2/4拍子や3/4、4/4拍子は一般的だ。小学校の音楽で習った歌の大半はこれらの拍子だ。かっては6/8拍子の曲も、3/4拍子との違いを気に懸けることは無かった。せいぜい作曲者の好みの問題ぐらいにしか気に留めなかった。それでも歌は歌えた。約分すれば同じことだ、くらいにしか理解していなかったが、それで何も困ることはなかった。
だが、還暦を過ぎて始めた吹奏楽で、ある時、6/8拍子の曲のときだったが、指揮者の振るタクトの動きが理解できず慌てた。そして、6/8拍子の曲が3+3の2拍子なのだと言われてポカンとした。後日理解できたことだが、それはつまり1~3拍目の前半グループと4~6拍目の後半グループに二分して、前半グループと後半グループをそれぞれ1拍(音は基本的に8分音符3つ分あるが)ずつと感じて、2拍のリズムの曲として演奏するということだ。それが証拠に、指揮者は2拍で振る。余程ゆっくりした曲でない限り6拍で振っていたら、手を動かすだけで疲れてしまう。
初めて5/8の楽譜を見た時は目が点に
これもそれから数年後になってからのことだが、9/8、12/8や、なかには5/8という曲にも出会った。9/8は3+3+3の3拍子、12/8は3+3+3+3の4拍子だ。これらの場合は、耳で聞く限りは3/8や4/8のリズムとほとんど同じようなリズムになるので、私にも本当のところはよくわからないけど、作曲者の好みかも知れない。ただし、5/8というのは、3+2、または、2+3であり、これは変則的な2拍子で、2拍子と3拍子のリズムが交互に現れる、一風変わって民族音楽のようなリズムだ。
いずれにしてもト音記号の次に記された拍子記号の意味を理解してからは、いわゆる小中学校で音楽の時間に習った世界からパッと拡がった感じがしたのは事実だ。それはリズムを感じて、自然に体が揺れるかどうかの違いだった。
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