こんにちは。HCnetの山下です。
「睡眠」をテーマにしたブログは今回で最終回
とさせていただきます。
ブログのタイトルは、昔ネットサーフィンをして
いて見つけた睡眠についての論文と同タイトルです。
ちまたでよく聞く「7時間睡眠長生き説」を科学的かつ
論理的に崩す内容で強く印象に残っていました。
http://www.hozugawa.net/eukaryota/longsleep.html
要点を掻い摘んでお話しします。
①「7時間睡眠長生き説」の根拠となるデータは100万人規模
で大がかりに調査された結果であり、事実としては信憑性
がある
②だからといって長時間睡眠が寿命を縮めるという結論を
導くのは誤っている。
③長時間睡眠と寿命を縮めるということは原因と結果の関係
ではなくて両者ともある共通した原因の結果であると主張
④共通した原因とは「体の組織(細胞)が傷ついている」という
事実である。つまり体が傷ついているから多くの睡眠が
必要であり、また、体が傷ついているからこそ命を落としやすい
状態である、というわけです
⑤また、代謝量が多いほど活性酸素を生み出して体を傷つける
という事実から、代謝量が覚醒時の70%である睡眠の時間が
多すぎることが寿命を縮める原因となるという仮説はおかしい
とダメ押ししています
⑥さらに、ベストセラーとなった「ゾウの時間 ネズミの時間」
を引用して「哺乳類の体重1kgあたりの生涯のエネルギー消費
量は30億J(ジュール)」という有名な(?)衝撃の結論に
言及し、寿命が代謝量に規定されるという極めて強力な論拠
を提示しています。
⑦筆者が最も言いたかったことは、データの解釈は慎重にしなさい
ということでしょう。「7時間睡眠長生き説」を真に受けて睡眠が
必要な人が無理やり7時間に睡眠を削った場合に、体調が十分に
回復せず寿命を縮めてしまう可能性を危惧しているのだと
思われます。
今の時代、健康ブームも過剰気味で様々な情報が飛び交って
います。メディアや本で流れる情報は専門家が監修していますし
きちんとデータもとっているはずです。しかしながらデータは
事実でもデータの読み方ひとつで結論が全く違うものになること
があり得るということが本日のブログでよく分かったと思います。
メディアの情報を鵜呑みにすることなく、なぜ実験データは
このような結果を示しているのかを自らの頭で論理的に考える
ことがとても大切なのではないでしょうか。特に健康に関する
話は命に関わってくることもあり得るのです。