コロナ以降、ほぼ習慣化した一日の些事の連なりを、既に10回、100回、200回と繰り返している。こんな経験は未だかつてなく、若い頃ならば、この退屈さ、焦燥感、苛立ち、ストレスに発狂していたかもしれない。しかし、同じ些事を繰り返している毎日なのだけれども、毎日が微妙に違っているということに最近気付いた。あたかも、ぼんやりと橋の上から欄干にもたれて川の流れを見ていると、一様な水の流れが続いているようだが、目を凝らすと、葉っぱや木片、ごみのようなものが流れおり、水の渦や泡立ち模様にも変化があることに気付く如く。
私がふと気付いたこともこれと同様で、毎日同じことの繰り返しのように思えることも、実は一日毎に微妙に異なっているということだ。この日々の濃淡の微妙な違いを知り、味わうことを会得できたら最高だろうと思う。一期一会とはこういうことを言うのだとも思う。川面をぼんやり眺めていると、水の流れが時の流れに変わり、自分が川下を向けば視線がテールライトに、川上を向けばヘッドライトになる。中島みゆきの気持ちが少しわかった気がする。
|