「そんなの簡単だよ」「慣れだよ慣れ!」

それは出来る人からしたら簡単なことかも知れない。

いつもの道をただハンドルを握って、

アクセルを踏めば進むのかもしれない。

特別なことではない。

慣れている道だからね。

だが、私は違うのだ。

 

一握りの勇気を振り絞って、緊張と汗の手でハンドルを握り、

目的地を目指すことにした。

隣町にあるイオンモール。

所要時間15分ほどの長旅が始まった。

人によっては短いよという言うのは分かる。

充分承知している。

しかし、私の人生では最長記録を更新しているのだ。

 

 

自分で運転して行くのは初めてなのだ。

助手席に乗って行ったことは数知れず、だけど、

自分で運転となるとこんなに緊張するのかと思うくらい胸がドキドキしていた。

これから告白しにでも行くのかと思うくらい。

告白したことありませんけどね。

 

間違い様のない道を再度確認して、よし、出発だ。

自分の町から隣町へ運転で行くようになるのに1年ほどかかった。

ずっと庭(町)の中しか移動したことがない。

そう、お気づきだろう。

私は小心者なのかも知れない。

いや、小心者だ。

初めての場所にいくのは好きだけど、少し怖い自分も同時にいる。

 

車で15分ほどにあるイオンモール、

着く直前に急カーブがあって、そこを上手く曲がれるのだろうか心配になってきた。

曲がらないと辿り着かないから曲がりますよ。

 

初めての場所は緊張する。本当は数えきれないくらい行っている。

初めての運転が怖いのだ。

そして、急カーブに差し掛かる。

お〜お〜何とかできた。

もうずっとドキドキしながら、やっとのことで

駐車場に停車することができた。

偉いよ自分。

今週の中で一番頑張った。

成長した。

いつもそうやって自分を褒めている私である。

 

エンジンを切って気づいた。

窓を閉めるのを忘れた。もう一度エンジンをかけて、窓を閉めた。