1945年6月23日、沖縄戦が終了した。私は戦争を知らない団塊世代だ。だが、間接体験として街角に立つ傷痍軍人の姿、進駐軍家族が居住していたアメリカ村、人々でごった返す駅裏露店の喧騒などが記憶にある。多分私はこのまま、戦争を直接体験することはないであろう。明治維新以降の世代としては、生涯を通じて戦争に係わらずに済んだ幸運な世代だといえる。戦争は何の得にもならない。
だが、やってみたいと思っている人はいるだろう。例えば、失うもののない人、自死したいが決行できない人、後ろめたい過去を帳消しにしたいと思っている人、借金を抱えている人、武器マニアの一部、自衛隊の一部、政治的野心家などだ。そんな不心得者の潜在している現実世界だからこそ、もう片方に安楽、安らぎ、癒し、絆などに惹かれる気持ちもまた強くなるのだろうと思う。谷山浩子さんのすばらしい詩を見つけた。遠い昔にあった様な気がする、こんな日々をもう一度送りたい。
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