何をどう出来るのか分からないが「出来る気がする」の

一言から始まった夫の挑戦は、

一年後にようやく駐車場のコンクリートを完成した。

 

京都の夏の摂氏38度の中、

コンクリートを完成させたのだ。

これでようやく我が家の車を停めることができる。

車を停めることを想定した場所なので、

基礎を点圧した後、砂利やメッシュを入れて、コンクリートをこねて敷き詰めた後はセメントで表面を綺麗にして、箒ではきびき仕上げをして、

一週間乾かして完成となる。

 

最初の方はコンクリートを混ぜるのを少し手伝ったけど、

後半からは子守りを理由に手伝うことはできかねていた。

だが、夫は1人黙々とやり続けたのだ。

出来上がった時は猛者だなと感心せざるおえない。

少しコンクリートをスコップで混ぜた経験があるため、

大変さも身にしみて分かった。

 

途中で挫折して業者に頼む羽目になると想定いたが、

そうはならなかった。中々の重労働をもん言わずやり遂げたのだ。

真夏でやるべきことではないのは素人目でも分かった。

だが、彼はやると言ったら誰の話も聞かない性分の様だ。

 

玄関アプローチや縁側などはすでに完成しているので、

最後に残ったのが駐車場部分で、

結構広いので近所の人からも

いつ終わるんだろうと聞かれていたのだ。

私の答えは決まって、「いつ出来るんでしょうね」

本当のところ私も知らないのだ。

かくいう私はとりあえず家ができてるので、住むのに不自由がない為、

外構は何年経っても構わないというスタンスだ。

気持ちはサクラダファミリアの完成を待つような気持ちで、

何年かかっても良いではないかという半ば諦めの境地である。

 

もちろん、フェンスやカーポートは風の影響を受けるので、

その部分はプロの手を借りて作ってもらい大満足している。

夫の趣味は往々にして、現実的で必ずリターンがあり、

ロマンという言葉はどこへやら、

実に生活に密着した実用的なことを好み、

私からしたらお得なことが多い。

家庭菜園にしても、必ず野菜を収穫して、実るものを植えようとする。

お花や植物にはあまり興味を示さないのである。

理由は簡単だ。

実らないから食べるところがないのは嫌とのことで、全く植えようとしない。見た目のことは何も考えていない。

2人でデートに行った時にTシャツオレンジ色、短パンオレンジ色、

靴までオレンジ色のオールオレンジコーデで来たときは流石に引いた。

オレンジ色が好きなのは分かったから、

少しファッションというものを気にしたらどうだろう。

ある意味、我が道を貫き通しているので、なんか笑えてきた。

「オレンジ好きなんだね」と言ったら

「えっ別に」

うっっっっっそーーー!

絶対オレンジ好きな格好してるじゃん。

なんだこの人と思ったのを覚えている。

 

 

今ではそれも彼の一面であり、受け入れている。

またやってるなとしか思わない。

何なら話のネタにさせて貰いますけどね。

それくらいの距離感が実生活の中では丁度良いのかもしれない。

付き合った時のドキドキやワクワクや興奮などはないが

良き相棒みたいな感覚になって来ている。

 

同じチームに所属しているチームメートの様な、空気の様な、

お互いの役割が違うので、自分の役割分担をこなしていく。

変に相手を変えようとするのではなく、

受け入れながら何が出来るだろうかと探す様になった。

環境や仕組みを変えてお互い使いやすいように生活した方がお得だし、

お互い笑顔で居られると思う。