
なで肩や極端に痩せている人は、首や肩の筋肉があまり発達していない場合が多く、疲労しやすい傾向にあります。
肥満体の人は、頭や肩の重さが増すので、筋肉に相応の負担をかけ、肩こりを起こしやすくなっています。
猫背のように、丸まった姿勢は、肩や背中の筋肉をつねに緊張させている状態なので、血流が悪くなり、肩こりを招くことになります。