知床旅情 | hello-candy-candyのおかりなブログ

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ひねもす土の音(オカリナ)の響きに興をもよおせど、しばし徒然なるままに由無し事を綴りけるなり。

 1日1曲ずつオカリナを演奏しています。

  今日の曲は「知床旅情」です。

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  初めての北海道一周一人旅

 

 この歌にはとても懐かしい思い出がある。1969年の夏休みに、私は初めて北海道を旅行した。当時、一番安かった北海道一周国鉄周遊券を利用した一人旅だった。記憶に残っているのは、函館の夜景、海霧で何も見えず霧笛だけが鳴っていた襟裳岬、布施明が歌う幻想的な霧の中ではなく、紺碧に晴れ渡った摩周湖、「知りたくないの」が流行っていた菅原洋一と偶然に出会った宗谷岬、フェリー船で渡った最北の島と利尻富士早朝登山、クマよけの鈴を鳴らしながら愛山渓から層雲峡までの道すがら人ひとり出合わなかった大雪山縦走、北大ポプラ並木と札幌時計台、網走刑務所、などだ。

 斜里のユースホステルに泊まった晩のミーティングで、森繁久彌が作詞作曲したというこの歌を初めて聞いた。哀愁を帯びたメロディは一緒に歌ってその場ですぐに覚えた。加藤登紀子がこの歌のレコードを出したのが1970年のことなので、一足早くこの歌を知った優越感に浸った。

 当時、知床半島は斜里町ウトロから10キロ先の岩尾別という番屋があるだけの所までは林道があるが、その先の知床五湖を含む知床半島は、日本最後の秘境と言われていた。2019年に知床五湖までレンタカーで行った時は、斜里から快適な道路が通じており、大勢の観光客が知床五湖周遊歩道を歩いているのを見て、隔世の感がした。

 

  知床観光船沈没事故

 

 ちょうど2年前、26名が乗った観光船「KAZU Ⅰ」が沈没した事故をめぐる強欲社長の無責任ぶりについては開いた口が塞がらないが、本人もあの時もう少し…していたら、と思っていることだろう。が、後の祭り、覆水盆に返らず、とはこのことだ。乗客も一人ひとりに、もしあの時ああしてたら…という、乗船に至る節々で、別の選択肢があったことを思うと、諦めきれないことだろう。

 「沈みそうだ 本当にお世話になった ありがとう」と妻に電話した男性の悲痛さは、いかばかりだったか。さらに、指輪も用意し、彼女の誕生日にプロポーズするサプライズの乗船が・・・。運命とは何だろう。せめて加害者になることは細心の注意を払うことで予防できるにしても、被害は自分の注意だけでは如何ともしがたい。一日の無事を天に感謝する外に、人にできることはない。せめて亡くなった方々の無念を想いつつこの曲を吹きたい。

 


 

▼Myオカリナ演奏

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知床旅情 (森繁久彌作詞作曲)